「この部屋にいなさい!」と怒ったら、まさかの事態に?! 息子の言い分にぐうの音もでない母

小さいときの息子には、ある困ったクセがありました。怒ったり機嫌が悪かったりすると、意固地になって同じ言葉を繰り返すのです。例えば、公園に行きたいのに、ダメと言われると、大声で泣きながら「行きたい、行きたい、行きたい…」と、平気で1時間以上続けます。その上、対処方法を間違えると、とんでもないことが起きてしまうのです…。

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出た! 息子の困ったクセ

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 息子が保育園の年長のときのこと。当時、義両親と同居していました。
 この日は外遊びで汚れてしまったので、私は
 「ばあばとお風呂に入っておいで」と言いました。

 でも息子は、なぜかこの日は
 「じいじと入る」と言い出しました。じいじが出かけて不在のため
 「いないから、今日はばあば」と言うと、
 「じいじと入る、じいじと入る…」と繰り返しモードに入りました。そう、例のクセが出てしまったのです!

イライラがつのって

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 息子は私の腰ににすがりつきながら
 「じいじと入る」を繰り返します。
 「帰ってくるのは夜だよ!」
 「お風呂の後は、アイスを食べてもいいから」と説得を試みても、まったく聞こうとしません。

 逆に泣き声はひどくなるばかりで、夕飯の支度ができずイライラがつのった私は
 「いいかげんにしなさい。じいじが来るまでこの部屋にいなさい!」と怒って、息子を和室に連れていきました。

畳に水たまりが出現!?

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 和室はキッチンのすぐ隣にあり、夏の夕方でまだ明るく「ここなら少しの間、一人でいても大丈夫」と判断しました。息子は大泣きしながら和室に入りましたが、ふすまを閉めても
 「じいじと入る、じいじと入る…」と聞こえてきます。

 ところが10分ほどして何も言わなくなったので、「どうしたんだろう」と思い、そーっとふすまを開けてみると… おもちゃで遊んでいる息子を発見しました。
 ホッとしたのもつかの間、なんと畳の上に大きな水たまりがあるではないですか! こんな晴れた日に雨漏りなどするはずがありません。

 「どうしたの、このお水!?」と聞くと、息子はぶっきらぼうな様子で
 「おしっこ」とだけ答えました。

 「えぇ、なんでトイレに行かなかったの!」と言うと、
 「だって『この部屋にいなさい』って言った」と息子。

 「た、たしかに言ったけどさ…」私はぐうの音も出ませんでした。

息子 VS 母の軍配は?

 雑巾がけをしながら「臨機応変にということも教えなくては…」と思った私は、
 「それでも、おしっこのときは、ちゃんとトイレに行くのよ」と言うつもりが、
 「それでも、おしっこのときは、ちゃんと… プ、プハハハハッ!」
と途中から吹き出してしまいました。

 「意志が強いのは良いことだけど、こんなところで発揮する?」と思ったらおかしくなってしまったのです。
 すると、ムッとしていた息子もつられて笑いだし、結局2人でお腹を抱えて笑ってしまいました。

 そうこうしているうちに、
 「どうしたんだい」と予定より早くじいじが帰ってきました。息子が
 「じいじ!」と駆け寄り抱き合う2人。「ロミオとジュリエットですか?」と言いたくなるような光景でした。

 ばあばは
 「すっかり機嫌が直っちゃったね」と言いながら、雑巾がけを手伝ってくれました。

 それから、息子の困ったクセはだんだんとおさまり、小学校中学年くらいにはすっかり出なくなりました。
 今、息子は高校二年生になり反抗期真っ只中です。無視されたり、文句を言われたりは日常茶飯事で、会話もままならず何を考えているかサッパリわかりません。それでも、「いや、あのとき、畳におしっこしてたじゃん」と思うと、なぜだか許せてしまう母なのでした。

(ファンファン福岡公式ライター / 柴田真千子)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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