ハロウィンに誰かが訪ねてくることなんてないと思っていたのに、当日に鳴ったわが家のインターホン。そこにいた仮装をした子どもたちに困惑しつつ、話を聞いていたら…。見知らぬ子どもたちがやってきた理由に驚かされた出来事です。
突如鳴ったインターホン
私が住んでいる地域は都心部から外れた郊外。ハロウィンの季節になると、それぞれのお店がささやかにハロウィン仕様になることはあっても、地域をあげてハロウィンイベントが開催されることはありません。
わが家もあまりハロウィンに何かする習慣はなく、当日は家で生後5カ月の息子と4歳の娘と過ごしていました。ちょうどその日は休みだったので、午前中はゆったり過ごして午後から出かける予定でいたのですが…。
お昼前になって、ピンポーンとインターホンが鳴りました。出るとそこには仮装をした子どもが3人。小学校高学年の女の子、低学年の女の子、そして幼稚園の年中くらいの男の子でした。それぞれ、魔女だったり猫だったりおばけの仮装で立っています。
そして3人は私を見ながら
「トリックオアトリート!」とニコニコした顔で言います。思わず
「わ、かわいいー!」と言ってしまった私ですが、すぐに「… いや、どこの子?」と疑問が。
知らない子どもが押しかけハロウィン
一緒に玄関までついてきた娘に
「知ってる子?」と聞くも、首を横に振ります。3人に
「ハロウィンなんだね、ママかパパは一緒?」と聞くと、一番年上のお姉ちゃんが
「いません。私たちだけです。ハロウィンで来たのでお菓子もらえませんか?」と言いました。
「親がいないの? というか子どもたちだけで知らない人の家に突撃してるの?」と衝撃を受け
「お菓子は、アレルギーとかあるとこわいな…」とやんわり断ろうとしました。しかし一番上のお姉ちゃんが
「アレルギーありません。大丈夫です!」と言って、私を見つめてきます。
ここでお菓子をあげても良かったのかもしれませんが、あげたお菓子で後々トラブルになっても困ると思って
「ごめんね、今あげられるものがないの」と断りました。子どもたちはあきらかにふてくされて不満を言いたげな顔。
子どもたちが持つ袋の中には、すでにいくつかお菓子が見えました。
「知らないお家にピンポンしてお菓子をもらってるの?」と聞くと、
「そうです」とお姉ちゃんが答えました。
「お友達のお家だけにしたら?」と言うと
「お友達の家、知らないから」とのこと。
母親が押しかけ指示を?!
「でもどんな人が出てくるかわからないよ。怖い人が出てきたらどうするの?」と言うと、もう一人の女の子が
「あのね、子どもがいる家だけにピンポンしてるから大丈夫なんだよ!」と得意げに言いました。
すると男の子も得意げに
「あのね、ママがね、子ども服が干してある家だったら間違いないって。あと外に子どもの自転車がある家とかだったら行けるから、お菓子もらってこいって!」と発言。
「え、そうなの…? ママが言ったの?」と子どもたちを通して聞いた、知らないママの発言にドン引きしてしまいました。
たしかにわが家の庭には子どもの服が干してあります。
「でも、知らない人の家にいくのはやっぱり危ないから…」と言いかけると、急に一番上のお姉ちゃんが、
「あーわかりました。ホラ、もう行こう」と面倒そうに話を切り上げて、下の子たちの手を引いて行ってしまいました。
後日、近所に住むママ友にこの話をしてみたところ、
「うちにも来た!」という人が数人いました。中にはあげたお菓子に子どもが文句を言ってきたという話や、トイレを貸したら勝手にお菓子を漁られたという話まで。
その後、何年も過ぎましたがこの兄弟は見かけていません。それにしても、子どもたちだけで知らない家に行かせるのは本当に危険だと思いましたし、母親からの「子ども服が干してある家に行け」の言葉も親としてどうなのか? とドン引きでした。
今でもふと思い出すと、あの子どもたちがどんな生活をしているのか少し心配になってしまいます。
(ファンファン福岡公式ライター/K)