天神のランドマークの一つ、福岡人の多くの思い出が詰まったイムズがついに2021年8月31日、つまり今日閉館します。金色の有田焼タイルをふんだんに使ったきらびやかな外観、吹き抜けの開放的な空間、先鋭的でおしゃれなお店の数々、「今どこにいるんだろう」と少し迷子になってしまいがちな12階より上のレストランフロア…。読者のみなさまの思い出も数多くあることでしょう。
衝動買いしたピアノは今でも相棒に
15年前、ふと立ち寄り衝動買いしたYAMAHAの電子ピアノ「P-70」は、今でも私の相棒です。その後も、ギターのピックや弦、ドラムスティック、ブルースハープ、スコア(楽譜)などこちらで手に入れたものは数知れません。
イムズの思い出。私は何といっても、5階の島村楽器にたくさん詰まっています。
吹き抜けの館内が見渡せるガラス張りのエレベーターも素敵でしたが、私はエスカレーター派。地下2階のスパイラル部分から、どきどきしながら上がっていき、5階に着くと、ぱっと眼前に多くの楽器が広がる売り場が。何度来ても胸が踊っていました。
あまりにも名残惜しく、今月上旬にはウクレレを購入しました。
最後の週末、別れを惜しむイムズファン
イムズ閉店まで最後の週末である8月29日の日曜日、お店を訪れると、多くのお客さんでにぎわってました。
その内の1人、福岡市博多区の会社員、永尾純三郎さん(58)はかなりの島村楽器ファン。8月6、7、8日にイムズホールであった「2021福岡ギターショー」では、何と1日1本、計3本のギターを購入したとか。
「食事や車の展示…。そして、天神に来てこのきらびやかな建物の中で、楽器を見るのが若いころから好きだった。思い出にひたっていたら、買っちゃっていました」
29日も妻の由紀子さんと開店前から並び、ギターを弾く際に使用する椅子を購入。由紀子さんは、プロ仕様の鍵盤ハーモニカを購入。2人とも、満面の笑みを浮かべていました。
ギターキッズがリペアマンに
イムズ閉店を寂しく思う気持ちはスタッフさんも一緒。
島村楽器ギターリペアマンの尾仲宣彰さん(40歳、福岡県中間市出身)は、
「若いころはお客としてイムズに来て、楽器を見に来ていました。スタッフになってからは(楽器に憧れる若者の)楽しめる場所になればと思っていました」と寂しそうに話しました。
尾仲さんは、閉館まであと3日に迫った29日も丁寧にアコ―スティックギターの弦を張り替えるなど、「職人」の技を淡々とこなしていました。
「デートで歩くだけで誇らしい」
私は島村楽器でしたが、読者のみなさんそれぞれに、イムズの思い出の場所があると思います。
7月16日にイムズホールで開催されたシンポジウム「黄金の天神カルチャー ~イムズが目指した役割と行方~」(イムズなど主催)では、アートコーディネーターの宮本初音さんが「デートでイムズを歩くだけで誇らしかった」と発言していました。
「うんうん。わかる」
そう思った読者の皆さんも多いのではないでしょうか。
ありったけのイムズ愛を教えてください
そんな特別な「舞台」であったイムズ。
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