はじめての妊娠、出産。誰だって不安になりますよね。そんな私の初産は、新人助産師さんとともに挑む貴重な経験だったのです。想像していた流れとは違っていたけれど、たくさん泣いて感謝した思い出を振り返ります。
陣痛が始まりついに入院
出産予定日の1日前、生理痛のような鈍痛で目が覚めました。里帰り出産だったので、実家の母から
「陣痛が来たんじゃない?」と言われ、ついに迎えたその時にワクワクと不安が入り混じります。
最初は「なんだ余裕じゃん!」 とのんきに構えていましたが、時間が経つごとに重くなっていく痛み。夕方16時頃には陣痛のペースが10分間隔になり、病院に電話。
「それじゃあ入院の準備をしてきてください」そう言われ、用意していたバッグを持って父に病院まで送ってもらいました。
病院についてからも余裕があり、夕食も余裕で完食。家族に連絡しながら時間の経過を待ちました。
様子を見に来てくれた2人の助産師さん
少し辛くなってきた頃、いつもの助産師さんが別の助産師さんと2人でやってきました。
「今回一緒にお産に立ち会わせてもらうAです。一緒に頑張りますね!」と、若くてかわいい助産師さんは挨拶。まだ助産師になりたての新人さんでした。
ベテラン助産師さんからも、
「様子を見にきたりすると思うので、何かあれば遠慮なくいってね!」と言われて、にこやかに挨拶を交わしました。
その後も新人助産師さんは定期的に様子を見に来てくれて、
「辛くないですか?」と優しく声をかけてくれます。夫が仕事で立ち会えなかったので、この声がけが心強いのなんの。そうこうしている間に、陣痛が激しくなっていきます。
痛みも心強さも2倍
さて、いよいよ苦しくなってきました。本当は大声で叫びたかったけど、どうにかして声を押し殺します。すると、助産師さんが2人でやってきました。
「一度確認してみますね」そう言って、新人助産師さんが内診しました。
「おっと…」この時点で結構痛い。そう思いながらも必死に耐えます。すると、
「ちょっと変わりますね」と次にベテラン助産師さんが内診し、
「まだかかりそうですね」と言い残し一度退出していきました。
ここで私は気づきます。
「そうか、新人さんも内診するよね。そりゃそうだよね。てことは今後も2回するってことか…?」
そして私の予感は当たります。新人助産師さんが内診してからベテラン助産師さんが内診、の流れが繰り返されます。
「ただでさえつらいのに、なんであんな苦しい内診を毎回2回もされなきゃいけないんだ」
「なんで私なの? ほかにも妊婦さんいるじゃん」と、マイナスな感情が襲ってきましたが、頑張っている新人助産師さんを見ると文句も言えず…。その後はなかなか破水せず、人工破膜。ついにその時が来ました。
分娩台に移動しても進まないお産。外来対応していた先生を呼んでもらい、結局吸引分娩で出産しました。赤ちゃんの泣き声が聞こえたときは一安心。生まれた喜びと痛みからの解放で、気づいたら号泣していました。
終わってしまえばいい思い出
出産後、新人助産師さんが部屋に赤ちゃんを連れてきてくれました。さっきまでお腹の中にいたと思うと、不思議な気持ちです。それと同時に、陣痛が進まず苦しかった時に支えてくれた新人助産師さんへも自然と感謝の気持ちが溢れました。
確かにあの時は辛かったし、「なんでわたしだけ…」なんて思った事もあったけれど、今は彼女の役に立てたのならよかったのかな、と思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/aoyama)