あたたかな日差しが顔を出す春の季節。この時期には草花などの自然を楽しんだり新生活に期待が持てるような絵本を子どもと一緒に楽しみたいですね。表紙も明るいものが多く、手に取るだけでもわくわくしてくる絵本が沢山あります。今回は、保育士ママライターが春に読みたいおすすめの絵本をご紹介します。
春に読みたい絵本の選び方
子ども達は、絵本を通して行事や季節の植物などを知り、興味をもったりイメージを膨らませて楽しむことができます。その季節にピッタリなものを選ぶなど以下のことをポイントにしてみましょう。
年齢にあったものを
絵本にはある程度対象年齢が設定されています。赤ちゃん向けのものは、絵が大きくはっきりしているもの。単語や擬音が多く、耳に入ってきやすいものを選ぶとよいでしょう。繰り返しの表現がつづくものも人気。
3歳以降になると、起承転結などストーリー性のあるものを選んでも楽しめるようになります。しかし、子どもによって好みや集中力も異なりますので、お子さんが好きな絵・興味のあるものを題材にした本を選んであげるとよいでしょう。
春の自然を楽しめる作品を
春は冬眠から動物が目覚めて活動し始めたり、桜や菜の花、タンポポなどの花も綺麗に咲きはじめます。絵本の中にもこのような春の植物・動物が登場するものを選ぶと子ども達に季節感を感じてもらいやすくなります。
読み聞かせをした後、絵本を片手に外にでて子どもと実際の自然をみてみるなども良い経験になりますよ。
新生活に期待感を持てるものを
春は入園・入学など子ども達にとっても新たな生活がスタートする時期。期待に胸をふくらませている子・不安な子とさまざまな気持ちを抱えている頃でしょう。そんな時には、新生活に期待感をもてるような楽しくて勇気が湧いてくる物語を選んでみては。
プレッシャーに感じやすい子には読み聞かせ時にも注意が必要です。「もう年長さんなんだから」「一年生になるんでしょ」などの声掛けはせずに、安心感を与えてあげられるような内容の絵本を選びましょう。
行事の前に楽しめるものを
春のイベントといえば節分やひなまつり。このような行事に関する絵本も数多く出版されています。行事の由来やどんな楽しみ方があるのかを絵本を通して知ることができ、親子でさらに楽しめるようになります。
行事物の絵本はおはなしが難しいものもあるので、年齢にあったわかりやすい内容をチョイスするとよいでしょう。
春におすすめの絵本10選
春のあたたかな空気感に包まれて自然と笑顔になれるような素敵な絵本をご紹介します。赤ちゃんむけのものから新一年生まで年齢別にピッタリな絵本をピックアップしました。
【0歳児向け】「てん てん てん」
春の赤ちゃん向け絵本としておすすめなのが「てん てん てん」。大胆に描かれたテントウムシやちょちょの絵が赤ちゃんの五感を刺激してくれます。“てん てん てん”“ぐる ぐる ぐる”などリズミカルな言葉の繰り返しも耳に入りやすくて喜んでくれるでしょう。おはなしできるようになってくると擬音をまねっこする姿も見られるように。
虫の世界へ赤ちゃんを誘ってくれる素敵な春の一冊です。
作品名:「てん てん てん」
著者:わかやま しずこ
出版社:福音館書店
【0.1歳児向け】「たまごのえほん」
命の息吹を感じる春には、動物達の誕生を描いた赤ちゃん絵本もおすすめ。「たまごのえほん」は0歳児から楽しめるとってもかわいい仕掛け絵本です。
まあるいたまごにひびが入っていて、それをめくるとにわとりやペンギンの赤ちゃんがでてきます。シンプルなしかけながら、めくるという動作を通して赤ちゃんの指先の発達も促せる遊んで楽しい絵本。たまごから出てくる時のことばもユニークなので是非注目してみてください。
作品名:「たまごのえほん」
著者:いしかわ こうじ
出版社:童心社
【1歳児向け】「ちょうちょう ひらひら」
柔らかな絵のタッチと、優しい言葉で子ども達に春の訪れを教えてくれる「ちょうちょう ひらひら」。ちょうちょさんがひらひらととんできて、うさぎさんにとまります。うさぎさんはにっこり笑顔。お次はしかさんのところへひらひらひら…。しかさんもにっこり笑顔。
ちょうちょさんを通して笑顔の連鎖が広がります。絵本を読んでいる親子も自然と笑顔になれるあたたかくて素敵な一冊です。
作品名:「ちょうちょう ひらひら」
著者:まど・みちお/文 にしまき かやこ/絵
出版社:こぐま社
【2歳児向け】「みんなでおひなさま!」
春の一大行事といえばひなまつりです。1.2歳児の子ども達はまだひなまつりのことをよく理解できていないと思うので、イベントの導入として歌をうたったりおひなさまに関する絵本を読んであげるとよいでしょう。
はじめてのひなまつり絵本なら「みんなでおひなさま!」がおすすめ。くまのくーとまーがおじいちゃんとおばあちゃんに見せるため、力を合わせておひなさまをつくります。
どうやって作るのかな?発想力がすてきでしかけ絵本になっているため、出来上がったおひなさまに思わず「おぉ!」とびっくりすること間違いなし。
作品名:「みんなでおひなさま!」
著者:きむらゆういち/作 ふゆのいちこ/絵
出版社:教育画劇
【3歳児向け】「おねぼうさんはだあれ?」
春の訪れを可愛らしく描いている「おねぼうさんはだあれ?」は3歳頃の子ども達におすすめ。冬ごもりから起きてこないおともだちをうさぎさんが起こしに出かけます。いいにおいのする花束を枕元においていいくと…。
「おきて おきて もうはるよ」「おねぼうさんはだあれ?」やさしい言葉の繰り返しで春のうららかな陽気に自然に引きこまれます。是非優しい声で語りかけるように読み聞かせしてあげてくださいね。
作品名:「おねぼうさんはだあれ?」
著者:片山令子/作 あずみ虫/絵
出版社:学研出版
【3歳児向け】「もりのひなまつり」
ひな祭りの行事前に、3~5歳頃の子どもに読み聞かせするなら「もりのひなまつり」がぴったり。のねずみたちから「森のひなまつりをしたいので、おひなさまを森に連れてきて下さい」という手紙いたねずみばあさん。ねずみばあさんはおひなさまといっしょに森に出かけました。
森の動物たちと歌ったり、踊ったり楽しく過ごしましたおひなさまたちですが、帰り道雪が降ってしまい…。さあ、大変!三人官女や五人囃子も登場し、ひなまつりの楽しい雰囲気を満喫できる一冊。ワクワクする展開もおもしろく幼稚園保育園でも人気の絵本です。
作品名:「もりのひなまつり」
著者:こいで やすこ
出版社:福音館書店
【4歳児向け】「ぎょうれつのできるはちみつやさん」
ふくざわゆみこさんの「ぎょうれつのできるシリーズ」は、子どもにも大人にも人気のシリーズ。絵本を読んでるとおなかがすいてくるような美味しそうなごちそうが沢山登場します。
春におすすめの「ぎょうれつのできるはちみつやさん」は、はちみつやのくまのお父さんと子ども達の家族愛が感じられる心温まる内容。柔らかな絵のタッチと花によって異なるはちみつの色味など細部にまでこだわって描かれた絵は大人も魅了してくれます。
作品名:「ぎょうれつのできるはちみつやさん」
著者:ふくざわ ゆみこ
出版社:教育画劇
【4歳児向け】「おやゆびひめ」
春を感じる名作絵本を寝る前の読み聞かせに選びたい方も多いのではないでしょうか。少し長めのストーリーも楽しめるようになってきた4歳以降のお子さんには「おやゆびひめ」はいかが?
世界中で愛されているアンデルセン童話のおやゆびひめ。花から生まれた親指ほどの大きさのおひめさま。かえるにさらわれたり、つばめを助けたりして旅を続け、最後は王子様とめでたく結ばれて幸せに暮らします。金の星社の絵本は絵が可愛くはじめてアンデルセン童話に触れるというお子さんにもピッタリです。
作品名:「おやゆびひめ」
原作:アンデルセン
著者:いもと ようこ
出版社:金の星社
【5歳児向け】「たんぽぽのちいさいたねこちゃん」
“あなたならできる”そんなメッセージをこどもたちに伝えたい時には「たんぽぽのちいさいたねこちゃん」がおすすめ。
たんぽぽのわたげの子たねこちゃんは小さくて弱くて自分に自信がありません。ある日突然、すずめに連れられて旅立つことになるのですが…。ちいさなたねこちゃんが奮闘する姿に子ども達も自然と勇気がわいてくる一冊。
新年度、不安や期待に心が揺れる時期に是非お子さんに読んであげて欲しい素敵な絵本です。
作品名:「たんぽぽのちいさいたねこちゃん」
著者:なかや みわ
出版社:学研出版
【6歳児向け】「ランドセルがやってきた」
この春小学生になるお子さんへ贈る絵本にピッタリな一冊が「ランドセルがやってきた」。初めてランドセルを手にしたときのわくわくした気持ちが伝わってくる絵本です。
ある日うみひこくんが幼稚園から帰るとおじいちゃんからプレゼントが届きました。中にはピカピカの青いランドセル!早速背負って外へ出かけるうみひこくんはお兄さんになった気分です。
小学生になることに不安な気持ちを抱くお子さんにも、明るく期待感が持てるような内容になっているので是非読んであげてくださいね。
作品名:「ランドセルがやってきた」
著者:中川ひろたか /文 村上康成/絵
出版社:徳間書店