香り、味、色合い…。茶の奥深さを堪能しながら、ゆったりと“ごほうび時間”を過ごしませんか?「ファンファン調査隊」が取材した編集部おすすめの3スポットを紹介します。
【SABOE HAKATA】日本茶・菓子・酒の融合 親しみながら深まる世界
今年11月にオープンした東京発の日本茶専門店です。独自製法の10種類のブレンド茶「T., Collection」や菓子、饅頭(まんじゅう)、茶器を販売。落ち着いた雰囲気の茶房では「茶と菓子とあて」(T., Collection、季節の菓子、あての八寸のセット、2,750円)や茶酒などが楽しめます。アートギャラリーと隣接し、文化拠点の一面も。
2階の茶房。道具や所作の美が魅了。
1階で試飲可能。好みの味を見つけて。
格別な味わいの菓子。
SABOE HAKATA
住所 福岡市博多区御供所町5-27
グラムビル御供所町
電話 092-260-8855
売店 11:00~19:00
茶房 13:00~23:00
(日曜・祝日13:00~19:00)
定休 水曜
席数 8席
【MACCHA HOUSE 抹茶館 天神地下街】すべて店内仕立て! 京都の老舗「森半」の宇治抹茶を使用
「MACCHA HOUSE 抹茶館」は、2015年に京都・河原町のデパートにオープン。その後クローズし、シンガポールに海外1号店が出店しました。この店舗が好評となり、河原町に戻る形で“逆輸入”された抹茶専門店です。現在はアジア圏の海外に4店舗、国内に10店舗を展開し、天神地下街は九州初出店となります。
同店では天保7(1836)年から続く京都の老舗「森半」の茶師が厳選した、宇治抹茶をふんだんに使用した抹茶ドリンクとスイーツが楽しめます。「森半」は京都の茶葉を使用し、香りと味わいが非常に豊かな点が特徴です。
ドリンクは注文が入ってから一杯一杯抹茶をたてて提供。同店では抹茶の濃さが選べ、シングル、ダブル、トリプルの3段階から選べます。通常の抹茶ラテは、抹茶約1.5gを使用するところがほとんどとか。同店ではシングルでも約3gと倍の量を使用しています。1段階アップごとに抹茶量+3g。
また、ドリンク、ティラミス、ソフトクリームで使用する抹茶の粉を使い分けています。
一番人気は、ヒノキの升で提供する「宇治抹茶ティラミス」(814円)。マスカルポーネチーズクリームと宇治抹茶がよく合い、とろとろの食感が大好評の一品です。店内飲食限定。ティラミスに使用される抹茶の粉は「すいけい」といい「森半」が特別ブレンドしたもの。九州で味わえるのは同店のみだそうです。+330円でドリンクセットも。人気は「抹茶ラテ」(+100円)。
今回は実際に「抹茶ラテ(シングル)」を味わいました。口に含むとたてたての抹茶の風味が広がり、甘さは控えめですっきりとした飲み心地。ミルクと混ぜるとさらにまろやかになり、抹茶の余韻も楽しめます。
また、天神地下街限定商品も登場!「抹茶黒蜜きなこわらび餅ラテ」(814円~)や「抹茶白桃ラテ」(924円~)、「抹茶いちごラテ」(979円~)など計6種類のラテが限定で提供されています。ラテのおすすめの濃さはダブル。香り高い抹茶本来の味わいが楽しめます。
さらに、お土産スイーツ「抹茶つるん」は、本店でも販売されていない天神地下街限定商品。宇治抹茶をふんだんに使用したゼリーが特徴で、抹茶クリーム、北海道ミルククリームの3層仕立てとなっています。人気は「抹茶つるん いちご」(745円)。イチゴの甘酸っぱさと抹茶の苦み、あんこの甘みが絶妙にマッチした一品です。
抹茶好きにはたまらない品々がそろう「MACCHA HOUSE 抹茶館 天神地下街」。「森半」の宇治抹茶の魅力を“てんちか”で堪能しては。
MACCHA HOUSE 抹茶館 天神地下街
住所 福岡市中央区天神2丁目地下1号 028区画
電話 092-235-6466
営業 10:00~21:00(L.O20:30)
定休 施設に準ずる
席数 20席
【茶の文化館】奥八女・星野の自然の中、学び、味わい、体験もかなう
福岡市内中心部から約1時間半。「茶の文化館」は山林に囲まれた奥八女・星野村にあります。1994年に開館し、2017年にリニューアル。八女茶に特化した展示コーナー、体験工房、食事どころもあり「飲む・食べる・作る・学ぶ」体験ができる施設です。
八女茶席では八女伝統の玉露を「しずく茶」として提供しています。「八女伝統本玉露」は一番茶の時期に稲わらで茶園を覆う技法で作られます。鮮やかな色に仕上がり、やわらかいのが特長。一枚一枚手で摘み取られる特別なお茶です。「八女伝統本玉露」は2015年、地理的表示保護制度(GI)に登録されています。
「極上しずく茶(和菓子付)」(1,000円)を味わいました。1煎目は45度の湯が注がれた茶わんから玉露のしずくを堪能。だしのような風味が後を引きます。うまみ成分のアミノ酸が多く含まれるためだそうです。
2煎目、3煎目は約60度、4煎目は約80度の湯を使います。深みのある味からすっきりした味への変化も魅力です。残った玉露の茶葉は好みで酢じょうゆや岩塩を付けて食べます。ビタミン、ミネラル豊富な茶葉はやわらかく、野菜のようでした。
添えられる和菓子は地元婦人グループの手作りです。季節ごとに年間100種類ほどをラインアップ。メインのお茶を引き立てるよう甘さは控えめです。
体験コーナー・八女茶工房で「石臼抹茶ひき」(500円)に挑戦しました。 原料になる碾茶(てんちゃ)2gを石臼で回して粉砕していきます。ひいた抹茶の粒子はなんと10ミクロン。それぞれの断面が反射して、鮮やかな黄緑色に見えるのだそうです。青のりのような爽やかな香りもしました。
ひいた抹茶を専用の道具で集めて、ふるいにかけて仕上げます。コツをつかむまで少し力を使いますが、15分ほどで抹茶ができました。
ひいたばかりの抹茶をたてる体験もできます(プラス300円)。ほかに、「手もみ緑茶作り」(1,000円)、「ほうじ茶作り」(500円)もあります。予約はいりません。
食事ができる八女茶寮では、茶そば、ほうじ茶でたいた茶飯など、茶を使ったメニューが並びます。「teaラミスプリン」(900円)はプリン、カステラ、抹茶ソース、生クリーム、ナッツ、飴(あめ)が入っていて、食感の違いが面白い逸品。さらに「抹茶パフェ」や「ほうじ茶パフェ」(各900円)もあります。
「ぜひ星野まで足を運んでいただいて、自然の中でいろんな体験を楽しみ、ゆっくり過ごしてもらえたら」と館長の古賀佳代さん。
カウンター席でのんびり過ごす“おひとりさま”も多いそうです。山々の眺望に癒やされる至福のひとときが待っています。
茶の文化館
住所 福岡県八女市星野村10816-5
電話 0943-52-3003
営業 10:00〜17:00(八女茶寮 14:30L.O.、八女茶工房 最終受け付け15:30)
定休 火曜(祝日、5月、夏休みは開館)