6年前に店やめた元ラーメン屋のせがれです。
彼岸過ぎてもこう暑いと、ラーメンみたいな熱い食べ物は避けたいと思いますが、ラーメン好きはそんなの気にしないみたいですね。最近も博多駅近くの有名店の前に行列が出来てました。
だいぶ前の話ですが、NHK福岡放送局が制作した「レジェンド食堂よ永遠に」という番組の再放送を見ました。本放送も見てたんですが、ながら見だったので、今回録画して夜中にじっくり拝視聴しました。
早良区の超人気ラーメン店「ふくちゃんラーメン」が、レジェンドのトリを飾りました。早良区田隈という田園地帯、福岡歯科大学の近くにありますが、いつ前通ってもすごい行列ができていて、おそろしくて近寄れませんでした。
元々は同じ早良区でもまちなかに近い百道にありました。35年前「よかトピア(アジア太平洋博覧会)」というイベントがあって、その開業前後のひと月ほど仕事で毎日その会場に入ってて、歩いてすぐのふくちゃんに、同僚と何度も通いました。当時から有名なお店ではありましたが、行列はほとんど出来ず、いつもさっと食べてさっと帰ってました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
冒頭書いたように、長年行ってないふくちゃんに、テレビで再会しました。
ラーメンを趣味と言い切る友人から送ってもらった近年のふくちゃんラーメンの画像です。いかにもうまそうです。私は、こういうシンプルなラーメンが好きです。移転してから食べてないけど、いつか食べることを今回決意しました。
さて、番組の中で、二代目の今の店主さん(榊伸一郎さん)が言った言葉にくぎ付けになりました。
脱サラで独学でラーメンを習得した父上(初代)の順伸さんが、お風呂の湯舟にタオルを泳がせ、それを平ザルできれいにまとめられるように何度も何度も練習しているのを幼き日に見ていた、というのです。一気に親近感です。
なんと、同じく脱サラ組の、うちの親とおんなじ練習法じゃないですか。湯の中でタオルをまあるくまとめられないと、麺を平ザルですくい上げることは覚束ないのです。うちは団地に住み、店に通ってたからお風呂でこそしませんでしたが、閉店中の店内で釜の湯で練習してました。私は一回か二回やって難しかったので、すぐあきらめましたが、父母はもちろん、弟も練習して、店で麺を上げてました。
やっぱ、誰でもできる「てぼ」より平ザルだよなあ、と再認識しました。正直違いはようわからんのですが、なんか湯切れがよさそうな気がするじゃないですか。ふくちゃんラーメンの榊さんもそこは譲れんと考えて、きょうも平ザルを操ってるんだと思います。流石の手際の良さでした。
稚拙な絵ですが、平ザルってのはだいたい↑こんな感じです。大きく店舗展開されてるところは、作る人を大急ぎで養成しなきゃならんから、ほとんど「てぼ」でされてると思います。
みなさんも、ご家族でやってるような小さなお店でカウンターから調理場が見えるなら、麺上げの様子を注視してみて下さい。たまに、平ザルに会えるかもしれません。
ふくちゃんの番組でもう一つ親しみを覚えたのは、お店の休みには父子でボートレースに行って酔っぱらってたという話です。仲良しですよねえ。前もこのブログに書きましたが、ラーメン屋みたいな、来る日も来る日もスープ取って、麺上げて、お勘定もらって、という単調な毎日を繰り返していると、たまにちょっとした刺激(チープスリル)が欲しくなるものです。うちの父も競馬のネット投票をささやかな楽しみにしとりました。
それが度を過ぎると、お客さんにお金借りてレースに突っ込み、最後首が回らなくなり、お店閉めることになる・・・なんて飲食の方もいらっしゃるわけです。
最後、話それましたが、きょうは懐かしの「ふくちゃんラーメン」のお話でした。