大学時代に付き合っていた彼氏に焼きそばを作ろうとしたときのこと。私が用意した材料を見た彼氏は突然怒り始めました。その直後、母親の料理を貶されたと勘違いした彼氏に、とんでもない行動を起こされることになったのです。
料理上手な母親を好きすぎる彼氏

私は大学生の頃に1歳年上の彼氏と付き合っていました。彼氏の母親は定食屋さんで調理の仕事をしているらしく、
「おかんの料理めちゃくちゃウマいんだよね」と何度も母親を褒める彼氏。
他にも母親の誕生日は早めにデートを切り上げられたり、デートのたびに母親へのお土産を買っていたりしてマザコンっぽいなと感じることがありましたが… 初めての彼氏だったということもあり、母親想いなんだなと思うことにしていました。
彼氏のために手作り焼きそばを

彼氏が家に遊びに来たときに、焼きそばを作ろうとしたことがあります。麺や野菜、豚肉などの材料を冷蔵庫から出していると、後ろから彼氏に
「普通ちくわを入れるでしょ」と言われることに。
私はちくわが入った焼きそばを食べたことがありません。
「お肉を入れることのほうが多いんじゃない?」と思ったことを素直に口に出したのですが…
「バカにするのか!!」と彼氏は激怒していました。
準備していた食材を壁に投げつけられ…
なぜそこまで怒るのか分からない私が戸惑っていると、
「うちのおかんは絶対にちくわを入れる! ちくわを使うおかんのことバカにしてるのか!」そう怒鳴った彼氏は調理台にあったパックの豚肉を掴み、なんと壁に投げつけたのです。すでにラップを外していたので、壁にダイレクトに豚肉が…。
彼氏はまだ「豚肉を使うほうがおかしい! おかんが正しいんだ!」と怒っています。目の前には床に落ちた豚肉とくっきり赤い跡がついた壁。自然と
「ここは誰の家で誰が買った肉だと思ってんの?」と口から出ていました。普段怒ることがなかった私の冷たい声に、さすがにダメなことをしてしまったと気づいた様子の彼氏。
「ごめん」と謝る彼氏を無視してキッチンを掃除し、洗った豚肉で焼きそばを作りました。
彼氏はずっと後ろでソワソワしていましたが、口をきくのも嫌で無言で作業を続けます。焼きそばが完成しましたが、投げつけられた豚肉が入っている焼きそばを食べる気にはなれません。
「責任持って全部食べて」と渡すと、彼氏は文句を言わず食べ始めました。完食したのを見届けて、その日は帰ってもらうことにしたのです。
食べ物を大事にしない彼氏に冷めた私

それまでマザコン疑惑には目をつむっていましたが、食べ物を大事にしない人なんだと分かったことで、彼氏への気持ちが一気に冷めました。冷めていたものの大学生の私は
「男の人ってみんなこうなのかも」とすぐに別れを決めることができず、そのまま社会人になっても交際。
反省したのか彼氏が食材を投げることは1度きりでしたが… デート中に私の体調が悪くなり、薬を買って帰ろうとしたときに
「今俺に風邪がうつって、母親にうつしたら大変だから」と彼氏はさっさと帰ったことがありました。フラフラする私ではなく母親を気遣う彼氏を見て、豚肉を投げつけられた件を思い出し 「この人と付き合うことはやっぱり無理だ」と別れを決めました。あれから10年ほど経ち、私には息子がいますが、マザコンと食べ物を粗末にするような子にはしたくないと思いながら育児をしています。
(ファンファン福岡公式ライター/水素)


