長女が生まれ、約2年半後に息子を出産しました。娘のときは何もかも初めてでしたが、息子のときは経験値があり、私も少し余裕があるはずでした。「そうそう、赤ちゃんってこうやって育っていくよね」と。ところがフタを開けてみると、一人目とは大違いの子育てだったのです。
布団で寝ない息子
娘は生まれてから数カ月もすると、夜から朝まで一度も起きずにぐっすり寝るようになりました。あまりにもよく寝るので「生きてる?」と不安になって、息をしているかよく確認したものです。
ところが、息子の場合は同じようにはいきませんでした。とにかく夜泣きがひどいのです。
「おっぱいもイヤ、オムツ替えもイヤ、抱っこもイヤ、何もかもイヤー!!」とでも言っているかのように全てを拒否し「暴れながら泣いている」という感じでした。
私は、息子を抱っこしながら部屋の中を歩き回ります。そしてようやく寝ると、そーっとそーっと布団に寝かせ、一瞬ホッとするのですが、
「ぎゃ〜!」とすぐに泣き出してしまい最初からやり直し…。
今度こそはと、細心の注意をはらって寝かせても、
「ぎゃ〜〜!!」
毎回1分ともちません。仕方なく再び息子を抱っこして部屋中を歩き回り、息子が寝たら抱っこしたまま座って寝る、という地獄のルーティンをこなしていました。
夫や同居の義母は
「そのうち布団で寝るようになるよ」と励ましてくれましたが、「他人事だと思って…。そのうちって一体いつよ!?」と素直に聞くことができませんでした。
仕事復帰の日が近くなり…
「布団で寝てほしい」と願い続け、息子はついに1歳になろうとしていました。私は「横になって寝られたら、なんて幸せだろう」と座り寝で夢想する日々…。
ここで心配なことが1つありました。育児休暇を経て仕事復帰するため、保育園の慣らし保育が近づいていたのです。娘と違ってお昼寝なんてできないだろうし、先生は苦労することでしょう。私は心配でした。
息子が初めて布団で寝た! その場所とは
初めての登園の日。息子は火がついたように泣いていました。私は焦りながら
「実はうちの子、布団に寝かせるとすぐに泣いて起きるので、生まれてからずっと抱っこで寝かせているんです。大丈夫でしょうか?」と聞きました。
すると先生は
「大丈夫ですよ〜。お母さん、行って行って!」と笑顔で送りだしてくれました。
でも家にいても、先生の困っている様子が浮かんで落ち着いていられません。約束の時間におそるおそる保育園に迎えに行くと… 息子は
「ぎゃ〜」と泣いて私の方に手を伸ばしました。しかし先生は
「とーっても、よく寝ていましたよ!」と言うのです。
「抱っこですか? おんぶですか?」と聞くと、
「いえ、布団で」と先生。
「はい!?」
先生から証拠の写真をもらっても「ほんとうにうちの子!?」と信じられませんでした。腕の中の息子は相変わらず泣いています。
寝なかった息子も今では
その後も、「保育園では布団で寝るのに家では寝ない」というナゾ状態が続き、困っていた私ですがついに解決策を見つけます。
ある日、「抱っこしてますよー」と思わせながら横向きで向かい合って寝て、泣いたらすぐにおっぱいをあげて黙らせる、という技を習得!
その後、だんだんと布団で寝るようになり、私の精神的、肉体的な疲れも徐々にとれていきました。
出口が見えなくてつらかった日々も、今では一瞬の出来事のように思えます。「うちの子だけ大変だ」と思っていることが、実は子育てあるあるの1つで、「もっと他の人に愚痴を言ったり、アドバイスを求めてもよかったな」と思います。
そんな息子も今では高校2年生。今度は、毎朝なかなか布団から出ず困ってしまいます(愚痴です)。なにか良い方法がありましたらぜひ教えて下さい(求む! アドバイス)。
(ファンファン福岡公式ライター / 柴田真千子)