子どもの言い間違いや勘違いって、心から笑えたり、ほっこりしたりしますよね。子どもの勘違いが大人の想像を超えたとき、そのエピソードは家族の宝物になることも。当時6歳の息子が、私とママ友との話を聞いて勘違いした結果、号泣することになったエピソードです。
「元気いっぱい」の息子と、疲労困憊の私
私の息子は、家の中でも外でもエネルギー全開で遊び回っています。元気な姿を見るのは嬉しいのですが、母としては体力勝負の日々。鬼ごっこをしても追いつけず、外出や遊びの後はいつも「ぐったり」です。
「感心するわ、あなたはいつも元気いっぱいね。体力は大人以上なんじゃない?ママは全然ついていけないよ」と息子に伝えながら、クタクタの私はソファでひと休み。そんな私に、息子は自信満々で「僕はいつでも元気いっぱいなんだ!」と話していました。自分の有り余るエネルギーが私の疲れの原因になっていることは当然理解していません。
元気いっぱいの息子が号泣した理由とは?
ゴールデンウィーク前のとある日、公園でママ友と話していた時のことです。子どもたちは公園で遊び、私たちはベンチでのんびりとおしゃべりをしていました。
「今年はまだ寒い日も多いし、衣替えのタイミングが難しいよね」
という話題になり、私は
「そうだよね、でも来週くらいからは暖かくなるし、衣替えしちゃおうと思ってる!」
と返答しました。ちょうどその時、息子が水筒を取りに来ており、私たちのその会話を聞いていたのです。この何気ない会話が、元気いっぱいの息子を号泣させることになるなんて、予想もしませんでした。
数日後、朝、息子が泣きながら起きてきました。
「ママーーーーー、お願いだから、他のうちの子と僕を交換しないで!」
一体何のことを言ってるのかわからず、怖い夢でも見たのだと思っていました。息子は必死にまだ続けます。「この前、ほかのママたちと言ってたじゃん! もうすぐ『子どもがえしようと思ってる』って!僕がいつも元気いっぱいだから、ママ疲れちゃったんだよね? もっとおとなしい子とこうかんするってことだよね?」そう言って、崩れ落ちて泣きじゃくります。
「子ども替え???」
私はやっと、息子が言っていることを理解しました。息子は「衣替え」を「子ども替え」と勘違いしてしまったのです
「どうして、あの時すぐに言わなかったの?」
と聞くと「どうしたらいいかわからなくて…。僕がおとなしくなればいいんだって思ってがんばってみたけど、無理だったの」と…。その勘違いの可愛らしさと、1人で抱え込んでいた息子を思うと、とても切なく愛おしい思いが込み上げてきました。
わが家の大切な思い出話に
私は紙とペンを取り出し、そこに「ころもがえ」と書き、息子に見せて意味を説明しました。息子は 「服のこと、ころもって言うんだ!」と驚いたような安心したような表情で話を聞いていました。とっても可愛い勘違い。そして息子自身が、わが家の子どもであることを幸せに思ってくれていることを知ることができ、嬉しくなりました。
この息子の勘違いは、今では我が家のほっこりエピソードの一つです。
「そろそろ衣替えの時期だね。『子ども替え』じゃなくてね!」
と言うと、家族全員が笑いながら、その日のことを思い出します。成長した息子も、照れくさそうにあの日の気持ちを話してくれることが、家族にとって何よりの宝物です。
(ファンファン福岡公式ライター / takase)