長男が2歳の頃、近所のスーパーへ買い物に行ったときの出来事です。自由に歩き回る2歳児との買い物は大変! その日も目を離さないようにしていたつもりですが、迷子になってしまった息子。そして発見したのは、まさかの場所でした…。
2歳の息子がスーパーで迷子に!
近所にある、ちょっと大きめのスーパーが、わが家のいきつけでした。
当時2歳の息子はカートに乗るのを嫌がったので、ちょろちょろと歩き回る息子を見ながらの買い物となります。もちろん、思うように買い物は進みません。
その日も野菜を入れて、お肉を入れて… となるべく時間をかけないよう、手際よく買い物かごに商品を入れていきました。
魚コーナーに着いた時、息子は
「おかし!」と言ってお菓子コーナーに行きたがりました。
「ちょっと待ってね…」と魚を選ぶ私。どの魚にしようかと迷って、数秒目を離したすきに息子がいなくなってしまったのです!
慌てて店内を探すも…
先にお菓子コーナーに行ってしまったのかと思い、お菓子コーナーへ急ぎます。しかしお菓子コーナーに息子はいません。心臓がバクバクいって顔が青ざめていくのが分かりました。
息子はある程度店内のことを知っていたので、出入口の場所も分かるはず。出入りは2カ所あります。もし店の外に出てしまったら… と悪い想像が頭をよぎります。小走りで出入口までの道を探しました。しかし息子は見つかりません!
魚コーナーに戻っているかもと思い、魚コーナーに行ってみましたが、そこにも息子の姿は見えませんでした。もう店員さんに相談するしかないと思い、近くの店員さんを探すことに。
小さな人だかりを発見!
店員さんを探そうと辺りを見回したとき、お肉コーナーに4、5人の人だかりができていることに気が付きました。何かあるのかと思い近づいてみると、そこはハムが置いてある場所。さらに近付いていくと、ハムのCMの音楽が聞こえてきました。
そこでハッとした私。人だかりの中をよく見てみると、その中心には息子がいたのです!
息子はハムの売り場に置いてあるDVDの画面をじっと見つめながら、音楽に合わせて踊っていました。
息子はハムのCMの歌が大好きで、お肉コーナーを通るときには必ず見ていました。その日もDVDを見ようしていましたが、私が急がせてしまったため、満足に見られていなかったのかもしれません。
息子を囲んでいたのは、おじいちゃんやおばあちゃん。踊る息子を見てニコニコと
「かわいいねぇ」と声をかけていました。
息子を見て安心して涙が出そうでしたが、あまりにもノリノリで踊る様子に、何だか笑いもこみあげてきそうな複雑な思いでした。
ご機嫌になった息子
それまでずっとバクバクと鳴っていた心臓はようやく収まり、息子の方へ近寄ります。
「ママ!」と私を見て満面の笑みの息子。何はともあれ見つかってよかったと息子の手を握ったのでした。
周りの人たちは息子が迷子になっていたとは知らずに
「上手に踊ってたねぇ」と私に声をかけてくれましたが、汗だくの私は苦笑いで
「ありがとうございます…」と返しました。 息子はハムのCMを見て満足したようでニコニコ。
「もう勝手に離れちゃだめだよ!」とだけ伝えて、ご機嫌な息子と買い物を続けたのでした。
いま小学5年生になった息子はさすがに覚えていないようですが、スーパーに行くとこの話をして一緒に笑ってしまう思い出です。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)