子ども服を見るのが大好きな私。息子が生まれてからは、自分では着られないようなかわいい服を、息子に着せるのが毎日の楽しみでした。しかし成長するにしたがって、私が買ってきた服をまったく着てくれず、悪戦苦闘する日々。そんなとき、息子に言われたある言葉に、はっとさせられたのです。
かわいい子ども服にテンションがあがる!
小さなお子さんがいるママなら、子ども服のあまりのかわいさにテンションがあがってしまう! といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
大人顔負けのおしゃれなデザインや、子どもだからこそ着られるかわいいキャラクターがついた服など、子ども服売り場はいくら見ていても飽きることがありません。
もともとファッションが大好きな私。第一子である息子が生まれてからは、自分の服なんてそっちのけで子ども服を買いあさっていました。
息子が小さいうちは私が選んだ服をなんの文句も言わずに着てくれていたのですが、3歳を過ぎたあたりから、だんだんと私が買ってきた服を嫌がるようになりました。
母としては、シンプルな淡い色味の大人っぽい服を着てほしかったのに、息子が選ぶのは、大好きな戦隊ものや派手な黄色の服ばかり。
私が買ってきたおしゃれな服には手をつけようともしません。
「たまには違う服を着たら?」と促しても、自分の好きな服しか着ようとしないのです。
頑固な息子と戦う日々
せっかく買ってきたのだし、たまには私の好みの服も着てほしい!と思い、引き出しの一番上の方に入れてみたり、反対に息子のお気に入りの服を奥の方にしまってみたりしましたが、やっぱり私が買ってきた服は着てくれません。
「なんでママが買った服を着てくれないの! もったいないでしょ!」と怒ってみるも、逆効果。
毎朝、服を決めるだけでケンカが起こり、お互いに大きなストレスを抱える毎日でした。私が選んだ服をかたくなに着ようとしない息子に、まるで私自身を否定されているような気持ちに…。
そんなある日、息子に
「なんでママが買ってきた服は着てくれないの?」と、素直に尋ねてみることに。すると、衝撃の言葉が返ってきたのです。
息子のひと言
「なんでママは自分の好きな服をぼくに着せようとするの? ママが好きな服なら、ママが着ればいいじゃん。ぼくは、ぼくの好きな服を着たい。」
その言葉を聞いて、はっとしました。
生まれた頃から母である私が息子の服を選ぶのが当たり前になっていて、息子の気持ちや意思を尊重するということをすっかり忘れていたのです。かわいい子ども服をかわいい息子が着てくれることに楽しみを見出し、私の好みを一方的に息子に押しつけてしまっていました。
まだまだ小さい子どもなんだから、母親の言うことをきくのが当たり前。服だって、息子が着たいものではなく、私が息子に着せたいものを着るべきだ。いつのまにか、息子を自分の所有物のように扱っていたことに気付かされたのでした。
子どもにだって、自分の服を自分で決める権利がある
息子の気持ちを聞いてからは、息子の服選びに口を出さないように気を付けるようになりました。
私の好みで買ってきた服は着てくれないということもよく分かったので、息子の服を買うときは、息子自身に選ばせることに。
買い物に行く前に新しく買う服の種類や枚数を確認し、それにあった服を息子が選びます。デザインや色なんかは、まったくの自由。戦隊ものだろうが、派手な色だろうが、息子の感性に任せることにしました。
息子も自分の好きな服を選べるので、私に反抗する必要もなく、服選びに関するストレスが一気に軽減しました。今思えば、私だって「この服を着なさい」と親の好みを押し付けられたら、たまったものじゃありません。
もちろんTPOも大切ですが、それ以外の場面では自分の好きな服を着る権利が、誰にだってあります。私と息子の好みや感覚は違うけれど、ファッションにおいては正解不正解はありません。
息子自身が選んだものを楽しんで着てくれれば、それでいいはずです。これからは、息子に気付かせてもらったように、子どものことばかりに目を向けるのではなく、私自身が自分のおしゃれを楽しむ余裕ももちたいと思うできごとでした。
(ファンファン福岡公式ライター/kotoko)