ドライブ旅行といったら欠かせない「道の駅」。その地域の産直野菜や果物、名物グルメがそろい、多くの人でにぎわいます。今回は編集部が注目した福岡県内4つの道の駅を紹介!
地元のとれたて野菜が並ぶ 愛すべき個性派ぞろい!【道の駅「おおむた」花ぷらす館】
朝収穫された地元の新鮮な野菜を中心に「草木饅頭(まんじゅう)」、「かすてら饅頭」、高菜漬けといった大牟田の特産物を販売。県境にある立地を生かし、熊本の商品も展開します。
開業は2000年。2020年から指定管理者として運営に携わる島哲男社長は、映画「ダイ・ハード」でブルース・ウィリス演じる主人公(ジョン・マクレーン)にふんした姿で話題を集めています。
きっかけは2020年着任早々のこと。コロナ禍でオープニングイベントが全て中止、大牟田豪雨の影響による通行止めで客足が激減、施設の雨漏り、厨房(ちゅうぼう)施設の不備…、初年度から不運続き。
「こんなはずじゃなかった‥と。そこで、“ツイてない男”の代表であるジョン・マクレーンの格好を撮影して年賀状に載せたんです」と島社長。それが各方面で評判に。以降、全国や福岡のテレビ番組などで取り上げられ、最近では観光バスも立ち寄るほど知名度がアップしたといいます。
注目は2年前に誕生した「大(ダイ)・ハードカレー」(150g500円)。地元の素材を集めて作ったオリジナルの欧風カレーです。トロトロの牛スジ肉が入っていてビーフシチューのようにまろやか。辛みはほとんどなく、子どもでも食べられる味わいです。地元ショッピングモールでおなじみの格好をしてカレーを売ってほしいとの依頼もあったそうです。
熊本から直送される馬刺しもおすすめです。鮮度抜群で手頃な価格。赤身やハラミなどが並んでいました。イノシシ肉もあります。
明治10年創業で手造りの伝統を守る石橋屋のこんにゃくも見逃せません。手間暇かけられた優しい味で歯ごたえが格別。その弾力が癖になるファンも多数いるとか。「本手延蒟蒻」(280円)、「本手延小丸」(180円)、「三池山(しらたき)」(280円)などの種類があり、おでん、すきやきなどに重宝します。
オリジナルの「大牟田の力(チカラ)らーめん」(4人前、1,250円)もおすすめです。辛子三池高菜漬が別袋で入っているのが特長で、豚骨スープにピリ辛高菜がマッチします。
熊本県南関町で放し飼いし、餌にもこだわった有精卵「堀さんちのたまご」(400円)も要チェック。大牟田の人気飲食店から支持されている逸品です。
店内で昭和歌謡を披露する松嶋さんも名物キャラ。歌声はもちろん、にじみ出た癒やしのオーラ、はかなげな雰囲気にも魅了されます。小学生の熱狂的なファンもいるそうで、ブロマイド、キーホルダーなどのグッズが売れているそうです!
道の駅「おおむた」花ぷらす館は、日本自動車連盟(JAF)九州本部主催の「イチオシ道の駅グランプリ2024」で9位にランクイン! 知名度を背景に前年比売り上げは伸び続けているものの、福岡県内の道の駅では10年連続売り上げ最下位。島社長は「面白そうだということで来てもらい、買い物をしていただき、最下位脱出の手助けをしてもらえたらうれしいです!」。
個性的なスタッフの存在で他を圧倒する同店。島社長が指定管理を務めるのは、惜しまれながらも今年3月まで。今後は大牟田観光物産館の運営を担う予定。新たな展開も楽しみです!
道の駅「おおむた」花ぷらす館
住所 福岡県大牟田市四箇新町2-1
電話 0944-50-1187
営業 9:00~18:00
定休 第3水曜 1月1日、2日
駐車場 大型6台、普通車52(身障者用3)台
交通 九州自動車道南関ICから車で約2分
新鮮なフルーツを年中提供 四季折々の眺望も楽しめる【道の駅うきは】
今年、開業25年を迎える「道の駅うきは」は年間を通して豊富な地元産フルーツを取り扱っています。その新鮮で安価な果物を求めて県内外から多くの人が来店。売り上げの半分近くをフルーツが占めているといいます。
初夏に桃が出はじめ、夏にブドウ、梨、秋にかけて柿、イチジク、キウイが並び、冬にイチゴなどを展開。品種も多岐にわたります。
中でも1~3月に楽しめるのが冷蔵管理された「富有柿」です。旬の時季に収穫した柿を1個ずつ包装し、真空に近い状態で冷蔵保存。シーズンオフでも鮮度が保たれます。「富有柿」は甘みが強く、ジューシーでシャキシャキとした食感が特長。日持ちがしやすく贈り物に選ばれているそうです。
1月は、旬を迎える紅ほっぺ、あまおう、さがほのかなどのイチゴが並び売り場も華やぎます。
フルーツを使った加工品も充実。おすすめは「うきぴー柿まんじゅう」(6個1,080円、12個2,160円)です。うきは産富有柿のピューレがあんに練りこまれ、しっとりとした生地にほんのり柿の風味が漂います。キャラクター「うきぴー」があしらわれた見た目もかわいらしくお土産にぴったり。
「フルーツ王国うきはの恵みがぎゅーっとつまった梨缶」(380円)も注目商品。試行錯誤の末に選ばれたうきは産の梨「新高」が使われた珍しい梨の缶詰です。みずみずしさが感じられ、歯ごたえが良く、甘さ控えめで食べやすい逸品です。
清らかな水の恵みで育まれた棚田米や季節ごとの野菜も数多く並んでいます。
「道の駅うきは」は西見台と呼ばれる高台に位置していて、展望デッキから望む田畑や山々の美景も魅力のひとつです。
デッキに机や椅子が設置されているのでお弁当や総菜を食べながら休憩するのもおすすめ。筑後平野や耳納連山を眺めながらのんびりできます。
隣接する「ファーストフードぽち」でたこ焼き、季節のソフトクリームなども販売。秋は柿のソフトクリーム、冬はあまおうのソフトクリームを提供します。(※改修工事のため提供休止中。2025年5月から再開予定)
敷地内に観光案内所「ウキハコ」が併設されています。休憩スペースとして利用でき、レンタルサイクルのサービスもあります。
旅行情報誌「九州じゃらん」の道の駅人気ランキングや「JAF」の「イチオシ道の駅グランプリ2024」1位の実績も強みです。今後、食事処をオープンする予定で、新たな魅力も加わります。
「果物や冬の野菜などもたくさん提供しています。景色もいいのでぜひ観光に来ていただけたら!」とスタッフの金丸さん。
道の駅うきは
住所 福岡県うきは市浮羽町山北729-2
電話 0943-74-3939
営業 9:00~18:00 ※1、2月は9:00~17:30
定休 第2火曜(祝日の場合は翌日)※7、8、9月は無休、12月31日~1月4日は休み
駐車場 300台
交通 大分自動車道杷木ICから車で約10分
道の駅うきは 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/michinoekiukiha/
砥上岳など3つの山の麓に位置 生産物を原料にした加工品が自慢【道の駅 筑前みなみの里】
2009年4月29日に開業。砥上岳(とかみだけ)、三箇山(さんがやま)、目配山(めくばりやま)の麓にあり、豊かな大地が広がります。
直売所「だんだん」では、地元産の米や野菜を中心に、一部近隣地域の果物などを販売。その他総菜やパンなどの加工品、工芸品、生き物も展開しています。
平日はシニア層やリピーターが多く、土日はファミリーや若年層が多く訪れるそう。夕方ごろには品薄になる日も少なくないといいます。
「道の駅 筑前みなみの里」には加工所があり、ここで作られた出来たての米粉パンや豆腐などを直売所で販売しています。
パンの種類は大体20前後。あんパン、くるみパン、総菜パンなどが種類豊富に並びます。
また、お弁当(各種550円~)をはじめ、真空にした総菜商品も多数展開。人気の筑前煮や煮豆、煮魚など約20種類が販売されています。
米粉パンには筑前町のお米を使用。お米を米粉にして、こねる作業から焼き上げまで「みなみの里」加工所で全て手作りされています。焼きたてが購入できますよ♪
注目は「米粉ボール」(ハーフ 290円、キング580円)。キングは人の顔が隠れてしまうほどのビッグサイズです。米粉を使用しているため弾力があり、ふわふわもちもちで食べ応えがあります。パンの甘みが感じられるため、まずはそのまま味わうのがおすすめ◎。
また、筑前町で生産された大豆「ふくゆたか」を使用した豆腐も手作りしています。なじみ深い白い豆腐はもちろん、同町特産の黒大豆「クロダマル」を使用した豆腐も提供。「クロダマル」の豆腐はグレーの色味がインパクト大です!
「なかよし豆腐(白、黒)」(390円)は、そんな「ふくゆたか」と「クロダマル」を使用した豆腐のハーフ&ハーフ。いずれも少し固めの仕上がりですが、口当たりなめらか。濃厚な味わいでコクがあります。
豆腐は、ざる豆腐と揚げ豆腐が並び、それぞれ枝豆やゴマのペーストを混ぜた豆腐など4種類が展開されています。
旬を迎えたイチゴもおすすめ。町内のイチゴ農家が「あまおう」を中心に摘みたてを販売しています。
※販売価格・種類は時期によって異なる
※諸事情により販売されていない場合あり
隣接する「ちくちゃんいちご園」では1月上旬~4月末までイチゴ狩りを開催中! 取り扱い品種は「あまおう」「よつぼし」「すず」。
注目は今年新しく植えられた「すず」。聞きなじみのない品種もあった方が訪れた人が楽しめると考え、新しく取り入れたといいます。「すず」は優しい甘さで酸味控えめ。みずみずしく歯ごたえがあり、「あまおう」とは違ったおいしさを楽しめます。
イチゴ狩りは1~2月がおすすめ。要事前予約(土日のみ営業)ですが、当日空きがあれば案内可能です。※イチゴ狩りは平日、祝日休業
直売所の隣には農村レストラン「筑膳」があります。筑前町のお米を薪で炊いた羽釜ご飯を楽しめます。席数は約60席。
炊きたての羽釜ご飯と一緒に、筑前煮などの小鉢をビュッフェ形式で楽しめます。提供メニューは、全て地元のお母さんたちによる手作り。人気メニューは「筑前煮」で、懐かしさを感じる“おふくろの味”が楽しめます。そのほか旬の野菜を使った小鉢も好評◎。リピーター客の利用が多いそうです。
さらに、2月28日(金)までは「蒸し雑煮」(300円)を提供中。「蒸し雑煮」とは、筑前・朝倉エリアに伝わる正月料理。餅などの具材がたくさん入った茶碗蒸しのような雑煮です。同地区ならではの郷土料理をこの期間に味わってみませんか?
「週末は多くの人でにぎわいます。ゆっくり買い物を楽しみたい人は平日がおすすめ♪」とスタッフの長沼さんと肥山さん。
道の駅 筑前みなみの里
住所 福岡県筑前町三並866
電話 0946-42-8115
営業 9:00~17:00
定休 第3水曜
駐車場 小型205台、大型4台、身障者用4台
交通 九州自動車道筑紫野ICから車で約30分
朝水揚げの魚を漁師が直送 年間来場者は約170万人!【道の駅むなかた】
2008年4月に開業し、2023年8月にリニューアル。毎朝、約600人の出品者から海産物、農産物、加工品など、宗像の海の幸・山の幸が届きます。
JAF「イチオシ道の駅グランプリ」で3年連続(21、21、23年)1位を獲得し殿堂入り。言わずと知れた人気店です。メディアの取材や近隣道の駅、海外からの視察も舞い込みます。
朝水揚げされ、漁師が直接持ち込む魚介はとにかく新鮮。1月ごろは、脂が乗って風味が増した天然のブリが揚がります。
海がしけていると入荷がありませんが、鮮度を大切にしている証拠。消費者の安心にもつながっています。入荷状況が毎日ホームページにアップされるのもありがたい点です。
干物も売れ筋商品。アジ、サバ、タイ、イワシ、イカ…季節によって多彩な魚種がお目見えします。鮮度が高いため、独特の臭みがほとんどありません。
宗像・大島のワカメを使ったオリジナル商品がおすすめです。「わかめドレッシング」(580円)は2日で1,500本売れたことがある商品。野菜はもちろん、魚にかけるとカルパッチョに。肉や豆腐との相性も良い万能ドレッシングです。
「天然葉わかめ入りのり佃煮」(400円)は歯応え、香りともに格別。大島産ワカメの特長を存分に堪能できます。のり、しその風味も相まってご飯が進む逸品です。
平日は約2,000〜3,000人、休日は約5,000〜6,000人、年間170万人が来店するといいます。開店前から並ぶ料理人の姿もあるそうです。
東館に昨年オープンした花き園芸と工芸雑貨のお店「higoro(ひごろ)」にも注目を。毎朝、花農家から直送される四季折々の花が彩る華やかな雰囲気のお店です。「花きの取り扱いを増やしてほしい」との要望を受けて開店したといいます。
野菜の苗、多肉植物、アレンジメント商品も取り扱い。木やガラスの器といった地元アーティストの工芸品も並んでいます。
子どもの遊び場所になる休憩所「リリールーム」や授乳室も備わっているので家族連れにも安心。釣川から海岸を臨む展望デッキ、机と椅子が設置された「くつろぎホール」もあります。
釣川沿いの海が見晴らせる場所で車中泊が楽しめる「RVパーク」も完備されています。店内で購入した食材をキャンピングカー内で調理したり、バーベキューしたり。テントを張ることも可能で楽しみ方が広がります。遠方からの予約が増えているそうで、利用区画を拡大予定です。
昨年3月に開設された公式YouTubeチャンネルもチェックしてください! 宣伝隊員のたえちゃんとゆみちゃんが「道の駅 むなかた」を和気あいあいと紹介したり、他の道の駅に突撃したり。「道の駅」の魅力が詰まっています♪
「楽しく買い物してもらえる環境づくりを心掛けています。見るだけでも楽しいので、一度とはいわず何度も来ていただけたらうれしいです!」とプロモーション担当の小田妙子さん。宗像の恵みが織りなす食や自然を存分に満喫できる道の駅です。
道の駅 むなかた
住所 福岡県宗像市江口1172
営業 9:00~17:00
定休 毎月第4月曜(祝日の場合は翌日) 8月15~17日、12月31日~1月5日
電話 0940-62-2715
駐車場 約500台
交通 九州自動車道古賀IC、若宮ICから車で約30分
道の駅 むなかた 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCSpmFds0ZgyTieyiqmsYaqQ
道の駅 むなかた 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/michinoeki.munakata/