福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第35回福岡キミスイ本】

 

 福岡の書店員さんに、福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。第 35 回は、「テントセンブックス」(福岡市東区)の店主、安部賢太郎さんを訪ねました。さらに、話題の 9 冊を紹介します。

目次

玄界灘沿岸の漂着物を調査して民俗・歴史をまとめた事典

「新編 漂着物事典 海からのメッセージ」石井忠著

テントセンブックスの安部賢太郎さんに聞きました

―今回は、JR香椎駅から徒歩約3分の場所にある「テントセンブックス」に来ました。こぢんまりとして落ち着いた雰囲気です。こんにちは!

 こんにちは。当店は2021年2月末にオープンしました。福岡県内の出版社を中心に、SNSで話題の本など約1,500冊を扱っています。

「新編 漂着物事典 海からのメッセージ」石井忠著

―今回紹介されるのは、どんな本でしょうか。

 海鳥社(福岡市博多区)から1999年4月に発行された「新編 漂着物事典 海からのメッセージ」(4,180円、税込み)です。著者は30年超にわたって漂着物を研究した元教諭の石井忠さん(1937―2016年)。石井さんが福岡県古賀市や新宮町など玄界灘沿岸を歩き、流れ着いた物を採集して調べ、民俗学、歴史学的に解説した事典(総項目219、図版390点)です。

―例えばどんな漂着物が?

 殺虫剤の容器などの生活用品やカメ、アシカなど海の生物、ココヤシ、ドリアンなどの植物も流れ着いています。外海ですから韓国、中国、ロシアなど外国から流れ着くことも多いそうです。

―そんな中、安部さんのお気に入りは?

 クジラです。2002 年、津屋崎町恋の浦に1頭が漂着したと記されています。1867(慶応3)年にも漂着したという記録があり、昔からマッコウクジラなどが流れ着いていたようです。解体されて一部は食用にされたようですよ。

福岡の出版社の本が中心にそろっています

―この本との出合いは?

 以前働いていた書店で扱っていて、自分で書店を始めたら置きたいと考えていました。私は街歩きしたり、いろんな物を収集したりするのが趣味なので、この本が好きですね。街歩きや歴史、海の生き物に興味がある人が読んだら楽しめると思います。

福岡の歴史や魅力的なスポットを紹介する本などが売れているそうです

―お店にはどんな人が来店しますか。

 世代は幅広く、子ども連れでの来店も多いです。「厳選された本の中から探すことができて、自分で選ばない本と出合える」と言われたことがあります。

のぼりと木製の看板が目印

―店名がユニークですね。

 (福岡市東区の)香椎が舞台になった松本清張の小説「点と線」にちなんで付けました。お客さんと本を結び付けることができたらいいなという思いも込めています。古い本でも、“出合ったときが新しい本になる”と思っています。

―いい本と巡り合えそうです! ありがとうございました。 
続けて話題の9冊を紹介します。

「自閉症の息子をめぐる大変だけどフツーの日々」【中央公論新社】

梅崎正直/著 1,760円(税込み)

中央公論新社

 「僕は息子から、一生分の何か重要なものを渡された気がする」。アラサーとなった自閉症の長男。その出生から現在までを見守ってきた父親が、切実な中にもユーモアを交えながらつづった感動の家族史! 小児外科医・松永正訓さんとの対談を収録。

教場X 刑事指導官・風間公親【小学館】

長岡弘樹/著 1,650円(税込み)

小学館

 風間公親、ふたたび現場へ! 2度のスペシャルドラマ化で日本中を熱狂させた「教場」シリーズ最新作にして最高傑作! 「捜査では、犯人のみならず刑事も追い詰められる。導きと成長の物語をぜひご堪能あれ」─ 長岡弘樹。“犯人(ホシ)を落とせないなら、警察学校からやり直せ”。

獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論【光文社】

新谷学/著 1,760円(税込み)

光文社

 「文春砲」の立役者が令和の危機管理を伝授! 「週刊文春」において次々と世間の注目を集めさせた著者は、会社の組織改革も積極的に取り組んできました。ITなど他業界の優れた部分を取り入れて自らの「編集力」で築いたビジネスモデル、ブランディング、差別化戦略を学ぶ意義は大きいです。

内科医・東洋医学のドクターが教える うつぬけ生活習慣【青春出版社】

工藤孝文/著 1,430円

青春出版社

 気分が落ち込む、肩こりがひどい、眠れない…コロナ禍で‟うつっぽい”症状を訴える人が増えているといいます。実はうつ症状は、食事や睡眠といった生活習慣を見直すだけで改善に向かうケースも多いのです、と本書。医師である著者が「うつ症状を改善する生活習慣」のヒントを大公開! 誰でもすぐに実践できる68のセルフケアを試してみては。

なぜ僕らは働くのか【学研】

池上彰/監修 1,650円(税込み)

学研

 2020~2021年度上半期で最も売れている児童書!(※)  働くことの意味、勉強することの意味、AI時代の生き方、やりたいことの見つけ方…「生きる」「働く」の大事なことをマンガと図解で伝えます。今ならLINE応募で図書カード300円分が全員もらえるキャンペーンを実施中! ※2020.1~2021.6 日販オープンネットワークWIN調べ

学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか【講談社】

工藤勇一 鴻上尚史/著 990円

講談社

 「従順な子」をつくる教育は、もう終わりにしよう! ブラック校則、いじめ、心の教育、不登校、教師の長時間労働―。日本の教育が抱える最大の問題とは? 『学校の「当たり前」をやめた。』著者と、日本の同調圧力を追及してきた演出家による必読の学校論!

「乗り鉄」教授のとことん鉄道旅【潮出版社】

宮村一夫/著 1,650円

潮出版社

 JRと私鉄の「全線完乗」を果たした鉄道マニアで、NHK「ラジオ深夜便」で月1回放送中の「旅の達人 全国鉄道紀行」にも出演する”乗り鉄教授”宮村一夫が、四季それぞれの味わい深い鉄道旅を紹介。本書を読めば、鉄道に乗り、駅弁に舌鼓を打ちながら、移り行く車窓風景を疑似体験できること間違いなし。

ほろよい読書【双葉社】

織守きょうや 坂井希久子 額賀澪 原田ひ香 柚木麻子/著 715円

双葉社

 「今日も一日よく頑張った自分に、ご褒美の一杯を」。自宅での果実酒作りにはまる四十路のキャリアウーマン、酒が原因で夫に出ていかれた妻、実家の酒蔵を継ぐことに悩む一人娘の話など、今をときめく5人の作家が「お酒」にまつわる人間ドラマを描いた、心潤す短編小説集。(双葉文庫オリジナル)

生ごみからエネルギーをつくろう!【農文協】

多田千佳/文 米林宏昌/絵 1,540円

農文協

 ペットボトルの中に牛の胃を再現!? 環境微生物学、有機性廃棄物処理を専門とする気鋭の研究者とスタジオジブリで活躍した世界的なアニメーション映画監督が描く、家庭でできるバイオガスと液肥の作り方、使い方。できたガスでお湯を沸かしてお茶をいれ、液肥は野菜栽培に。

 いかがでしたか? 少し涼しくなってきたこの時期、読書が進みそうですね。次回もお楽しみに。

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