結婚して1年、義母の病気が見つかり夫の実家で同居が始まりました。 義母とは良好な関係が築けていたので、同居でのストレスはありません。そんな義母が、同居から1年ほど闘病生活を送り死去。様々な事情から、三兄弟で三男の夫が喪主をつとめる事になったのです。そこでは、私の想像を超えるとんでもない状況に…。悲しみに暮れる暇もなく長男に翻弄された、怒涛の2日間を振り返ります。
義母の通夜当日、現れない長男
義母が亡くなり、次男の義兄が遠方から手伝いに来てくれて、業者との通夜や葬儀についての打ち合わせが完了しました。夫の兄たちは両極端。長男はアル中。奥さんへのDVが原因で離婚、その後も女性をとっかえひっかえしながら一人で生活をしていました。
次男はとっても優秀。大手企業で海外赴任経験もあり、2人の娘も生まれて家族仲も良好です。次男は昔から酔って殴られるなど、長男に迷惑をかけられているので長男との関係を絶っています。長男と次男は現在お互いの連絡先も知らず、今回が数年ぶりの再会です。
そして通夜の当日、もちろん長男にも時間と場所を伝えていたのですが、開始時間が近づいても会場に現れません。
通夜後一旦家に戻るとまさかの…
結局長男が現れないまま通夜は終了しました。
「結局来なかったね」
「どうせまた飲んで寝てるんだろう」と、夫と次男はいつものことだと言わんばかりに受け入れています。
その日、夫と親族は葬儀場に宿泊する予定だったのですが、男性ばかりのため私は一旦自宅に帰ることになっていました。時間は19時過ぎ。夫とともに車で実家に向かいます。悲しみと気疲れで疲労困憊ですが、大きなトラブルもなく多くの人に参列してもらって一安心していました。
車を降りて玄関から家に入ると、消したはずの電気がついている。昼間で気づかなかったのかなと思いましたが、今度は2階から何やら音が聞こえます。
「ゴーゴー… ゴーゴー」
「… いびき?」ゆっくり階段を登り、スマホのライトで照らします。すると…。
2階の和室で、缶ビールを握りしめた長男が大いびきをかきながら爆睡していました。私たちは夫の実家で暮らしているのですが、長男は裏口の鍵をまだ持っていたようなのです。しかもよく見ると、履いているズボンがびしょ濡れ。そう、彼はお漏らしをしながら寝ていたんです…!!
イライラと絶望で頭がいっぱいですが、これを処理する気力はその日の私たちには残されていません。
とりあえずズボンの下にタオルを引きました。 「本当は家でゆっくり寝たかったのに…」と誰にもぶつけられない怒りを抱えたまま荷物を持って宿泊場所へ向かいました。
トラブルメーカーの長男
翌日の葬儀と納骨にも結局長男は現れませんでした。すべてを終え、恐る恐る自宅に戻ります。すると、スーパーでしか見たことのない乗り物が家の前に…。こども用のキャラくるカートが、裏口に置かれていました。昨日酔っぱらった長男が近くのスーパーから押してきたんでしょう。自宅に駐車する前に車にカートを乗せ、元の場所に返却してきました。
時間はすでに夕方近く。やっと家に入ると、長男はすでに帰宅していました。2階には相変わらずビールの缶が投げ捨てられ、アルコールとお漏らしの耐えがたい臭いが立ち込めています。窓を全開にして消臭スプレーをいくらかけても、畳についた匂いはなかなか落ちません。
「なんでわたしがこんなことをしなきゃいけないんだ…。」泣きたくなる気持ちをグッとこらえて、ひたすら片付けに没頭しました。でも本当に可哀そうなのは、三男なのに喪主をつとめた挙句、家がこんな状態になっていた夫だよなぁと同情しました。
それからすぐに裏口の鍵を交換し、勝手に出入りできないようにしました。
悲しみと怒りが入り混じる怒涛の2日間
お世話になった義母の最期は、悲しみに暮れることなく過ぎた目まぐるしい2日間でした。それから数年、たまに酔った長男から夫のスマホに着信がありますが、申し訳ないと思いつつ無視し続けています。
私たち夫婦の生活は和やかな日々ですが、結婚するとお互いの家族に振り回されることがあるのだと、身をもって経験した出来事でした。
(ファンファン福岡公式ライター/aoyama)