ドッジボール中に跳ねたボールが指にあたり、長男が生れて初めての骨折。人生最大の激痛に「もう歩けない!」と号泣&悶絶の大騒動。全運動禁止で、肩を落として登校したはずの長男が、夕方には「骨折もわるくないよ!」のニヤけ顔。いったいなにが起こったの?
学童保育からの電話
就業時間が終わると、まずは会社近くの保育園に年長の次男を迎えに行くのが、毎日の日課です。
会社を出てすぐに、長男の学童保育から電話がきました。嫌な予感がします。
「長男くんがドッジボールで小指を突き指しました。早く迎えにきてください」とのこと。早足で先に次男を迎えに行き、長男の学童保育へ急ぎました。迎えに行くと、長男はまだ号泣しています。よっぽど、痛い思いをしたのでしょう。
学童保育の先生からは
「とても痛がっているので、ボールではなく、床に指をぶつけたのかも」というお話がありました。状態を確認しようにも、長男は
「指にさわらないで!!」と、泣きながら怒っています。
命に別状なし!
学童保育の先生には、病院受診を勧められましたが、すでに夜間救急の時間帯だったので、翌日受診することにしました。夜間救急を受診しても、結局、翌日に改めて整形外科を受診しなければならない可能性が高いと判断したからです。
その時は、長男が骨折しているか否かは不明でしたが、最悪骨折していたとしても、翌朝受診したからといって、命に別状はありません。
長男の一大事になぜこんなにも塩対応なのかというと、私が看護師だからです。指はテーピングで固定して、翌日の受診に備えました。
命に別状なし=たいしたことない!です。
「お母さん、折れてますよ」
長男はその夜、痛みで起きることもなかったので、実は、ただの突き指だと思っていました。ところが翌日、近所の整形外科を受診すると、主治医に
「お母さん、ここ折れていますね」と言われて驚きました。
主治医と外来の看護師が
「これは、痛かったね~」と長男に声をかけているのを見て、突き指と決めつけていたことを、心底反省しました。そして、主治医に
「ほら、指のここ、腫れているでしょう。折れているからですよ」と、説明されました。(ほ…本当だ…)
長男は主治医から運動を禁止されたため、楽しみにしていたプール授業も、体育も、サッカーもできなくなりました。がっくりと肩を落として登校する長男。
かわいそうでしたが、これに懲りて、今後は注意深く遊ぶようになってくれたらと願うばかりです。
骨折も悪くない?!
骨折生活1日目。
おそるおそる長男を学童保育に迎えに行くと、なぜかニヤけています。指が思うように使えず、1日苦労したのではないかと思い、
「どうだった?」とたずねました。しかし、長男は
「骨折も悪くないものだよ」とニヤりとしています。いったい、何が起こったのでしょう。
理由がわからず戸惑っていると、バタバタと長男の後を学童保育の先生が追ってきました。先生から1日の様子を聞いて、その理由がすぐに判明しました。
授業中も学童保育の時間中も、同級生の女児が隣にピッタリくっついて、ノートをめくってあげたり、必要なものを取ってあげたりと、色々世話を焼いてくれたそうです。
学童保育の先生も報告をしながら、笑いをこらえています。その様子は、さしずめ大奥の殿様か若様のようだったのでしょう。長男のまんざらでもない表情が目に浮かびます。
骨折して不便とはいえ、利き手ではない左手で小指です。日常生活のたいていのことは、工夫すればなんとかなるはずなのに。そして、この話を帰宅した夫に話すと大爆笑。
「急にクラスのヒーローだからね。気持ちはわかるよ」と。
これにて一件落着!
一躍ときの人となった長男でしたが、若様生活も3週間で終了しました。
体を動かさない生活にすっかり慣れてしまい、骨折が完治してもプール授業にさえ消極的になってしまいました。
なんとか説得して参加させると、
「やっぱり、楽しかった!」と大喜びで帰ってきたので、まずは一安心。男の子が元気なのは、喜ばしいことですが、今回のことで反省して病気やケガは控えめにしてほしいものです。
(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)