わが家の息子は少し霊感があるようです。今まで何もいないところに笑顔で手を振っていたりすることがあり、そう感じる場面がたびたびありました。そんな息子がお盆の期間、家の中で不思議な行動をとるようになり… 非常に怖い思いをした体験談です。
言動がおかしい息子
当時2歳の息子は、よくしゃべる子でした。ただ、まだ2歳なので文章がおかしくなることも。そんな息子と迎えたお盆の時期。お盆期間は、家でゆったりと過ごしていました。
お盆の間、なんだか息子の様子がおかしいことに気づきました。基本的には4歳上の姉と楽しく遊んでいるのですが、ときどき私に厳しい顔を向けるのです。
「どうしたの?」と聞いても、少し困った顔をして何も言わない息子。
しかしときどき
「ママ、そこにいたらダメよ」
「怒ってるよ」などと言ってきます。それを聞いて私が
「息子くんが怒ってるの? ママどこうか?」と聞くと
「どいたほうがいいね」と言ってきました。
誰もいないのにお茶を出す息子
また別のときには、
「ママ、お茶。のど乾いたって」と言ってきた息子。
「息子くん、のどかわいたの? コップ出してごらん」と言うと、息子は自分のお気に入りのコップではなく、お客さん用のガラスのコップを出しました。
不思議に思いながらもそれにお茶を入れると、息子はその場で飲まず、お茶を別の部屋に運んで行きました。息子の普段と違う行動を不思議に思って、こっそりついていくと、息子は机にコップを置き
「どーぞ」とにっこり。
ごっこ遊びをしているのかと思いましたが、お茶しかなく、ぬいぐるみも他のおもちゃもありません。そして息子は私が見ていることに気づいた途端、
「ママ! ダメよ! ママはダメだって!」と怒られてしまいました。
好きじゃない天ぷらを食べたがる
ご飯の時間には、息子が
「お芋の天ぷらが食べたいよ」と言い出しました。しかし、わが家はあまり天ぷらは食べないし、息子はお芋が好きじゃありません。「そもそもお芋の天ぷらってどこで知ったの?」というくらい不思議な発言でした。
一連の出来事を夫に話したところ、夫は少し考えて
「ばあちゃんが来てるのかな…」とポツリ。実は私たちが住んでいる家は、もともと義両親が住んでいた家です。そこに以前は夫のおばあちゃん(義父の母)も、亡くなるまで一緒に住んでいました。
夫のおばあちゃんが亡くなってから夫と結婚したため、私は会ったことがありません。夫が言うには、おばあちゃんは昔気質のきつい性格の人で、長兄である夫のことを溺愛していたそうです。そのためもし生きていたら、夫の嫁である私にはかなりきつく当たっていただろうという話を聞いていました。
そして息子がいつも私に「ママはダメ」と言っていた場所は、生前夫のおばあちゃんが使っていた部屋。お芋の天ぷらは、おばあちゃんが最期に食べたほどの大好物です。
息子に視えていたのは…
「怒ってるよ」「ママはダメだって」といった言い方は、まだうまくしゃべれない息子の言い間違いかと思っていましたが、おばあちゃんの言葉を伝えていたのかも… と思うと急に怖くなりました。
もしかしたらおばあちゃんがいて、やっぱり嫁の私をよく思っていないのかもしれない。でも息子がニコニコしながら遊んでいるのを見ると、やはりひ孫はかわいいのかななどと考え、怖いのやら嬉しいのやら複雑な気持ちに。
息子の行動を制限することもできないので、私はおばあちゃんの部屋にはなるべく入らないようにして、やり過ごしていました。するとお盆を過ぎて、息子は通常モードに。私がおばあちゃんの部屋に行っても何も言われなくなりました。
後日、義実家で夫のおばあちゃんの写真を出してもらって
「見たことある?」と聞くと、
「しってるー、おうちにいたね」と答えた息子。やっぱりいたんだと妙に納得したと同時に、「ママはダメ」などの発言もあって別の意味でも怖さを感じた出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/K)