看護師は訪問看護でも活躍できる!働くメリット・デメリット、職場の選び方を紹介 スキマバイト、復職にも

 看護師が活躍できる職場の一つである訪問看護。今回は、高齢化にともない需要が高まっている訪問看護の仕事内容や働くメリット・デメリットなどについてご紹介します。訪問看護は時短やパート、スキマバイトなど多様な働き方が可能なため、ブランクからの復職や子育てと両立したい人でも働きやすいのが魅力の一つです。訪問看護に興味がある方に向けて、職場の選び方もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

目次

そもそも訪問看護とは?

 訪問看護とは、自宅や介護施設で生活する利用者のもとを訪問して、療養上のお世話や医療処置などを行うもの。子どもから高齢者まで、訪問看護を必要とするすべての人が利用できます。訪問看護師は、病気をかかえる人や介護が必要な人でも住み慣れた自宅で生活できるようにサポートすることが大切です。

訪問看護の仕事内容

 訪問看護では、利用者の心身の状態やニーズにあわせて次のような看護を行います。

・健康状態の観察(バイタルサイン・血糖測定など)
・医師の指示による医療処置(点滴・カテーテル管理・褥瘡処置・服薬管理など)
・在宅酸素・人工呼吸器などの医療機器の管理
・日常生活のサポート(食事・入浴・排泄介助など)
・認知症ケア
・リハビリ
・ターミナルケア
・ご家族への相談やアドバイス

 利用者1人あたりの訪問時間は、要介護度や病状などによって1回30~90分程度(※1) 。車や自転車などで移動しながら、決められた時間に利用者の自宅を訪問します。利用者には医師・ケアマネジャー・訪問介護士・理学療法士などの多職種が関わり、必要な支援を行います。そのため、訪問看護師は周囲のスタッフと良好なコミュニケーションをとり、相談・連携することも重要です。

訪問看護師になるには?必要な資格はある?

 看護師が訪問看護で働くためには「正看護師」または「准看護師」の資格があればOK。訪問看護師のほとんどが訪問看護の分野は未経験の状態からスタートしています。
 訪問看護師は医療処置などを1人で対応しなければならないため、一般的に「臨床経験2~3年以上」が望ましいといわれてきました。しかし最近では、在宅医療や訪問看護のニーズが増加。先輩看護師が直接指導する同行訪問や研修などの機会を整えることで、新人や経験の浅い看護師でも就業可能な訪問看護ステーションが増えています。

訪問看護師として働くメリット・やりがい

 訪問看護は病院看護とは異なる点がいくつかあります。看護師として訪問看護で働くメリットをご紹介します。

メリット1 利用者1人にじっくり向き合える

 訪問看護では利用者の生活に寄り添い、じっくり関わる看護が実践できます。病院看護では入退院や病状の悪い患者などの対応に追われ、バタバタと慌ただしくなりがち。それに対して、訪問看護では利用者に1対1で対応するので、しっかりと向き合えるのが魅力の一つです。
 訪問看護では利用者の生活の場で関わるため、家族のような信頼関係がうまれることも。利用者が喜ぶ様子や感謝の言葉を伝えられることに、看護師として大きなやりがいを感じることでしょう。

メリット2 夜勤がなくワークライフバランスをとりやすい

 訪問看護は基本的に日祝日休みで夜勤や残業はありません。訪問看護は規則的な勤務であり、生活のリズムが整いやすいのも大きなメリットです。
 利用者1人あたりの訪問時間は決まっているため、短時間勤務や週2〜3日などのパート勤務など、柔軟な働き方ができる訪問看護ステーションが多くなっています。子育て中やプライベートの時間を充実させたい人でも、訪問看護なら自身のライフスタイルにあわせて働けるのが魅力です。

メリット3 日勤のみでも高給料を目指せる

 夜勤がない職場や働き方の中で、訪問看護は給料水準が比較的高いのが特徴です。日本看護協会の調査によると、訪問看護ステーションで働く常勤看護師の平均月収は36万7775円。病院看護師の平均月収38万6046円と比べると、夜勤手当がない分、やや低くなります。しかし、日勤のみの働き方であるクリニック(診療所)の平均月収は36万7775円、介護施設の平均月収は34万5236円(※2)。日勤のみ働きたい人にとっては、訪問看護は高給料を目指せる好条件といえるでしょう。

訪問看護師として働くデメリット・大変なところ

 訪問看護で働くときに多くの看護師が大変に感じやすい点があります。納得して転職をするためにも、病院看護とは異なるデメリットについて知っておきましょう。

デメリット1 オンコール対応がある

 基本的に夜勤のない訪問看護ですが、夜間や休日のオンコール対応があります。訪問看護のオンコールとは、利用者の緊急事態に備えて24時間体制で待機しておくこと。夜間・休日は担当の看護師が専用の携帯電話をもち、自宅で待機するのが一般的です。
 利用者やご家族からの相談に電話で対応することが多いですが、必要に応じて緊急訪問をすることも。オンコール待機中は電話にすぐ出られるように意識しなければならず、ストレスに感じてしまう場合もあります。訪問看護ステーションによって、オンコール当番の頻度や人員体制・電話が鳴る頻度は異なるため、転職先を決めるときはチェックしておきましょう。

デメリット2 1人で訪問することに不安を感じやすい

 訪問看護は基本的に看護師1人で訪問します。病棟のように、すぐ近くにほかの看護師がいるわけではないので、自分1人で対応することにプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。しかし、決して孤独な仕事ではありません。現場で困ったことがあればすぐに先輩看護師に電話で相談したり、訪問看護ステーションに戻ってから他のスタッフと話し合ったりすることも可能です。
 また多くの訪問看護ステーションでは訪問看護ではじめて働く人に対して、先輩看護師と一緒に訪問してサービス内容や手順などを学ぶ「同行訪問」を行っています。子育てなどでブランクがある人でもわからないことを確認しながら仕事に少しずつ慣れていけます。

デメリット3 悪天候での移動が大変

 訪問看護では利用者の自宅のある場所によって、車や自転車で移動することが一般的。地方にある介護事業所ほど対応エリアが広く、車での移動が負担になることもあります。訪問の合間に移動時間ができること自体、気分転換になると感じる人もいますが、夏の炎天下や雪・台風といった悪天候の日は移動をきつく感じることもあるでしょう。移動は大変ですが、自宅で待ってくれている利用者へ確実にサービスを提供することが大切です。

転職先選びで知っておきたい!訪問看護ステーションの種類

 訪問看護ステーションには大きくわけて2つのタイプがあります(※3)。転職先選びに迷わないために、それぞれの特徴や向いている人を知っておきましょう。

タイプ1 病院併設型の訪問看護ステーション

 病院併設型の訪問看護ステーションは、病院の敷地内にある、または隣接しているタイプ。利用者がその病院をかかりつけにしている場合が多く、病院の医師と連携しやすいのが特徴。緊急入院が必要な場合でも病院と連絡をスムーズにとりやすいのがメリットです。
 退院したばかりで状態が不安定な方や重症の利用者を受け入れていることが多く、訪問回数や緊急訪問が多いという特徴もあります。しかし看護師の人数が比較的多いので、看護師1人にかかる負担はそれほど増えるわけではないでしょう。
 訪問看護師は病院に所属する形となるため、院内勉強会などに参加しやすいのが魅力。訪問看護を経験した後に病院内の別の部署に異動することも可能です。病院併設型は、訪問看護で高度な看護スキルを学びたい人やキャリアを途切れさせずに訪問看護を一度経験してみたい人などに向いています。

タイプ2 単独型の訪問看護ステーション

 単独型の訪問看護ステーションは、地域の中に事業所を構えているタイプ。保健師または看護師が管理者となり訪問看護ステーションを運営します。看護師の人数は訪問看護ステーションによってさまざまですが、10人未満が67.9%、そのうち5人未満は27.3%と小規模の事業所が比較的多い現状です(※4)。
 単独型の訪問看護ステーションは、それぞれの利用者のかかりつけ医から指示を受けなければならないため、連携をとる大変さを感じることもあるでしょう。しかし利用者の病状は比較的軽いことが多く、要介護だけではなく要支援の方にもサポートにあたります。スタッフ間のコミュニケーションがとりやすくアットホームな雰囲気があるのも魅力。訪問看護で長く経験を積みたい人やゆったりとした雰囲気で働きたい人に向いています。

訪問看護の時短・スキマバイトを探せる看護師求人サイト「クーラ(CURA)」

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人気が高まっている訪問看護で看護師として活躍しよう

 訪問看護は在宅で生活する利用者を専門的な立場からサポートする仕事。ニーズが高まっている訪問看護で働けば、看護師として今後につながる経験を積めるだけでなくワークライフバランスも整いやすくなります。訪問看護に少しでも興味があるなら、勇気を出してチャレンジしてみましょう。

【出典】
※1 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「訪問看護」
※2 日本看護協会「2021年看護職員実態調査」
※3 厚生労働省 第182回社会保障審議会介護給付費分科会「資料3 訪問看護」
※4 日本看護協会「2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査」

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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