福岡出身アーティスト【チキンナゲッツ】にインタビュー! 9月にツアー開始!

 今年結成15周年を迎えた福岡出身のアコースティックロックユニット「チキンナゲッツ」。メンバーの藤本成史さん、村田仁志さんは、障がい福祉活動に力を入れるなど幅広く活躍しています。ファンファン福岡編集部が2人にインタビューしました。9月からスタートするツアー「CHICKEN NUGGETS 2024 TOUR~Chapter3~」にも注目です! (文中敬称略)

(左から)チキンナゲッツの藤本成史さんと村田仁志さん
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「チケットを売りに中洲で朝の4時まで“流し”はきつかった」

15周年を迎え、9月に「CHICKEN NUGGETS 2024 TOUR~Chapter3~」をスタートします。
藤本 15年間、人とのつながりの中でいろいろと変化してきました。今年、場面が変わるという意味で「Chapter3」と名付けたツアーです。第3章が始まります。新しい魅力を伝えていけたらなと思っています。

あらためて結成のきっかけを教えてください。
藤本 もともと、別々に音楽活動をしていました。「チキンナゲッツ」は“チキンハート(臆病者)”からきています。“チキンハート”でも力を合わせれば、でっかいことができるんじゃないかなと。
村田 「照和」というライブハウスでそれぞれ演奏していたときに、店長から「おまえら一緒にやってみたら」とすすめられました。ノリでやってみたら反応が良かったんです。

15年間の中で、印象的だった出来事は
藤本 2018年、福岡サンパレスでのワンマンライブです。チケットを売るために3カ月ほぼ毎夜、中洲に通って朝の4時まで“流し”をしました。
村田 あまりにもきつかったので印象的です。ただ、ステージに立ったときの喜びを考えると、やってきてよかったと思えましたね。本番のステージに立てたときは大号泣でした。

やりがいを感じるのはどんな時ですか。
藤本 ライブのステージ上から、楽しんで、感動しているお客さんの姿を見たときに「やってきてよかったな」と思います。
村田 ライブはその場にいる人にしか味わえない特別な空間です。それをみんなで共有できます。僕たちも含めて楽しいし、感動も共有できるのがいいなと。

どんなことを大切に活動していますか
藤本 自己満足ではなくて、聞いた人に喜んでもらえるような曲作り、演奏を心がけています。
村田 自分たちも楽しみたいし、お客さんにも楽しんでほしいし、時間とお金を使って(ライブに)「来てよかったな」と思ってもらえることが一番幸せだなと思います。

曲作りの方法はまた、その場所は
藤本 基本的には僕がメロディーを作って、歌詞をつけていきます。「よし作るぞ」というモードに切り替えてから作り始めますね。2人で歌詞を考えることもあります。
 車の中で口ずさんでメロディーを作り、家に帰ってコードを合わせることが多いです。ギターで弾きながらメロディーを作ることもあります。

お互いの好きなところは
藤本 ないです。うそです(笑)。
村田 自分にないものを持っているところです。いい意味で自由。だからメロディーが浮かぶと思うし。ステージ上で、突拍子もなくふざけるんですよ。面白すぎて、笑いすぎて、曲の途中なのに演奏をとめたことがありました。ファンも笑ってました。
藤本 ステージ上だと何でもできます(笑)。村田さんはしゃべりがうまいです。最近はMCを担当してくれます。
村田 ライブ&ダイニングバー「intro.」で担当しているカラオケバトルのMCがスキルアップにつながりましたね。
藤本 あとは安心感です。彼じゃないと「チキンナゲッツ」の世界ができないので、彼しかいません。

「障がいのある人、その家族とそれ以外の人の壁をなくし、一つに結びたい」

楽曲「ピピピとワハハ」を2023年にリリース。楽曲制作の依頼を受けたときはどんな思いでしたか

【★ピピピとワハハとは…「医療的ケア児者対応重心型デイ にこっと」(佐賀市)に通う塚原芽衣さんの妹・葉音さんの作文。医療的ケア児を家族に持つ人たちの交流イベントに参加した葉音さんが気持ちをつづった「ピピピとワハハ」に多くの人が共感。その作文を歌にする依頼を受けたチキンナゲッツが楽曲を制作。】

藤本 以前、ハンディキャップのある方がライブを見に来てくださったことがありました。その時に何もできなかった自分たちがいて、モヤモヤしていたところに依頼が来たんです。作文を見た瞬間に心を動かされました。自分の子どもの頃とは違う視点で書かれた小学4年生の作文に感銘を受け、「ぜひ作らせてください」と引き受けました。
 曲ができたものの、“ピース”が足りていないと感じていたとき、芽衣さんが通う佐賀の施設に行く機会がありました。皆さんと触れ合って、言葉を聞くうちに必要なものに気付き、メロディーと歌詞を追加しましたね。


「ピピピとワハハ」のこだわった部分は
藤本 「自分だったらどう思うだろう」という視点を2番の歌詞に入れました。「おかあさんピアノ習いたいよ 今度授業参観きてくれるかな?」の部分です。(忙しい)お母さんの背中を見ているから、言えないという気持ちを表現しました。

初めて曲を聞いた塚原さん家族の反応を見てどうでしたか
藤本 泣きそうになりましたね。気に入ってくれるか、喜んでくれるか、緊張していましたが、歌い始めるとお母さんがすぐにポロポロと泣きはじめて。「ああ、作ってよかった。もっといろんな人に聞いてもらわなきゃ」と思いました。

ライブ&ダイニングバー「intro.」のステージ

塚原さん家族以外からも反響があったようですね。
藤本 いろんな施設で歌わせてもらっています。「大変だな、かわいそうだなと」思う人もいるかもしれないけれど、「本当はそうじゃないんだよ。家族愛があふれているんだよ」と伝えたい。施設に通っている家族の方が「自身の体験に重なって感動した」と言ってくださいました。

作文を書いた葉音さんの反応はどうでしたか。
藤本 「自分の作文が歌になってうれしい」と言ってくれました。すごく人見知りな子なので、言葉は少なめでした。
村田 最近は親しく話してくれるようになりましたよ。ミュージックビデオの撮影時に、自ら裏方として手伝ってくれたんです。葉音ちゃんの友達には、ライブ用のダンスの振り付けをしてもらいましたし、去年のツアーファイナルで、その子に踊ってもらいました。

今年5月から渋谷クロスFMでラジオ番組「障がい福祉のとびら」を担当。どんな思いで臨んでいますか?
藤本 「ピピピとワハハ」の曲を作ったことをきっかけに、障がい福祉を知るようになりました。硬くなく、聞きやすい曲にしたので、いろんな人に知ってもらいたいなと思います。障がいのある人のご家族にも音楽を聞いて共感してもらいたいし、楽しんでほしいです。
村田 芽衣ちゃんは音楽が大好きなんです。以前会ったときは、音楽を聞いてノッていました。

「intro.」の店内にあるすてきなバーカウンター

話は変わりますが、休日のリフレッシュ方法を教えてください。
村田 パスタやチャーハンを作るのが好きです。
藤本 車を1人で運転しながら洋楽を聞いています。3号線なんかを走ったり、海に行ったりします。

―今後目指したいことは。
藤本 障がい福祉の活動を1人でも多くの人に届けて、全国に広げていきたい思いが強いです。
村田 「ピピピとワハハ」の曲を通して、障がいのある人やその家族と、それ以外の人の壁をなくしたい。壁をなくして一つに結びたいです。

ファンファン福岡の読者にひと言お願いします。
村田 福祉に興味を持っていない方が、チキンナゲッツの曲を聞くことで、ちょっとでも興味を持ってくれて「自分に何ができるだろう」と思ってもらえたら。人それぞれで考え方は違うと思いますが、何かしら感じてもらえたらうれしいです!

PROFILE

藤本成史(ギター、ボーカル)、村田仁志(ギター、ピアノ、コーラス)
 2009年9月に結成。地元福岡を中心に全国的に活動するアコースティックロックユニット。2013年から社会活動としていじめ問題をテーマにした 「イカリヲアゲロ」の楽曲とともに、福岡県内の学校を中心に講演。2023年、医療的ケア児を姉に持つ妹が書いた作文をもとにした楽曲「ピピピとワハハ」がメディアに取り上げられる。2023年7月、チキンナゲッツプロデュースのライブ&ダイニングバー「intro.」(福岡市博多区博多駅東)をオープン。同年11月、「株式会社チキンナゲッツ」を設立。2024年5月18日から、毎月第3土曜に渋谷クロスFM「障がい福祉のとびら」がチキンナゲッツをメインMCとしてスタート。

CHICKEN NUGGETS 2024 TOUR~Chapter3~

日程
9月1日(日) intro.(福岡)
9月23日(月・祝) Live Juke(広島)
9月29日(日) Sports & music cafe 12-twelve-(大分)
10月5日(土) tsukimi(熊本)
11月9日(土) Potato kid(大阪)
11月10日(日) M’Line Market(石川)
11月24日(日) 奈良ビバリーヒルズ(奈良)
11月30日(土) shibuya gee-ge.(東京)
12月7日(土) 福岡トヨタホールスカラエスパシオ(福岡)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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