【リポート】HelloYouth、最高の輝き放った6周年記念ライブ

 福岡市を拠点に活動するアイドルグループHelloYouth(ハローユース)は7月27日、「DRUM LOGOS」(福岡市中央区天神)で結成6周年記念ライブ「6周年だョ!全員集合」を開催しました。アンコールを含め約100分の公演で計18曲を披露。2023年2月、1期生4人に3期生5人が加わった新体制に移行し約1年半。各メンバーが戸惑いや不安を乗り越え、9人で作り上げた新たなカタチ。「今の私たちを見てほしい」。自信を持って臨んだステージは「限界突破のライブ」(大葉みらいさん)に。「吹っ切れないでいたものが吹っ切れた」(平松聖菜さん)最高の公演が放った輝きは、フロアを埋めた観客の心を鷲掴みにしただけではなく、HelloYouthが高みを目指して新たなスタートを切ったことを強く印象付けました。

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「HelloYouthは前にしか進みません」

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 メンバーの「6周年だよ!全員集合」の掛け声と共にステージとフロアを仕切っていた幕が落とされライブはスタート。バラエティ番組「8時だよ!全員集合」のオープニングさながらに、法被に白半股引姿のメンバーがステージ奥に設置された階段上段にずらりと整列。同番組のオープニングソングをアレンジした曲を歌いながらステージに降りてきました。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 リーダー・大島向葵さんの「6周年、いくぞ!」の絶叫に続き、ライブ定番曲の「やっぱり、スキだ。」「The Law of Youth」を立て続けに披露するとフロアの熱気は一気に上がりました。「スクーターガール」では曲が途中で止まり暗転。ピンクの照明が当たると白雪夢乃さんがバスローブを羽織って登場し「ちょっとだけよ」などと笑いを誘う場面も。「おとなになれない」を歌い終わると大島さんが「この会場を福岡で一番熱い場所にしましょう」と宣言。「MY NAME IS」へと一気に雪崩れ込みました。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 MCでは藤咲まりなさんが「LOGOSに6年間挑戦し続けて今までで一番の密度(のお客さん)なのが嬉しい」と語り「(6年間)色々あってメンバーはいろんな気持ちを抱えてやってきた。6周年に向けての期間、今までに見たことがないくらいメンバーが『楽しい』『楽しい』と。そんなふうにHelloYouthがなれて嬉しい。6年前のあの日にHelloYouthに選出されてよかった」と続けました。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 3期生の宇咲妃奈乃さんは「3期生は2回目の周年ライブ。去年は加入して半年も経っていない中、不安もいっぱいあったし、がむしゃらに挑戦したけれど課題もたくさん残りました。そこからみんなで力を合わせて頑張ってきて、今日、ここに立って、HelloYouthの一員になれて幸せだなと感じました」と語り「これからもHelloYouthは前にしか進みません。皆さんついてきてください」と宣言。暖かい拍手がメンバーを包みました。

 諦めない気持ちと支えへの感謝を歌った「青」、平松さんが「これからも一緒に新たな景色を見ていこう」と観客に語りかけて続けた「さくらのとき」では「君となら行けるの、どこまでも」と歌い上げ、バラード2曲で前半を終了しました。

「福岡で1番のアイドルに」

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 後半は福岡で初披露の新衣装で登場。新曲「ずっと好きだったのにいなくなっちゃうのかよ、バカヤロー!でもいい思い出をありがとう、、、夏」を初披露。軽快なドライブ感が溢れる曲と切なさを感じさせる歌詞の組み合わせは今までのHelloYouthの楽曲では珍しく、ここにも「新しさ」を感じます。サウンドプロデューサーのISAKICKさん(175R)は「藤咲まりなさんの卒業が裏テーマ。『好きな人はいつまでも近くにいないと分かっているけれど、いなくなっちゃうのは嫌だな。でもいい思い出をありがとう』という気持ちを表現したかった」と狙いを話します。さらに6月に発表した「君完全体」を続け、この夏の勝負曲を押し出しました。3期生5人だけで「HelloSummer」を軽快に歌えば、1期生4人は「アドバンテージ」を披露。「負けないで、自分信じて、結果がどうとか気にしない、前だけ向いていこ」の歌詞は3期生へのエールにも映りました。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 続くMCではリーダー・大島向葵さんが「6年間の中で一番いい環境をいただいています。6年間やって来て、やっとこのスタートラインに立てたかなと。福岡で1番のアイドルになりたいです。今、めちゃくちゃ自信があります」と力を込めると観客は大きな拍手と歓声で応えました。その熱気を「with us」「PARADE」「オテントサマー」「You & Me」の4曲の盛り上げ曲で更にヒートアップさせて本編は終了。アンコールは「ハニー」、新曲「ずっと好きだったのに(略)」「だって夏ですもん!」の3曲で締めました。

【取材後期】悲壮感からの解放と獲得した輝き

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 これまでのHelloYouth、特に1期生6人だった頃のHelloYouthには悲壮感が付きまとっていました。多くの困難や挫折を「私たちがグループを守らなくては」と固く団結することで乗り越えてきたことと裏腹ですが、同時にステージからは心を打つ「圧」が伝わって来ました。メンバーの個性がスクラムを組んでフロアに向かってくる「圧」、その「圧」とがっぷり四つに組むかのように観客は声援を贈り、一体の高揚感がそこに生まれていました。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 今回の6周年ライブでその様相は大きく変わりました。
ステージ上の九つの個性がスッと集まり、またスッと散らばる。ある個性は引き、別の個性が前へ出る。個性が集合離散を繰り返しつつも決してバラバラにはならない。気がつけば輪になった九つの個性に囲まれている。そんな感覚に襲われました。
 まるでステレオがサラウンドになったかのようでした。
 悲壮感は姿を消し、どこまでも澄んだ純粋な楽しさと軽やかさ、情熱とがむしゃらな「青春」が会場を包み込んでいました。
 塊になることを余儀なくされていた1期生を、3期生の加入と成長が解放したのかもしれません。HelloYouthの大きな魅力は個性豊かなメンバーです。スクラムから解放されフィールドに放たれることで1期生、そして3期生の個性もより自由に輝いたのかもしれません。

撮影:TOKUMORI 提供:HelloYouth

 「3期生が成長した今、1期生のアドバンテージって何だと思いますか?」
 ライブが終わった後、大島向葵さんが問いかけてきました。
 逆説的になりますが、それは「強固なスクラムを組めること」かもしれません。
 10月、1期生で副リーダーの藤咲まりなさんがグループを卒業します。やっと安定した「9人のHelloYouth」のカタチは、どうなるのでしょうか。
 同じく1期生の大葉みらいさんは、こう話してくれました。
 「まりまり(藤咲さん)が卒業した後も、あと3段階ぐらい洗練される気がしているので楽しみにしてほしいな」

 「思ってなかった未来が、すごそこに待ってるから、立ち止まってはいられない」(「アドバンテージ」より)
 多くのアイドルグループのように「カワイイ」を全面に押し出すわけでもなく、ベタかもしれないけれど「青春」をまっすぐ歌い続けてきたHelloYouth。各メンバーに加え、活動を支える各プロデューサーやスタッフ、そして熱いファン。「チームHelloYouth」の底力とさらなる可能性を強く感じたライブでした。

ライター:重村誠志

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