福岡アスリート応援企業支援事業を通じて「グリーンクロス」(福岡市)に入社した陸上選手・鎌田咲季さん。広報担当として働く一方、競技への情熱を絶やさず、国内トップクラスの選手たちとの戦いに挑み続けています。その挑戦の様子と今後への意気込みを聞きました。
アスリート社員として地元で奮闘する鎌田咲季さん
鎌田咲季さんは、福岡県の「福岡アスリート応援企業支援事業」を活用し、2021年に建築資材の販売・レンタルなどを手がける「グリーンクロス」にアスリート社員として入社しました。現在は福岡市内にある本社で週3日勤務し、それ以外の時間は母校である高稜高校で生徒に交じりながらトレーニングを続けています。
鎌田咲季さんのプロフィール
名前:鎌田 咲季(かまだ・さき)
生年月日:1997年5月18日
出身地:北九州市
経歴:高須中で陸上競技を始め、中学2年生からハードル競技に取り組む。高稜高校、福岡大学を経て2021年に「グリーンクロス」へ入社。100メートル障害の自己ベストは13秒26。
実業団対抗選手権での挑戦と悔しさ
2023年9月23日、山口市の維新みらいふスタジアムで行われた全日本実業団対抗選手権の女子100メートル障害決勝。決勝では、パリ五輪代表の福部真子選手(日本建設工業)が12秒81で優勝する中、鎌田さんは13秒46で8位となりました。
予選では全体7位で決勝に進出した鎌田さんは、「最近の中では良いコンディション。自己ベスト(13秒26)を狙いたい」と意気込みましたが、0.2秒以上の差をつけるトップ選手たちに、前半から差が開きました。
「ハードル3台目あたりからのスピードや中盤の最高速度が全然違いました。ハードルの技術だけでなく、100メートル全体の走力が強かった」と、鎌田さんはトップ選手たちとのレベルの差を感じました。
シーズンオフも前向きに強化へ
今年のトラックシーズンはこれで終了しましたが、鎌田さんは「温かいうちにスピードを磨き、この悔しさを胸に、シーズンオフも強化できることを前向きにとらえたい」と意気込みます。そして、「来シーズンは大きく成長した姿を見せたい」とポジティブな姿勢を見せました。
目標は12秒台と日本選手権決勝進出
現在、日本国内には12秒台の選手が7名おり、鎌田さんは今年の日本選手権で準決勝敗退を経験しています。鎌田さんは「自己ベストを更新して、来年6月の日本選手権では決勝に進み、12秒台の仲間入りを果たしたい」と力強く語りました。
地元・福岡で仕事と競技の両立に挑む鎌田さん。彼女の努力は、次のシーズンでさらなる飛躍を期待させます。