アサリの旬の時期についてご存じでしょうか?アサリの旬の時期は春から初夏にかけてと言われており、潮干狩りは3月からゴールデンウィーク明けぐらいの期間にピークを迎えます。しかし、先日我が家で、なんと旬を過ぎたアサリが予想外の大事件を引き起こしました。その全容をお話します。
姑が持ってきてくれたアサリ
9月のある日、姑がたくさんのアサリを持ってきてくれました。わが家は全員アサリが大好きで、毎年家族で潮干狩りに行くほど。そのため、アサリを使った酒蒸しやクラムチャウダー、ボンゴレ、炊き込みごはんなど、あれこれメニューが浮かびます。姑に「砂抜きしてあるから、すぐに調理しても大丈夫よ」と言われたので、安心して冷蔵庫に保管しました。
アサリと塩水が入った容器のフタを、少しずらして中身を確認したところ、スンッと生臭さが鼻をつきました。「ちょっとにおうかな」と気になりましたが、磯臭いだけかもしれません。少し気になりましたが、容器ごと冷蔵庫に入れました。
調理をしようとすると…
翌夕方、いざ調理をしようと冷蔵庫からアサリを取り出すと… 容器のフタをあけるや否や、想像以上の生臭さが。心なしかアサリ達は、でろーんと舌を出すように、水管やあしが出たままで、つついても動きません。普段、潮干狩りでとってきたアサリを砂抜きした時は、一晩経ってもアサリは元気で、水管やあしを動かしたり、ぴゅうぴゅうと水を吹き出したりしています。半開きの貝もあり、
「あれ?砂抜き済みのアサリは、こんなに動かないものかしら…」
と怪しく思いましたが、せっかくいただいたアサリなので調理することに。鍋にアサリと普段より多めに料理酒を入れて、酒蒸しを作りだしました。フタをして中火で10分ほど加熱したところで、フタをあけると…。
むわぁぁぁ~、と激しい悪臭が立ちのぼり、鼻と目を攻撃してきました。の臭いは、まるで生ゴミを煮詰めたような悪臭で、頭がクラクラとして耐えられません。
「おぇっ…おぇ…」とえずきながら、フタをしめました。涙目のまま、三角コーナーに鍋の中身をぶちまけます。普段は、一滴も残すまいと美味しくいただく、アサリの酒蒸しのお出汁が、酷い悪臭汁に…!
排水口に流れていく悪臭汁の臭いが、さらに立ちのぼり、吐き気が止まりません。数分間、水を流して、ようやく排水口から悪臭汁の臭いが流れていきました。三角コーナーにぶちまけたアサリを拾い集め、ゴミ袋を3重にして、きっちり封をしてゴミ箱に捨てましたが、キッチンはもちろん、リビングも生ゴミをぶちまけたような悪臭に包まれていました。
ちなみに、この悪臭事件に直面したのは、私だけ。子供達は、お風呂でキャッキャッと遊んでいたので、難を逃れましたが、お風呂からリビングにやってきた子供達は、すぐさま悪臭に気づきました。「くっさーーー!ママ、でっかいおならしたの?プププ~!」と大騒ぎ。悪臭の中諸々処理をしたにもかかわらず、臭いおならをした人扱いされるなんて、本当に踏んだり蹴ったりです。
姑に怒りの電話
そもそも、この悪臭アサリをよこした姑は、どういうおつもりなのでしょう。頭に来て姑に連絡をしました。
「お義母さん、今朝貰ったアサリですが、たぶん腐ってます!まだ食べていませんよね?」
義実家でも今晩の献立は、アサリの酒蒸しの予定だったそう。まだ調理前で、冷蔵庫に入ったままだったので、悪臭には気づかなかったようです。あらためてアサリの出所や買って来てからの保管方法を確認すると、どうも姑が砂抜きに失敗していたようです。
以前テレビ番組で、
「潮干狩り後のアサリは、塩水に入れる。冷蔵庫に入れると、アサリは寒すぎて砂を出さないので、一晩室内において砂抜きをするといい」
と放送しているのを、姑は見たのだそう。春から初夏にかけては、室温もさほど高くないので、一晩室温のまま放置しても大丈夫なのでしょう。ところが、この残暑も厳しかった9月に同じ方法で砂抜きをしたのです。当然、一晩かけて、塩水はお湯となり、アサリは死んで腐ってしまったのでした。
貝の食中毒は、胃袋がひっくり返るほど辛いと言います。あの時の悪臭は、酷いものでしたが、万が一臭いがなければ、食べて一家全員、食中毒になっていたかもしれません。皆さんも季節外れのアサリを調理する際は、冷蔵庫で砂抜きをするなど、お気を付けくださいね。
(ファンファン福岡公式ライター/mai)