映画やテレビドラマなどで独特の存在感を放つ福岡市出身の俳優、イッセー尾形さんの一人芝居「イッセー尾形の右往沙翁劇場 2025 in 福岡」が1月31日(金)~2月2日(日)、西鉄ホール(福岡市中央区天神)で上演されます。2023年に10年ぶりの福岡公演を再開して3年連続公演。11月初旬に福岡市で記者発表会を開いたイッセーさんに、一人芝居を創作する面白さや今回の見どころなどを聞きました。
「時代の変化を受け入れ乗り越えていく8人です」
1980年代からイッセーさんが取り組んでいる一人芝居。「その時代に生きる人々を演じるというのを40年変わらずにやっています。時代は刻々と変わりますが、その変化にあらがうことなく受け入れて、自分の良いように解釈して乗り越える、そんな人々が登場します」と話します。
今回登場するのは、今年4月から公演を重ね“育ててきた8人”。1作品=1人を7~10分に仕立て、中学校教師や鋳物職人、おばあさん、神主など8人の日常の一こまを描きます。そのエピソードは自身の体験や話題になったニュースをもとにしているとか。
「今回演じる8人の中の1人に、行列に並んでいたら横入りされる若者がいます。これまでずっと横入りされて怒る若者をやっていたんですけど、どうもお客さんが引いているんですね。昔は横入りされたら怒るのが普通でしたけど、横入りしても当然という時代なのであれば『どうぞ』と譲る。あり得ないと思いますけど、その方が時代の空気に合うのではとないかと。それが功を奏するかは分かりませんが、神戸(11月22日公演)と東京・有楽町(12月8日公演)で試し、福岡でも試してみます。時代は怒る側ではなく、受け入れる側。注意したら逆ギレされるところを面白おかしく演じられるのでは」と期待を込めます。
「福岡のお客さんが受け入れてくれてありがたい」
イッセーさんは通常、人物を設定して脚本を書くといいます。「15~20分の話は(脚本)8ページが埋まりますが、今回は少し短めで7ページ。2ページ目と5ページ目に“壁”があり、結末は5ページ目にかかっています。結末は最初から考えていないので、どこに連れて行かれるんだろうというのも楽しみです」と、創作課程を明かします。
立体紙芝居が人気の「雪子の冒険」シリーズは、アドリブが大事な要素なのだとか。「アドリブなしで1度やったんですが、お客さんは主筋を追っているわけではないことが分かりまして、それからアドリブ満載でやっています。今回が8話目です。もともと川端康成の小説『浅草紅団』を読んで(その世界の)怪しげな感じがいいなと思い、女の子が北国から東京・浅草にやって来る物語を思いついて、それを立体紙芝居で小学生に見せているという設定です。物語はずっと続いていきます。でも、前回を知らなくても大丈夫です」と笑顔を見せます。
「イムズホールでの公演がなくなり、フリーになって福岡との縁はなくなったかと思っていたんですが、(23年1月に)できるようになり心身共に喜びました。お客さんが受け入れてくれるのがありがたいし、今やっている姿を見ていただきたいな」と、生まれ故郷での公演を心待ちにしている様子です。
「イッセー尾形の右往沙翁劇場 2025 in福岡」
日時:2025年1月31日(金)19:00
2月1日(土)15:00
2日(日)15:00
場所:西鉄ホール(福岡市中央区天神2-11-3 ソラリアステージビル6階)
料金:全席指定5,500円 ※税込み。未就学児入場不可
問い合わせ:イッセー尾形事務所
Eメール::info@issey-ogata-yesis.com