劇団四季ミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター［エルサレム・バージョン］」の福岡公演が、9月10日に開幕、15日（日）までキャナルシティ劇場（福岡市博多区）で上演中です。同バージョンの日本初演は1976年、四季ミュージカルの原点ともいえる作品で、福岡では10年ぶりの上演です。
「ジーザス・クライスト=スーパースター」とは？
「ジーザス・クライスト=スーパースター」は、聖書を題材にしてイエス=キリストがイスラエルに入城し十字架にかけられるまでの最後の7日間をロックの旋律で綴ったミュージカルです。太陽が照りつけるエルサレムの荒野を舞台に、救世主＝神の子としてあがめ讃えられるジーザスの苦しみ、そしてジーザスを裏切ってしまうユダの苦悩を赤裸々に描いています。
同作品は1971年に初演された、せりふがない音楽と歌曲だけで構成されたロックオペラ。作曲は「オペラ座の怪人」「キャッツ」「エビータ」などで知られる英国人作曲家のアンドリュー・ロイド・ウェバーが、作詞は「ライオンキング」「美女と野獣」「アイーダ」で知られる英国人作詞家・作家のティム・ライスが担当しています。
2023年7月に創立70周を迎えた劇団四季が記念公演として全国ツアー真っ只中の本作品。福岡公演のチケットはすでに完売している公演もあり、残席わずかです！
押さえておきたい登場人物と見どころ
作品をより深く楽しむために、登場人物やストーリーを事前に“予習”するのをおすすめします。
■ジーザス・クライスト
ローマ帝国領のパレスチナで大工のヨセフと聖母マリアの間に誕生したジーザス。ガリラヤの地で宣教活動を始め、数々の奇跡を起こします。その後、エルサレムに入城したジーザスは、ここでも救世主＝神の子として民衆に崇め讃えられます。一方で、弟子の裏切りや大切な祈りの場を荒らされて怒り、待ち受ける死の宿命を悟って「どうして私が死ぬのか」と神に問う姿も。一人の人間としてのジーザスの苦悶が描かれます。
■イスカリオテのユダ
弟子の一人、ユダは、ジーザスを深く慕い尽くしますが、“神の子”とは信じていませんでした。そして民衆の過度な期待や権力の圧力が、ジーザスの命を脅かすことを懸念します。さまざまに思い悩み追い詰められた末、ジーザスを陥れようと企てる大祭司カヤパらから銀貨を受け取り、ジーザスの居場所を教えてしまいます。裏切りの罪にさいなまれて自殺したユダが、終盤で3人のソウルガールを従えてジーザスに語りかけるナンバー「スーパースター」は、作品の見どころの一つです。
■マグダラのマリア
マグダラ出身の娼婦。ジーザスを慕い、最期まで献身的に支えます。しかし、ユダはマリアが側で仕えることをよく思わず、香油や冷水でジーザスの身を癒やし清めるマリアに「なぜ高い香油を無駄にするのか。香油を買う金で貧しい人を救うべきだ」といらだちを募らせます。
■大祭司カヤパと祭司、ローマ総督ピラト
ジーザスの人気の高まりに町の権力者である大祭司カヤパと祭司らは危機感を抱き、どうにかしてジーザスを捉えて処刑しようと画策します。しかし、彼らにジーザスを裁く権利はなく、ローマ帝国総督ピラトに委ねることに。ピラトは罪のないジーザスを裁くことはできないと救おうとしますが、結局はユダヤのヘロデ王と民衆の声に押され、鞭打ちと磔（はりつけ）の刑を言い渡します。
■民衆
エルサレムに入城したジーザスを「ホサナ（どうかお救いください）」と讃える民衆。しかし、過度な期待と移ろいやすい人々の心がジーザスを苦しめることに。ジーザスを取り巻く状況が、民衆の心変わりとともに変化していきます。
演劇界に一大センセーションを巻き起こし、今も世界で衝撃を与え続けているノンストップの1時間45分。幕が下りるまで、目がくぎ付けになるはず。1人の人間としての、ジーザスの実像を目に焼き付けて。
劇団四季ミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター［エルサレム・バージョン］」福岡公演
期間：9月10日〜15日（日）
場所：キャナルシティ劇場（福岡市博多区住吉1-2-1）
料金：一般S席 10,000円、A席8,000円、B席5,000円
※全て税込み。公演当日3歳以上有料（膝上観劇不可）、3歳未満の入場不可
問い合わせ：劇団四季
電話：0570-008-110（ナビダイヤル）
