【特集-3】「SAGA2024国スポ・全障スポ」の新しい取り組みとは?

 この秋、佐賀県を舞台に「SAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」が開催される。1946年から始まり、「国体」の愛称で親しまれてきた国民体育大会が、国民スポーツ大会(国スポ)へと変わる初めての大会。SAGA2024は、日本の新たなスポーツ文化を切り拓(ひら)くため、前例のない新しい大会づくりにチャレンジしている。ここでは、SAGA2024がチャレンジしている新しい取組と、一緒に大会をつくりあげる“観る”人、“支える”人からのメッセージを紹介しよう。

SAGA2024では、これまでの大会にない「する」「観(み)る」「支える」の新しい取り組みにチャレンジしている。
目次

NEW01 伴走者らへもメダル授与

■パートナーと喜びを分かち合う
 全障スポでは、視覚障がいのある陸上選手の伴走者やボッチャのランプオペレーターにも選手と同様にメダルを贈る。1~3位のメダルには、佐賀県指定伝統的地場産品のガラス工芸「肥前びーどろ」をはめ込む。
 国スポの4~8位には白磁の記念品を贈呈。このほか、新記録や最高得点を出した選手など、選手の活躍にスポットを当てた表彰も行う。

ガラスは角度によって一つ一つ色の見え方が異なる唯一無二のメダル

NEW02 競技会動画配信

■全国で観戦・応援できる
 全競技・全試合を動画配信し、会場に行けない場合でもパソコンやタブレット、スマートフォンなど全国どこからでも観戦・応援ができる。アーカイブ配信も実施するので、選手の素晴らしいプレーを繰り返し見たいときや、見たい競技が重なった場合などでも後から競技を楽しめる。国スポも全障スポも、SAGA2024公式ホームページから配信専用サイトへアクセスできる。

NEW03 PROJECT IDEA2024

埼玉西武ライオンズ前監督辻発彦さんやJリーガーらが審査員を務めた

■ユニークなアイデアは実現へ
 “スポーツだからこそできることは何か”をキーワードに、大会のあり方そのものを変えるアイデアを募った「IDEA2024」。国内外から2106ものアイデアが集まった。

佐賀県庁内に並ぶ100作品以上のスポーツ漫画

 その内の「スポーツ漫画を活用した体験機会の創出」や「ベビーが選手の赤ちゃんハイハイレース」などユニークなアイデアは事務局が本気で実現している。

親や祖父母も興奮した赤ちゃんハイハイレース

NEW04 開・閉会式

国スポ開会式では各都道府県ごとのアピールも

■新しいスタイルの式典へ
 開閉会式は、スポーツを「する・観る・支える」全ての人が主役になれる式典を目指し開かれる。これまでの整列行進とは異なり、自由で楽しいパレードのような入場シーンもそのひとつ。オリンピックの開閉会式のような開放された雰囲気をつくり出す。閉会式の会場であるSAGAアリーナでは光と音の演出で大会のフィナーレを盛り上げる。

自由で楽しい式典に

NEW05 ナイトゲーム

日中とは異なる雰囲気で楽しめる

■アルコール販売も
 SAGA2024では、初めてナイトゲームが導入される。学校や仕事帰りにも同僚や友人、家族などと一緒に観戦できる。今回は、国スポのバレーボールとバスケットボール、スポーツクライミング、レスリング、全障スポのバレーボール(身体障がい)と陸上競技で実施。さらに一部会場ではアルコール販売も試みる。

NEW06 リアルアスリート・ピクトプロジェクト

■実在するアスリートをモデルに
 国スポ・全障スポの全95競技・106種の大会ピクトグラム(絵文字)を制作。自転車(ロード)はオリンピック出場をかけた一瞬を切り取るなど、「実在するアスリート」にこだわり、それぞれのストーリーが込められたものとなった。スポーツの魅力や感動を最大限に伝えるデザインとして活用されている。

炬火台・トーチ

美しく耀くトーチ

 SAGA2024の大会期間中、選手たちのスポーツへの思いの象徴となるのが炬火(きょか)だ。オリンピックの聖火に当たり、SAGA2024ではその象徴的なイメージを大切にして、炬火が放つ輝きを新しい大会の始まりであるこの場所から全ての人に届けていく。

炎を耀かせる炬火台


 今回、炬火台やトーチのデザインを手がけたのは佐賀県出身の世界的なデザイナーである吉岡徳仁(よしおか とくじん)さん。東京2020オリンピック・パラリンピックでは聖火リレートーチをデザインした。

デザイナー 吉岡徳仁氏

 「デザインを通し、世界でも類を見ない新しい挑戦に試みました。ガラスという素材を用いてスポーツのように躍動感のある炎を生み出すことで、大会のメッセージを伝えることができればと思っております」

SAGA2024の全てが分かる! 観戦ガイドブックを活用しよう

SAGA2024観戦ガイドブック

 SAGA2024では初めて観る競技でも楽しめるよう「観戦ガイドブック」(全144㌻)を作成。競技の見どころや応援のマナーなどを分かりやすくまとめている。ガイドブックは開閉会式会場や各市町競技会場、JR佐賀駅を含む総合案内所などで冊子を入手できる。またSAGA2024公式ホームページでは電子ブック版を配信中。

写真で視覚的に分かりやすく
 アスリートの躍動感あふれる写真で、どんなスポーツなのか理解しやすい!
競技のポイントをコンパクトに
 競技の基本事項や勝ち負けの決め方など、ポイントをコンパクトにまとめた。
見どころはこれ!
 ここに注目するとより楽しめる! という競技ポイントを写真と文章で分かりやすく解説。
初心者でも安心して楽しめる
 競技に応じた応援方法やマナーなどをまとめており、初めて観る方も気軽に楽しめる。

イメージソング情報 『Batons~キミの夢が叶う時~』

みんなの思いが詰まったイメージソング!
 SAGA2024のイメージソングは、『Batons(バトンズ)〜キミの夢が叶(かな)う時〜』だ。アップテンポな楽曲で未来につないでいきたいとの思いが込められている。いずれも佐賀市出身で、イラストレーター326(ミツル)さんが作詞、ミュージシャンの千綿偉功(ちわた ひでのり)さんが作曲を担当。E-girlsのボーカルで活躍した佐賀県唐津市出身の鷲尾伶菜(わしお れいな)さんが歌う。

唐津市出身の鷲尾伶菜さん

鷲尾伶菜さんからのメッセージ
 夢をかなえたい。という気持ちはどの世界もどんな職種も関係なく共通です。
 自分の夢が誰かの夢になり目標になる。そんな素晴らしい連鎖を次世代へつなげていけるように私自身も音楽を楽しみながら、音楽に支えていただきながら精進したいと思います。
 このたびはとても光栄な機会をいただき、心から感謝しています。
 この曲を、若い世代だけでなくさまざまな世代の方々の夢を叶えるエールソングとして歌い継いでい
ただければと思っています。

スポーツ新時代へようこそ 佐賀県知事 山口祥義(やまぐち よしのり)

 「SAGA2024国スポ・全障スポ」は、これまでにない「新しい大会」です。新時代の開閉会式、大会初のナイトゲーム、動画配信の充実など、「する」「観る」「支える」人にとことんこだわります。
 大会では、パリオリンピック・パラリンピックをはじめ、スポーツイヤーにふさわしい、精鋭たちの競演。初めて競技を観る方でも楽しめるように競技の見どころや盛り上がる応援のポイントを分かりやすく、コンパクトにまとめた観戦ガイドブック、競技会場を巡るスタンプラリーに、佐賀の食を楽しむキッチンカーなど、みんなが楽しめる工夫や仕掛けをちりばめました。
 すべての人に、スポーツのチカラを。
 スポーツ新時代の熱気を競技会場で一緒に体感しましょう!

IDEA2024のアイデア提案者/介護福祉士 小松俊介(こまつ しゅんすけ)さん

■世代超え応援でひとつに
 約半世紀に1度しか巡ってこない地元開催のスポーツの祭典に積極的に関わり、盛り上げたい。そんな思いで「IDEA2024」に応募した「世代を超えた共演、世代を超えたリレー!」が採用されました。スポーツは、年齢、性別、障がいのあるなしを問わず、観る人も支える人も応援でひとつになれるのが魅力。多くの人に、その素晴らしさを知ってもらえる大会になればと願っています。

大会ボランティア「サガンティア」/ゆめさが大学受講生 江頭豊子(えがしら とよこ)さん

■笑顔で皆さんを迎えたい
 佐賀で前回行われた若楠国体の時はちょうど出産で病室にいて、雰囲気を感じることもできませんでした。今回はサガンティアの一員として参加できるので、今から張り切っています。新しい大会を象徴する開会式は、趣向を凝らしているそうなので楽しみ。県外からもたくさんの人が来られますが、皆さんを笑顔でお迎えし、佐賀滞在を堪能してもらえるお手伝いができればと思っています。

SAGA2024 広報チーム「seeds(シーズ)」/佐賀大学2年生 髙木空良(たかぎ そら)さん

■学生ならではの視点でPR
 seedsのメンバーは、全員が佐賀大学の学生。SAGA2024を広く知ってもらうため、学生ならではの視点で意見を出し合い、フリーペーパーの発行やイベントでのブース出展、グッズ制作、インスタグラムへの投稿などによる広報活動を行ってきました。大会中も投稿を続けます。私たちの活動を通じて、国スポ・全障スポのことや佐賀のことをもっと好きになってくれたらうれしいです。

■Information
SAGA2024開催概要
国スポ  10/5(土)▶10/15(火)
[会期前  9/5(土)▶ 9/17(火)、 9/21(土)▶ 10/1(火)]
全障スポ 10/26(土)▶10/28(月)

提供:佐賀県

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次