メディアで「子どもに対して絶対に言ってはいけない言葉」という特集を見聞きしたことがある方も多いでしょう。普段から言葉遣いには気を付けているつもりの私ですが、叱っても一向に反省の色を見せない息子に、ついその「NGワード」を使ってしまいました。すると、思いもよらぬ反応が…
夫婦の冗談が息子にも遺伝!?
私たち夫婦は、日常的にかなりきわどい冗談を言い合っています。例えば、年下である夫が私を
「ババア」と呼んでも、私は笑って言い返す、など。でも、息子がそのような言葉を覚えてしまっては困るので、お互いに息子の前では言わないよう気をつけていました。
そんな私たちの血を引いているからか、4歳の息子も結構キツイ言葉にも耐性がある様子。例えば、私が怒ると
「えーん、ひどいよー。ママー」と棒読みでうそ泣きをし、その後はすぐにおもちゃで遊び始めます。まるで私たちの冗談を真似ているかのようです。
そんなある日、テレビをつけると「子どもに絶対言ってはいけない言葉」をテーマにした番組が放送されていました。その番組では、教育の専門家が
「『よその家の子になりなさい!』などと叱るのはNG」と話していました。もちろん、そんな言葉を息子に言ったことはありません。しかし、いくら私が叱っても動じない息子。もし息子に
「よその家の子になりなさい!」と言ったら、さすがに反省するかと思いました。
「よその家の子になりなさい!」に意外な反応
翌日の夕方、息子が「夕食前におもちゃを片付ける」という約束を破って遊び続けていました。私が注意しても、息子は無視してミニカーを走らせ続けます。そこで、前日のテレビを思い出しながら、
「約束が守れないなら、よその家の子になりなさい!」と叱ってみました。
すると、息子はびっくりした様子で私を見つめ、こんな言葉を返してきました。
「僕は別にいいよ。でも、ママは僕がいなくなってもいいの?」
まさかの言葉に私は呆然。どう対応すべきか一瞬迷いましたが、
「嫌だよ。そんなのさみしいじゃん」と本心で答えると、息子は
「じゃあ、ずっと一緒にいようね!」と笑顔で言ってきたのです。
そのかわいさに負けた私は、結局息子と一緒におもちゃを片付けることに。息子の無邪気な笑顔に負けてしまいましたが、これもまた一つの親子のコミュニケーションの形かもしれません。
私たちが言葉に気をつける理由は、相手の気持ちを傷つけないためですが、時には思わぬ形でコミュニケーションが成立することもあります。もちろん、本気で叱るべき時にはしっかり叱りたいと思っていますが、このミニコントのようなやりとりも、息子との絆を深める貴重なひとときとなりました。
(ファンファン福岡公式ライター/フルサワ)