北海道や東日本を中心に発掘された土偶(どぐう)や埴輪(はにわ)など30遺跡の出土品が展示される「発掘された日本列島2024」が、1月5日(日)~2月16日(日)の会期で、大野城心のふるさと館(大野城市曙町)で開催されています。今回で開催30周年を迎える同展は、全国各地で掘り出された貴重な出土品を展示し、日本列島に生きた人々の歴史や文化を感じることができる絶好の機会となっています。ぜひ今回の特別展を通じて、古代の日本を旅するような体験を楽しんでください。
全国各地の遺跡からの貴重な発掘品
1月5日(日)から大野城心のふるさと館で開催されている「発掘された日本列島2024」は、1995年から日本各地を巡回し、今回で30周年を迎えます。
全国で毎年約8,000件の発掘調査が行われていますが、その成果を直接見る機会は限られています。今回の特別展は、近年発掘調査が行われた全国の遺跡で特に注目された出土品を中心に展示し、埋蔵文化財に親しみ、その保護の重要性を理解することを目的としています。
北海道や東日本を中心に、遺跡から発掘された土偶や埴輪をはじめ、全国から集められた約540点の出土品が展示されます。
主な展示品と注目ポイント
今回の特別展の展示品の一部と注目ポイントをご紹介します。
全国から集められた約540点の出土品の中から、お気に入りの展示品を見つけてみてはいかがでしょうか。
盛装する女子像埴輪(群馬県・赤堀村120号墳)
島田髷と呼ばれる女性特有の髪型と耳飾り、首飾りが表現されています。
鶏形埴輪・人物埴輪(群馬県・赤堀茶臼山古墳・赤堀村104号墳)
今回の特別展で注目すべきこととして、「発掘された日本列島2024」開催期間中に、九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)で特別展「はにわ」(2025年1月21日~5月11日)が開催されます。
「発掘された日本列島2024」で展示される、赤堀茶臼山古墳の資料や赤堀村104号墳の埴輪が、九州国立博物館の「埴輪展」でも展示されるので、あわせて鑑賞してみてはいかがでしょうか。
2つの展示会を鑑賞することで、出土品や古代の歴史に関してより深く学ぶことができます。
「発掘された日本列島2024」では、赤堀茶臼山古墳出土の「鶏形埴輪」、赤堀村104号墳の「人物埴輪」が展示されます。
石刃・石刃核接合資料(北海道・ピリカ遺跡)
頁岩製の30cm以上の長大な石刃と石刃核が接合した資料です。石核の打撃部には丁寧な調整が施され、長大な石刃の打ち割りに必要な力を一点に集中させる高度な技術が見られます。その製作方法は現代の研究者にも再現が困難なもので「石刃剝離技術の頂点」と評されています。石を熟知していた旧石器時代の人々の高い技術力をうかがい知ることができる資料です。
タマサイ(北海道・大川遺跡)
大川遺跡は縄文時代から近世アイヌ文化期までのお墓を中心とした遺跡です。タマサイとはアイヌ文化独特の形態をもつガラス玉で構成された首飾りのことで、本例は、近世アイヌ文化期のお墓から漆器や刀子、ニンカリとよばれる耳飾り、古銭などと共に出土しました。
ベルギー産軟質磁器皿(埼玉県・栗橋宿関連遺跡群)
ヨーロッパで流行した、「ウィロウ・パターン」とよばれる東洋の風景画をイメージした文様が描かれています。裏側にはベルギーのボッホ・フレール社の銘があり、19世紀後半に製作されたベルギー産の器であることがわかる遺物です。幕末期に、ヨーロッパ産陶磁器が地方宿場町にも流通していることを示す事例として重要です。
関連イベントの紹介
今回の「発掘された日本列島2024」の関連イベントが開催されます。地域展や講演会など、楽しく学べる機会をお見逃しなく!
【観覧者限定特典】掘る掘るみくじ
心のふるさと館オリジナルの、ちょっと変わったおみくじ。2025年は開運まちがいなし!
●期間:2025年1月5日(日曜日)~2月16日(日曜日)
●参加費:無料
※特別展観覧料が別途必要
ギャラリートーク
文化庁の講師を招いてのギャラリートークが開催されます。イベント当日は、特別展観覧料が必要です。
●日時:2025年2月1日(土) 14:00~ ※1時間程度
●講師:大澤 正吾さん(文化庁 文化財第二課埋蔵文化財部門 文化調査官)
●会場:3階企画展示室、2階特設会場など
●参加費:無料 ※別途当日の特別展観覧料が必要
●申し込み:不要 ※3階企画展示室前のホワイエに集合
講演会「発掘された日本列島2024」展のみどころ
「発掘された日本列島2024」に関する講演会が開催されます。文化庁の展示担当者が、今回の展示のみどころについて解説します。
●日時:2025年2月2日(日曜日) 10:30~正午
●講師:大澤 正吾さん(文化庁 文化財第二課埋蔵文化財部門 文化財調査官)
●テーマ:「発掘された日本列島2024」の見どころ
●会場:大野城心のふるさと館 M2階 講座学習室
●定員:80人(※応募者多数の場合は抽選)
●参加費:無料
●申込方法:申込フォーム・FAX・はがき・総合案内窓口
●申込期間:2025年1月5日(日曜日)~1月19日(日曜日) 19:00必着
●抽選結果等のお知らせ:後日メール等で当落等についてお知らがあります。
【地域展】日本遺産「西の都」成立前夜の国際交流
大野城市の善一田古墳群・王城山古墳群で出土した新羅土器などを中心に展示し、「西の都」=大宰府成立前夜の国際交流の姿に迫ります。
●会場:大野城心のふるさと館 2階特設会場
「発掘された日本列島2024」詳細
日本全国各地の発掘成果が大集合! 開催30年記念の「発掘された日本列島2024」を通じて、古代の歴史の旅へと出かけてみてはいかがでしょうか?
●開催期間:2025年1月5日(日曜日)~2月16日(日曜日)
●開場時間:9:00~17:00(※入場は16:30まで)
※休館日:月曜日(月曜日が祝日、振替休日の場合、翌平日)
●住所:福岡県大野城市曙町3丁目8-3
●会場:大野城心のふるさと館 3階企画展示室 2階特設会場 1階特設会場
●観覧料:一般400円(※350円)/ 高校生以下無料
※ここふる友の会会員料金、20名以上の団体料金
●問い合わせ先:心のふるさと館ミュージアム担当
電話:092-558-5000
ファクス:092-558-2207
メール(問合せ専用):cocofuru@city.onojo.fukuoka.jp
提供:大野城心のふるさと館