「あなたのせいで娘は事故にあった!」友達家族に一方的に責められる恐怖の時間

身近な人が交通事故にあった経験はありますか? そんなときは心配でたまらないと思いますが、私の場合はトラウマになりそうな恐怖体験になってしまいました。今回は、私が高校生のときのことをお話します。

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自転車で通学

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 当時私は高校一年。自転車で20分の高校へ通っていました。最初は一人で登校していましたが、同じ中学出身で同じ部活のAちゃんに誘われ、一緒に登校することに。

 Aちゃんは注目されていないと不機嫌になったり、男子の前ではぶりっ子をしたり、ちょっぴり苦手なタイプでした。

 7時から朝練のため、待ち合わせは6時25分です。一緒に行き始めると、思いのほか盛り上がり楽しく通っていました。1カ月が経つある日、6時25分になってもAちゃんが来ませんでした。今日は少し遅いのかな? と思いつつ待ちますが、6時40分になっても来ません。メールや電話をしてみましたが連絡がつきません。

 6時45分になり、諦めて先に向かうことに。どうしたんだろう? という気持ちと、朝練遅刻だ… と焦る気持ちで自転車を必死にこぎました。

友人の事故

 放課後の部活のときのこと。
 「Aちゃんが今朝、事故にあったそうです」深刻な顔をした部長が話し始めました。
 「えっ!」私は大きな声が出ました。

 事故…? いつ?

 「命には別条はなく、ただ… しばらく入院になるそうです。明日お見舞いに行きます」驚きのあまり、部長の声が遠くに聞こえます。
 「なっちゃん、Aちゃんと一緒に来てたよね? 今日は?」友達に聞かれます。
 「待ち合わせに来なくて…」言葉がうまく出て来ず、そう答えました。ただただ、Aちゃんのことが心配でした。

恐怖の時間

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 次の日顧問、部長、一年生代表としてBちゃんと私がお見舞いに行きました。病室に入ると、両親もいて、Aちゃんはベッドに座っていました。頭を縫うため髪を剃ったようで、ネットと帽子をかぶっています。

 「心配したよ…」部長やBちゃんが声をかけると、Aちゃんは力なく笑います。
 「Aちゃん…」私が声をかけた瞬間、Aちゃんが睨んできました。

 えっ?

 すると、Aちゃんのお母さんが
 「あなたのせいよ!! あなたが先に行くから、事故にあったの!」鬼の形相で怒鳴られました。

 部長やBちゃん、顧問の先生もポカンとしています。
 「あなたが急がせたせいよ!!」お母さんは泣き叫びながら言いました。

 高校一年の私にとっては、大人から怒鳴られたことはなく、恐怖でした。
 「20分は待ちました。連絡もつかなくて…」私が言うと、お父さんは立ち上がり
 「もっと待っててもよかったんじゃない?」と、真顔で言いました。

 そこへ、顧問の先生が
 「落ち着いてください。今日は、帰りますね」と間に入ってくれました。両親共にまだ何か言いたそうで、Aちゃんは私と一切目を合わせようとはしません。

 顧問の先生や部長は
 「あなたのせいじゃないよ」と声をかけてくれましたが、涙がポロポロと溢れてきました。事故にあったのは私のせいなの? 自分が遅刻しても待つべきだったの? その日は眠れないまま朝を迎えました。

友達不信に…

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 次の日、重い気持ちのまま朝練へ。
 「おはよう」とあいさつをすると、みんなから目をそらされた気がします。あれ? と思っていたら、仲良しの友人が
 「Aちゃんから『なっちゃんのせいで事故にあった』ってメールが来て…」

 なんとAちゃんは、私が先に行かれたせいで事故にあったと広めているそう。私はAちゃんも、それを信じる友達も怖くなり、一時は限られた友達としか話せなくなってしまいました。

 Aちゃんは3カ月後から登校再開。部活ではまだ
 「なっちゃんのせいで事故にあった」とネチネチ言い続け…。見兼ねた男子が
 「どう考えてもこいつのせいじゃないだろ!」と部員に怒ってくれたのですが、最後までAちゃんやAちゃんのグループとは元通り話せるようになることはありませんでした。

 また、後日、Aちゃんのお母さんから“心配をかけたお詫び”と全員にハンカチの贈り物がありましたが、私だけもらえませんでした…。

 交通事故にあってしまったことは本当に可哀想に思いますが、私のせいじゃないよね!? と今でもモヤモヤします。病室でのAちゃんと両親が本当に怖く、忘れたい高校時代の恐怖の思い出になりました。

(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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