博多の山笠人形が海を渡る「壱岐・郷ノ浦祇園山笠」7/27(土)、28(日)開催!

博多の町では7月15日に博多祇園山笠の追い山笠が終わり、やっと夏がやってきますね!そんな博多祇園山笠の人形を追い山笠の後、船に乗せて島に運び、お借りした人形を使って山笠をつくる壱岐島の「郷ノ浦祇園山笠」。本町流、下山流、塞流、新道流の4つの山笠を奉納する、毎年7月の第4土曜日と日曜日に行われている島の伝統行事です。

目次

山笠行事後の夜市も楽しみな宵祭(前夜祭)

前夜祭は、7月27日(土)16時から、「山見せ集合」、「神事」、「開会式」、「唄子太鼓演出」、「鬼太鼓競演」、「肩慣らし」が行われた後、各流で18時から夜市が行われます。

「山見せ集合」
「神事」
「開会式」
「唄子太鼓演出」
「鬼太鼓競演」
「肩慣らし」

「神事」から「肩慣らし」まで一通り前夜祭の行事が終わった後に各流で開かれる夜市は、流ごとに規模や雰囲気も違いますが、昨年は、ダンスの発表会があったり、夏祭りならではの電飾系ドリンクが売っていたり、流で用意された利益度外視の豪華賞品すぎる福引が大人気だったりで見ていて楽しかったです。

最大の見せ場は石段のぼり!1日中、町を練り歩く祇園祭

2日目の本番は、朝9時に「塞神社」前に集合して、まずは郷ノ浦の漁師町である元居の八坂神社を目指します。壱岐島の郷ノ浦祇園山笠は、“走らない”山笠ですが、島内は坂道が多いので舁き手の皆さんはけっこう大変そうです!「八坂神社」に到着した後、全員で参拝し唄子太鼓の奉納後に戻ってきます。

出発地点
表通りも浦通りも山笠が通ります
坂道で山笠を持ち上げることも

途中途中で休憩ポイントですが、だいたいお酒が出されるのでみんな少しずつ酔っ払っていきます(゚∀゚)

休憩ポイントでの振る舞い酒
「八坂神社」への参拝

さて、町に戻ってきた山笠は、昼休憩に入りその後見せ場である石段に向かいます。博多の山笠はスピード感と迫力がありますが、石段のぼりは地元出身の私でもこんなところ山笠でのぼれるのか!!!と思う難所を、4つの山笠がのぼっていくので、最大の見どころだと言われています。

最大の見せ場である「石段のぼり」(壱岐・赤木写真館提供)

その後は「新道バス停」前という壱岐の中でも比較的広めの道路に出るのですが、ここで4流れがぐるぐると回りながらぶつかり合うので、なかなかの迫力で観客は思わず声をあげるほど。ちなみにかなりの確率で水をかぶるので濡れます(゚∀゚)

ぶつかり合う山笠

【壱岐郷ノ浦祇園山笠スケジュール】

博多の山笠人形を借りてつくる壱岐の山笠

冒頭で、博多の山笠が終わった後、人形を借り船に乗せて壱岐に持ってくると書きましたが昨年実際にどんなふうに使われていたのか比較してみました!

■「塞流」

「塞流」の山笠には「中洲流」の表の人形が使われています。

「塞流」表
「塞流」見送り

◆「中洲流」表

2023年「中洲流」飾り山笠表

■「本町流」

「本町流」の山笠には、「中洲流」の見送りの人形が使われています。

「本町流」表
「本町流」見送り

◆「中洲流」見送り

2023年「中洲流」飾り山笠見送り

■新道流

「新道流」の山笠には、「博多リバレイン」の表&見送りの人形が使われていました。

「新道流」表
「新道流」見送り

■下山流

「新道流」の山笠にも、「博多リバレイン」の表&見送りの人形が使われていました。

「下山流」表
「下山流」見送り

◆「博多リバレイン」表&見送り

2023年「博多リバレイン」飾り山笠表
2023年「博多リバレイン」飾り山笠見送り

パワースポットとしても有名な壱岐島の郷ノ浦祇園山笠

博多の山笠人形が海を渡り、島で受け継がれている伝統行事「郷ノ浦祇園山笠」。壱岐を知っている人、訪れたことがある人も、壱岐で山笠が奉納されていることをご存知ない方が多いのではないでしょうか。150を超える神社があることから、パワースポットとしても人気の壱岐島は、美しい海や美味しい魚介類、壱岐牛などのグルメも美味しく観光地として人気のスポットですが、7月の第4土日に合わせて観光できる時は、ぜひ郷ノ浦祇園山笠を観に行ってみてくださいね!

また、過疎化が進む田舎を故郷に持つものとしては、“過疎化が進む”ということは“祭りがなくなるかもしれない”ということなのかと今更ながら少し危機感を持つようになりました。毎年今頃になると、海に向かって太鼓を叩いて唄う“唄子”の子どもたちの声が響き、それを聞いて「ああ、もう山笠の季節がやってくる、夏がくるんだな〜」と思っていた当たり前の日常は、いずれ当たり前でなくなってしまうのかもしれないんだなと思うようになりました。

だから、島を出ても“山笠の時期だけ帰省して子どもと一緒に山笠に出る”という島の人たちがいたり、山笠を観に帰省したりすることが大事なのかもしれないなぁと、今年も帰ろうと思っています。恥ずかしながら私が島を出て山笠を撮りに帰ったのは去年が初めてで、そんな私が言うのもなんですが、島外に出てしまった人たちにこの時期に帰省して祭りに参加して欲しいなぁと勝手なことを思ったりするのです。

壱岐島に限らず、故郷の祭りを未来に残すためにまずは興味を持って参加することが大事なんだなぁと感じています。皆さんも地元のお祭りには積極的に参加してくださいね!帰省していない人はぜひ祭りの時期に帰省を!もちろん壱岐島の山笠も観にきてくれると嬉しいです!

壱岐郷ノ浦祇園山笠
●宵祭:令和6年7月27日(土)16:00~22:00
●祇園祭:令和6年7月28日(日) 9:00~15:50 
●住所:長崎県壱岐市郷ノ浦町
●問い合わせ:0920-47-0020(祇園山笠振興会(吉田商店))

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

長崎県壱岐出身。福岡女子短期大学音楽科卒。卒業後ラジオ局の番組制作に関わる。その後転職し、福岡の数々の情報誌とWEBメディアの編集・ライターを勤める。編集では映画紹介やコラム、インタビューを経験。2015 年よりフリーの広報、ライターとして主に映画、グルメ、旅行コラムを執筆中。

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