愛するわが子のために良かれと思って頑張ったのに、喜ばれるどころか嫌がられてがっかりした経験はありませんか? 今回は、小学校1年生になり学童に通い始めた娘に作った弁当にまつわる、ちょっと切ないエピソードをお話します。
初めての学童弁当に挑む
今年の春から小学生になった娘。保育園では給食だったのですが、小学校入学前の4月1日から給食が開始するまでの間はお弁当です。兄弟児のいるママ友たちから、「忙しい朝からのお弁当作りが大変」という事前情報を聞いていたので、「お弁当作り」が密かに恐怖でした。
決して料理が得意とは言えませんが、弁当を作りなれてきたある日のこと。たまには特別なものを入れようと、炊き込みご飯に挑戦することにしました。私が子どもの頃、母が作ってくれた弁当に炊き込みご飯が入っていると、特別感があってとても嬉しかったことを覚えています。
その記憶を娘にも届けたくて、今回はレトルトに頼らず、前夜から具材を切って調味料も準備し、炊飯器で予約セット。翌朝は炊きあがりの良い香りが! 娘も喜んでくれるはず、とワクワクしながら、弁当箱に詰めました。
おいしくできた炊き込みご飯
せっかくおいしくできたので、お弁当だけでなく朝食も炊き込みご飯を出してみることに。
「今日はママ、張り切って炊き込みご飯を作ったよ。朝食も同じでいいかな?」と伝えると、娘の顔は一気にくもり
「なんで炊き込みご飯なの? 白いご飯が良かった!」と怒り出したのです。
炊き込みご飯は何度も作ってきましたが、こんな反応は初めてです。
「え、せっかく作ったのに…。ちょっと食べてみよう?」と言ってみたものの、娘は
「炊き込みご飯嫌いなの! ママなんか大嫌い!」と泣き始めてしまいました。私も思わず
「じゃあ食べなくていい!」と声を荒げてしまい、険悪な雰囲気に。
つられて息子も大泣きし、夫は呆れ顔で
「炊き込みご飯ごときでそんなに怒るなよ…」と一言。朝からリビングは大荒れでした。
弁当を食べた娘の反応
娘には冷凍の白ご飯を解凍して朝食に出しましたが、弁当までは作り直す気になれません。
「嫌なら残していい」とだけ伝え、そのまま炊き込みご飯を持たせることに。
夕方、迎えに行き
「今朝はごめんね」と娘に謝り弁当の様子を尋ねてみると、娘は
「あっ全部食べた! お弁当おいしかったよ~」とケロッとした表情で返答。思わず「なんだそれ!」と、少し複雑な気持ちでした。
大量に作ってしまった炊き込みご飯。翌朝、また出そうかと子どもたちに聞いてみたものの、即座に「白いご飯がいい」とリクエストされます。
さらに夫まで
「俺も白いご飯が食べたい」と言い出す始末。結局私が朝も夜も食べ続け、翌日の自分の弁当にも詰め込むことに。最初は、おいしいと感じていたものの、さすがに三食続くと、もう勘弁… と思い、わが家では、炊き込みご飯を封印することを決めました。
炊き込みご飯の封印が解かれる!?
それからしばらくして、実家で家族が集まる機会がありました。料理上手な姉が腕を振るってくれたメニューの中に、なんと炊き込みご飯が! 慌てて
「うちの子たち、炊き込みご飯はあまり食べないかも…」と伝えると、娘が
「食べたい!」とひと言。つられて息子も
「僕も食べる!」と続き、姉が作った炊き込みご飯はあっという間に完食されました。
姉の炊き込みご飯には鶏肉が入っていて、確かにジューシーでおいしかったのですが、味付けはほとんど同じ。具材の違いはあるものの、私が作ったものも十分おいしいし、大差ないはず。
それでも娘は
「この炊き込みご飯、おいしい! おかわり!」と大喜びです。帰宅後
「今度、うちでも炊き込みご飯作ろうか?」と娘に提案してみると
「うーん、炊き込みご飯はいいや」と冷たい返事が…。二度と無駄な戦いを繰り広げたくない私は、再び炊き込みご飯を封印することにしました。
小学校の給食がない日や長期休暇にはお弁当作りが発生しますが、この事件以降、無理をしないことに決めました。娘の弁当は白いご飯が基本。今のところ完食して
「ママのお弁当、おいしいよ」と言ってくれています。これからも弁当が必要なときは、肩の力を抜いて、無理せずに対応していこうと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/ぴょんママ)