三つの海に面した福岡県。豊富な海の幸に恵まれている半面、海岸には河川から流出したプラスチックごみやポリタンクなどの危険な漂着物が多く見られます。福岡県では、“海のごみ”について考え、プラスチックごみ削減に向けて行動するきっかけとしてもらうため「クリーンアップ大作戦」を実施中。その活動はクリスマスイルミネーションでにぎわう街の彩りにもつながっています。
福岡県の海の“プラごみ”の現状
私たちの暮らしに欠かせないプラスチック製品はその役割を終えるとプラスチックごみ(プラごみ)になりますが、ポイ捨てなどで適切に処分されなかったものの多くは最終的に海へと流出します。プラスチックは小さくなっても自然に分解されません。5㍉以下のマイクロプラスチックは、海洋生物が餌と間違えて食べるなど生態系に大きな影響を与えています。
このままの状況が続くと、2050年には海中の魚の総重量をプラスチックが上回るともいわれています。
みんなでスポGOMI!を通して“海のごみ”を回収
スポGOM(I スポーツごみ拾い)とは、社会奉仕活動の「ごみ拾い」に「スポーツ」の要素を取り入れて「競技」へと変換させた日本発祥の新しいスポーツ。チームでごみを拾い、制限時間内に集めたごみの種類と量でポイントを競います。
9~10月に福岡県の3海岸で実施された「みんなでスポGOMI!福岡県ビーチクリーニング大会2024」には合計92組281人が参加し、450. 32㌔のごみを回収。回収したごみはクリスマスオーナメント作りに活用されました。
【参加者の声】
●こんなにごみが捨てられているのかと驚き、拾う大変さやポイ捨てした後の厄介さがよく分かった
● マイクロプラスチックが思った以上に多かった。必要以上にプラスチックを使わない取り組みができればいいと思う
● 海岸を見渡してもごみがなさそうに見えたけど、よく見ると小さなごみがたくさん落ちていて驚いた
● 細かいごみが途方もないくらいあり、魚がのみ込んだら大変だなと思った
● ごみ拾いをスポーツにすることで楽しめた
“海のごみ”からみんなで作ったクリスマスオーナメント
11月23日(土)、福岡市中央区の天神中央公園で、「みんなでスポGOMI!福岡県ビーチクリーニング大会2024」の3会場で回収した海岸漂着物などでクリスマスツリーのオーナメントを作るワークショップが開催されました。ペットボトルのキャップなどの海岸漂着物をワイン用プラカップに付けて色を塗りオーナメントを作成。“海のごみ”から綺麗なクリスマスツリーがつくれました。12月25日(水)まで天神中央公園(クリスマスアドベント 光のフォレスト内)で見ることができます。※北九州市小倉北区の紫川親水広場で開催中のKOKURAクリスマスマーケット&キャッスル内でも同様にワークショップが開催され、12月25日(水)まで“海のごみ”から作られたクリスマスツリーが設置されています。
身近な「ごみ」からクリスマスツリーに再生
「2013年に海岸漂着物や廃品を活用した創作活動を始め、18年から福岡市を拠点に活動しています。22年から一般社団法人イドベタと共に取り組んでいる『Gyomo海のクリスマスツリー』は、特に『漁網』に焦点を当て『ごみ』とされたモノを新しい命としてよみがえらせることで環境問題への警鐘を鳴らしています。今回、福岡市のクリスマスアドベント会場に展示するツリーの骨組みも廃材を再利用したもので、ツリーの中央にはかつてクリスマスアドベントを飾ったトナカイと、再生された海洋プラスチックを活用し、過去最大5mの制作となりました。ごみとされたモノが生まれ変わる様子を通じて、環境問題への意識を高め、希望に満ちた未来への扉が開くことを目指しています」
ワークショップの様子をリポート~海岸漂着物が輝くオーナメントに~
11月23日、福岡市中央区の天神中央公園で、「みんなでスポGOMI!福岡県ビーチクリーニング大会2024」の3会場で回収した海岸漂着物などでクリスマスツリーのオーナメントを作るワークショップが開
催されました。ペットボトルのキャップなどの海岸漂着物をワイン用プラカップに付けて色を塗りオーナ
メントを作成。参加した服部誠太郎知事はごみがアート作品に変わる様子に驚いていました。
ワークショップの後には、アーティストのしばたみなみ氏による海岸漂着物や漁網、工場の廃材の鉄筋を活用したツリーにオーナメントを飾り付け、点灯式を実施。参加者からは「きれいに輝いてうれしい」
などの声が上がっていました。
海ごみで作ったクリスマスオーナメント展示
展示期間:12月25日(水)まで
場所:●クリスマスアドベント 光のフォレスト…天神中央公園(福岡市中央区)
●KOKURAクリスマスマーケット&キャッスル…紫川親水広場(北九州市小倉北区)