独身時代、病院勤めの看護師だった私の毎日はとにかく忙しい。日勤に夜勤に残業。毎日、家と病院の往復だけで、体力はもう限界です。彼氏はほしいけど、貴重な休日はムダにしたくない…。限られた時間を最大限有効活用するために、私が考え出した最高の婚活方法とは!?
病院勤務は超多忙
病院で看護師として働いていた私は、時間に追われる毎日でした。一番つらかったのは、勤務時間が長すぎること。そこに、夜勤が入ると心も体も限界です。
あるとき、24時から朝9時までの深夜勤務明けに朝食をとっていたら、おにぎりを手に握ったまま、寝落ちしていたこともありました。
多くの時間を過ごす勤務先で、出会いはそう多くありません。同僚はほぼ女性。独身医師は、すでに他病棟の美人看護師と婚約済みだったりします。私が勤務する外科病棟は、若い男性が入院してくることは、まずありません。一方、お隣は若い男性患者さんばかりの整形外科病棟。
あるとき廊下で、足を骨折した患者さんと連絡先を交換している同僚看護師に出くわし、うらやましく思ったものです。
飲み会という名の戦場
そんなとき、友人から飲み会へのお誘いがありました。男女の人数が同数の婚活飲み会です。待ちに待った飲み会当日、男性陣と女性陣が双方一列に並び、向かい合って座ります。そして、全員で「はじめまして!」の乾杯。そこから、楽しい宴が始まる… わけではありません。
なぜなら、ここは飲み会という名の戦場。先の乾杯は、「今日こそ彼氏をゲットするぞ!」女友だち同士、熾烈な争いの火ぶたが切って落とされた合図でもあるのです。
乾杯の後女性陣は、一斉にテーブル下にスマホを構えます。実は、テーブル下で男性陣に悟られないように、女性同士でタイムリーな情報交換が行われています。
テーブル上では男性陣に向かって、よそゆきの笑顔をふりまく女性陣。一方、テーブル下ではスマホ操作の指が止まりません。
「〇〇ちゃんはどの人がタイプ?」
「私は右から二番目が好みかな」
「私は今日、好みの人いないな~」などと、お互いの腹の探り合いが始まるのでした。
確率を二倍に!
毎週のように婚活飲み会に精を出す私でしたが、なかなか運命の人は現れません。「出会いの機会を多くすればいいんじゃない?」そう考えた私は、一晩に一組としか開催していなかった飲み会を、一晩に二組と開催することにしました。出会いの確率は二倍です。
一組目は夕方、早い時間からのスタートで、二組目は夜ちょっと遅めからのスタートです。飲み会が盛り上がらないと、女友だちとがっくり肩を落としていたのは、もう過去の話。
一組目との飲み会が上手くいかなくても、
「次行こう! 次!」と、二組目との飲み会会場へ、戦友たちと再び出陣するのでした。
タイパ高めの効果と副作用
タイパ重視の飲み会幹事を毎回担っていた私は、新しい飲み会相手を探すのに一苦労。研修会や勉強会先で知り合いができると、二言目には
「飲み会しませんか?」が当時の口癖でした。
こんなことを続けているうちに、周囲でぽつりぽつりとカップルが誕生するようになりました。結婚するカップルも現れたため、「エノちゃんの飲み会は必ず彼氏ができる」などと評判に。
でもこれは、出会う男性の人数が増えたので、カップル成立の確率が上がっただけなのです。あるときは、婚活相手の男性たちが、どうやら一巡してしまったようで、
「あれ? 別の飲み会で会ったことあるよね?」などと「二度目まして」メンバーも現れました。
そろそろ潮時かと思った頃、私自身にもついに運命のお相手が現れたのです。そんなわけで、タイパ重視の婚活飲み会は、周囲に惜しまれつつ、ひっそりと幕を下ろしました。
婚活で一番大事なこと
私の独身時代の婚活といえば、「合コン」と呼ばれる飲み会がメイン。実際に顔を合わせ、話をしてみて、相性などを判断するアナログ方式でした。
対して今は、マッチングアプリで、実際に会わずとも、AIが相性の良さそうな男性を選んでくれるとか。こんなことを聞くと、「さすがデジタル時代の婚活」と感心するばかりです。
ですが、アナログ時代でも、デジタル時代でも、やっぱり婚活で一番大切なことって、これだと思うんですよね。「ヘタな婚活、数打ちゃ当たる」
(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)