福岡県久留米市の久留米シティプラザが、映画「浅田家!」のモデルとしても知られる写真家・浅田政志さんとコラボ。ラーメンやかっぱなど久留米に関する10のテーマで演出写真を作っています。2025年3月に開催する写真展「わたしとくるめ」に向けて、8月8日に撮影がスタート。今回は、8月11日に行われた久留米絣(かすり)をテーマにしたユーモアあふれる撮影現場をリポートします!
真夏に卒業式! 「久留米絣」をテーマに旧下田小学校で撮影
「鬼夜」「上履き」「かっぱ」などすでに5つのテーマの撮影を終え、この日は6つ目の「久留米絣」。40℃近い暑さの中、2021年に閉校した旧下田小学校(同市城島町)で撮影が始まりました。
炎天下にも負けず、10のテーマを盛り込んだかっぱの衣装に身を包んだ浅田さん。この日は久留米絣特別バージョンということで「もんぺ」も履いています! 4月に実施された「わたしとくるめ」のキックオフイベントの参加者とも再会し、うれしそうな表情を見せています。
「久留米絣小学校」という架空の小学校の卒業式を演出するというので、小学生や中学生ら18人が参加する大がかりな仕掛けに。卒業式の看板や桜は久留米シティプラザのスタッフがこの日のために準備したそうです。
エピソードが採用された同市の原口鈴加さんは、家族4人で撮影に参加。「夏休みの自由研究で娘が久留米絣のジャケットをデザイン。それを羽織って卒業式に出席したエピソードを送りました。バスでこの企画のポスターを見てすぐにエピソードが思い浮かんで応募したのですが、選ばれてうれしいです。今日は暑いですが、娘はそのジャケットを着ています! 普段、家族そろった写真はなかなか撮れないので、浅田さんに撮ってもらえて今日は本当に楽しい」と笑顔で話します。
エキストラは長袖のスーツ姿で汗をかきかきポーズを取っています。卒業式で泣いている人、子どもの成長を喜ぶ人、卒業証書を取り合う人!? 浅田さんは参加者それぞれと話しながら、思い付いたポーズを提案。表情だけではなく、手や足の動きを確認しながら、最高の一枚が撮れるまでおそらく200カット近く、シャッターを切っていました。
真夏の強い日差しの下、小学校の卒業式の撮影が無事に終了。ワークショップ(4月実施)から参加している同市の寺川章子さんは、「本当に楽しい撮影現場でした。大きくプリントされて展示されるのが今から楽しみです!」と目を輝かせます。どんな写真に仕上がっているか写真展を楽しみに待ちましょう♪
仕上がりは3月の写真展で確認しよう。久留米の人は必見!
浅田さんは8月上旬の4日間で6テーマを、9月上旬の3日間で残り4テーマの撮影を終えました。「今回の撮影にはお子さんからお年寄りまで、幅広い年代の方が参加してくれました。皆さん、楽しいことが好きな方たちばかりで、恥ずかしがらずにポーズを取ってくれたのがうれしかったです」と振り返ります。
さらに「特に久留米の方々には展示本番に見に来ていただきたい。見慣れた光景や身近な場所、もしかしたら知り合いも写っているかもしれません。久留米の方が見ると深さが違うと思います」と話しました。
浅田さんは心温まるエピソードに耳を傾け、ワクワクするアイデアを写真に込めます。投稿者の思い出が鮮やかによみがえった写真は今後、横幅約1.25mの大きさに引き伸ばされます。来春の写真展が待ち切れませんね。