今年の夏は猛暑の予感…。外出自粛もしなくちゃいけないこのご時世、楽しい読書の時間で気分転換はいかがでしょうか。この時期に読みたい9冊を紹介します!
「5分で論理的思考力ドリル ちょっとやさしめ」【学研プラス】
ソニー・グローバルエデュケーション/著
小学校のカリキュラムにプログラミング教育が組み込まれるようになりました。社会に出てからも、AIが発達した中で暮らすことは、この先避けられません。仕事はもちろん日常の場面でも、論理的思考が求められる場面が増えてきます。論理的思考ができれば、勉強に役立つだけでなく、疫病や災害など社会が混乱しているときにも、冷静に正しい判断ができるでしょう。この本はドリル形式で、子どもから大人まで思考力が鍛えられます。
「トーキング・トゥ・ストレンジャーズ」【光文社】
マルコム・グラッドウェル/著、濱野大道/訳
自分の思い込みをショベルカーでひっくり返されたような衝撃を受けました。著者は世界中で人気のコラムニスト。明快な文章で、「いかに人間は他人を理解することが苦手か」ということが、実際の事件や社会科学の理論をもとに暴かれていきます。本書の内容とも関係の深い「ブラック・ライブズ・マター」の波が世界中に広がり、SNSをきっかけとした痛ましいニュースを日本でも頻繁に目にする現在、広く読まれてほしい一冊です。
「トヨタ チーフエンジニアの仕事」【講談社】
北川尚人/著
商品開発や新規市場開拓に苦労しているビジネスパーソンは多いことでしょう。常に新しいアイデアで大きな利益を生むGAFAなどをうらやましく思っているかもしれません。しかし、そのGAFAがお手本にしているのがトヨタだということを知っていましたか。トヨタは品質管理だけでなく、商品開発においても優れた仕組みを持っているのです。その「CE制度」について、当事者だった著者がこと細かに解説してくれています。
「働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ」【小学館】
落合陽一/著
AIやビッグデータ、IOT等により仮想空間と現実空間がますます融合している今、自分ではアプリやSNSを使いこなしているつもりでも、果たしてその仕組みまできちんと理解しているでしょうか? 便利さだけを享受していたら、いつのかにかシステムに従うのみの人間になってしまうかもしれません。本書にはデジタルの「魔法」をかけられる人から、かける人になるための方法が具体的に書かれています。ぜひ理解しておきましょう!
「美しく生きるヒント」【青春出版社】
小林照子/著
現在85歳の著者は、「人生の四季」と呼ぶ寒い冬や輝ける夏などをいくつも乗り越えてきました。美容部員から会社役員まで上り詰め、その後起業…といった人生の荒波をかき分けて進んできただけあって、強く優しく本当の意味で美しい! 長い人生経験からくる35の言葉は、きっと心に元気をくれるはずです。なんだか毎日がうまくいかなくて悩んでいるなら、ぜひ手に取ってみてください。言葉がすんなり心に響く優しい文章です。
「セブンズ!」【双葉社】
五十嵐貴久/著
ラグビー・ワールドカップに魅了された人には、きっとたまらない一冊。15人制、男女の違いはあれど、「ノックオン」や「スクラム」など知っている単語が出てくるため、「セブンズ」を身近なスポーツとして感じられ楽しく読めます。とは言え、過酷な練習模様には手に汗握るものがあります。厳しい練習を乗り越えてグラウンドに立つ選手の姿を、リアルでも応援したいと思わせてくれる作品です。
「人生に必要な教養は中学校教科書ですべて身につく」【中央公論新社】
池上彰、佐藤優/著
あなたは自分が中学生より「もの知り」だと思いますか? 例えば、2020年1月13日に麻生大臣がした発言に、今の中学生なら疑問を持つだろうという話がこの本に出てきます。語っているのは、池上彰と佐藤優の2人。現代日本を代表する「もの知り」の彼らですら、知らないことが今の中学の教科書には載っています。それも、試験勉強のためでなく現代生活に不可欠の知識として。その実例を豊富に紹介してくれている本です。
「桔梗の旗」【潮出版社】
谷津矢車/著
明智光秀・十五郎(光慶)父子の物語を十五郎、佐馬助(秀満)の立場から描いた物語。重厚な歴史小説でありながら、十五郎のライバル的立ち位置となる長岡忠興と佐馬助の一騎打ちや、光秀と妻木殿の微妙な関係、主従でありながら夫婦でもある佐馬助と亀姫のエピソードには、サスペンスのごとき緊張感、純愛小説のようなロマンティックさがあふれています。新たな「明智光秀像」に酔いしれていただきたいです。
「農家・農村との協働とは何か」【農文協】
日本農業普及学会/著
食糧自給率が低い日本にとって、農業は私たちがこれからも生き延びていくために大きなポイントとなる産業に違いありません。しかし、その現状は決して明るいものではないようです。農業の生産性を上げ、農村を維持していくためにさまざまな方策がとられていますが、この本では農業を取り巻くいろいろな人たちの「協働」が提案されています。農業の現場から「協働」の本質とノウハウを詳しく教えてくれる本です。
盛りだくさんな内容でお届けしましたが、お気に入りの一冊は見つかりましたか? 来月もお楽しみに~。