4月に新卒の保育士Sさんが入ってきました。Sさんは研修もかねて3月下旬から幼児クラスの補助としてお手伝いをし、4月に入り、2歳児クラスに配属されたのですが、言われたことを学ぼうとしないSさんの姿勢に嫌になる先生が増えていったのです。
言ったことを理解していない新人

4月に2歳児クラス配属された新卒の先生Sさん、最初はトイレ掃除やオムツの準備など簡単な仕事しか任されなかったのですが、担当している仕事にも少しずつ慣れ、仕事ではメモをきちんと取り、クラスの先生に引継ぎすることも増えました。その結果、少しずつ毎月の壁面製作や七夕飾りの準備などクラスの製作準備を任されるようになりました。
ある日、2歳児クラスの担任から1人1人の子どもに沿った計画書を紙に書くよう指示されたSさん。初めての事もあり、名前の漢字や年齢が違っていたりと間違いだらけでした。担任が書いている内容を確認し、再び書きなおすよう指導しましたが3回~5回ほど直しても計画書に必要な情報が反映されず変化が全く見られませんでした。
新しいことは覚えても過去教えたことは…

他のクラスの担任に相談しながらも新人指導に丁寧に対応していた担任でしたが、何度直しても変わらない個別指導計画書の確認・指導に疲れてしまい、上司に相談することに。
上司が個別指導計画書について、1人1人の子どもに対して今何が出来なくてこれからどうなって欲しいのかなど、何を書けばいいのか丁寧に説明し、翌日持ってくるように伝えました。
しかし、持ってきたのは今回直した部分のみ、担任の時に直した部分は忘れ、面談前とあまり変わらない計画書になっていたのです。上司から
「担任の時に直してもらったところはどうしたの? 変わって無いけど…」と聞くと、
「あぁ! そこもだったんですね。そこは今回言われなかったんで必要ないと思いました!」と答えていました。
その言葉に、近くにいた多くの職員が
「え… うそでしょ…。今までのやりとり何だったの」とSさんの言葉に驚きと同時にどうしてその言葉が出てきたのか、なぜ今までの担任や上司の話から少しも学んでないのかも含め、いら立ちが募りました。普通は過去に直してもらった部分も含めて書き直しますが、Sさんは過去に直してもらったものと今回直してもらったものは別という認識だったのです。
何度も書類の訂正のやり取りを繰り返し、全ての指導計画書の内容がよくなった時には、担任と上司は普段の業務もこなしながら指導計画書の確認を何度も繰り返していたので残業も増え、疲れ果てていました。
個々に合わせた対応が必要だった
今回の件で、新人1人1人の保育士と密にコミュニケーションを取ることが大事だと学ぶことが出来ました。“きっとできるだろう”と決めつけるのではなく、“もしかしたら理解していないかも?”を考えながら新人保育士と関わっていく必要があると学びました。
例のSさんは、ブランコから落ちてけがをした子どもの状況・経過を担任に詳しく報告できていないことを、担任から
「どうして細かく子どもの状態、状況を話した保護者の反応について担任の先生に伝えなかったの?!」とこっぴどく怒られた後、保育士業務に慣れなかったということもあり現在は職場を休んでいます。
園長に対して電話もしてないようで現在の彼女はどうしているのか誰も知りません…。もしかしたら、やめたのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター/音寝)


