【衝撃の初対面】義母の想定外すぎる言動に思わずプチパニックに陥った私

彼氏の母親に会う。それは当時19歳の私にとって生まれて初めてのことで、かなりのビッグイベントでした。将来、姑になるかもしれない人。一体どんな人なんだろう。そんなドキドキの中迎えたお義母さんとの初対面は、予想外の展開を迎えることになったのです。

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緊張しながらお義母さんと初対面

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 当時の彼氏(つまり今の主人ですが)は、北海道出身。夏休みを利用して彼の母に会うため、飛行機で向かうことになりました。最寄りの駅まで車で迎えに来てくれていたお義母さんは、彼から聞いていた通り、小柄でちゃきちゃきした感じ。

 「初めまして! 〇〇と申します!」と元気に挨拶をして、初対面は完了。お義母さんも笑顔で挨拶を返してくれました。
 「ああ、いい人そうだな。そうだよね、よかった」そう思いながら私は彼と一緒に後部座席に乗り込んで、お義母さんの運転で実家に向かいました。

「木登りはするの?」ってどういうこと?

 車中で、お義母さんが私に話しかけて来てくれました。
 「〇〇さんは…」なんだろう、何を聞かれるんだろう。一瞬構えたその時、お義母さんの口から出た言葉は、
 「木登りはするの?」でした。

 木登り!?  なんで木登り!?  初めての会話が木登り!? プチパニックに陥った私でしたが、「失礼があってはいけない」と0.1秒で疑問をかき消して返答しました。

 「木登りはしたことはないです!」と元気よく答えると、
 「そう」とお義母さん。そのまま会話が終了してしまいました。彼氏をチラ見するも、助け舟は出してくれず涼しい顔。

 「私、なんで木登りについて聞かれたの?」
 「どう答えればよかったの?」と彼に聞きたい、今すぐ聞きたい。でもこの直後、彼氏と義母は地元トークで盛り上がっていたのです。木登りの話は一体どこへ。頭の中が「?」でいっぱいのまま、ほどなくして実家に到着しました。

「これに着替えなさい」と渡されたのは

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 リビングで休もうとすると、隣の部屋でごそごそやっていたお義母さんが戻ってきて
 「〇〇さん、これに着替えなさい」と手渡されたものを見ると、紺色のジャージ上下でした。私はこの日のために買った真新しいワンピースを着ていました。到着した途端に、だっさい(失礼)ジャージに着替えろとは一体…。

 何度も断ったのですが、お義母さんは
 「いいから着替えなさい」と聞き入れてくれません。頑固になりすぎて印象を悪くしてもいけないと思った私は、訳の分からない展開に少し泣きそうになりながら隣の部屋で紺色のジャージに着替えることにしました。

 ジャージ姿の私を見て、お義母さんは満足そうに微笑みました。
 「綺麗なお洋服着てたら疲れるでしょ、家の中ではのんびりしなさい。ほら、足伸ばして座って」と。お義母さんと会うために着てきたワンピースでしたが、お母さんはそんなことよりも、遠路はるばるやってきた私にリラックスしてほしかったとのことでした。

 「なんだ! いい人なんだ」訳も分からずワンピースを脱がされ、謎のジャージ姿で涙目の私でしたが、お義母さんの温かい気持ちを知ってようやくほっこりしました。

「木登りトーク」の答え合わせ

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 お義母さんの意図を理解し、少し元気が出た私は、さっきの疑問であった「木登りトーク」について聞いてみることに。すると、お義母さんは
 「ああー、あれは私が得意だから!」と笑いながら教えてくれました。

 お義母さんは子どもたちが幼い頃によく木に登っては木の実を取っていたのだとか。彼は木の下で、そんな母親の姿を見ていたと言います。だからお義母さんが木登りの話を始めた時も、疑問に思わなかったのか… さすがは北海道… なのかな?

 息子が初めて連れてきた彼女と楽しく語れそうな話題を、お義母さんなりに一生懸命探してくれた結果の「木登りトーク」だったことがわかりました。

 ごめんなさい、木登りしたことがなくて… お義母さんのとっておきのトークが盛り上がらなくて…。と心の中で謝りました。

 当時19歳の私にとっては、「木登り」と「ジャージ」で心が折れそうになった衝撃の初対面でした。その後、彼氏が夫となった今も変わらず、とってもやさしいお義母さんです。そして実家に帰るときは、必ずマイジャージを持参するようにしています(笑)。

(ファンファン福岡公式ライター/minto)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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