私たちは娘を連れてのファミリー婚。結婚式費用は両家の折半としました。想像以上に高額な式場だったので、他で費用を抑えようということに。そんな矢先、夫である息子を幼い頃から芸能事務所に入れたいと思っているほど溺愛している義母が、衣装に一言物申したのです!
わくわくのドレス選び!
人生でお姫様になれるのは、結婚式のドレス選びではないでしょうか?! 憧れの純白のドレス、鮮やかなカラードレス… 見るだけで気分が高まりました。和装に憧れていた私ですが、金銭的なことを考え洋装2着を決めることに。
優柔不断なので両親と何度も試着に通いました。あれこれ迷い… ネットで一目惚れした華やかな花柄のドレスを取り寄せてもらい、ついに決定! 私も両親も一安心しました。
義母の本音
後日、両家と私たち夫婦で結婚式の打ち合わせを行いました。すると、私の衣装代を見た義母が一言。
「基本プランから予算オーバーしてない?」と。確かに多少プラスの予算になっていました。しかし両親は、和装を諦めた私の気持ちを汲んでくれていたのです。
続けて
「新郎にも2着着せてあげたいよねぇ」と言う義母。
「え?」誰も何も言えなくなりました。料金を抑える方向で進んでいた中、新郎お色直しの提案。プランには新郎の衣装代は1着分。なにより新郎本人は、「面倒くさい。衣装替えよりお酒を飲んでいたい」という性格です。しかし日頃から親には言い返せない新郎は、今回も目を伏せたまま。ドレス代のことを言われた私も両親も、何も言えず微妙な雰囲気となりました…。
母の名案とは?
それからというもの、義母から私の両親へ電話攻撃が始まりました。義母は回りくどく
「娘さんの衣装代だけが高いのはねぇ」とか
「新婦だけがお色直しって…」と言うのだとか!
プチンと切れた母は
「プラン内で選び直させます!」と言ったそうです。
でも母は、「娘の晴れ姿。気に入ったドレスを気持ちよく着せてあげたい」そう思ってくれたのです。
母は父の了解を得て、式場と綿密な打ち合わせをし、私にこう話してくれました。
「いいかい。あんたはあの花柄のドレスを着るんだよ! 似合ってた。私達は着せてあげたい! でも義理のご両親が納得していない中、文句を言われながら着るのは違うと思う。そんな結婚式にしたらダメだ。だから… プランからあふれた分はうちで払うから。これは旦那さんにも絶対言ったらダメ! こちらが折れて選び直したってことにするの」と母。
決して裕福ではない実家。「いいの? 着れるの…?」目の前がぱぁーっと明るくなりました。
綿密な打ち合わせのお陰で、請求書はプラン内に収まった金額で提示され、私の両親は別に、オーバーしたドレス代を支払ってくれました。
最終的な新郎の衣装は?
花柄のドレスは
「◯◯しか似合わない」
「◯◯らしいドレス!」と友人からも好評でした。義母にまで
「花柄のドレスよかったよねぇ!」と言って頂け… ギクシャクしかけた結婚式準備が、母の粋な計らいと娘への愛で丸く納まり、両親へ心から感謝の結婚式となりました。
ちなみに夫の衣装は…
「2着着せたい」と言い続けた義母と選びにいってもらいました。その結果、1着目のタキシードの上着を脱ぎ、ベストを変えて“お色直し風にみせる”となり、センスのない夫は、私に合わせなんと花柄のベストをチョイス!
さて、式場での声は…?
「花柄!?」と笑いを生む結果に。
「無理にベストを変えなければねぇ…」なんて思ったのですが、その一言は口にしませんでした。
義母の息子愛から出た今回の騒動。「面倒くさがりで目立つのが苦手な、本当の息子の性格をちゃんと知っているのだろうか」そんな疑問を感じてしまいました。
子連れでの準備、義母との食い違い… 事前準備は大変でしたが、結果的には満足のいく結婚式となり、よい経験ができました。その後、両家は何事もなかったかのように笑顔で結婚式の話をしてくれています。
(ファンファン福岡公式ライター / ちょこまま)