元放送作家のきむ兄が福岡に惚れ込み42歳で移住しちゃった話

福岡は住みやすい!街への自負の強い福岡市民のそんな魅力を、実際に移住してきた元放送作家・きむ兄がひもといてくれる新連載がスタート!「そうそう、確かにそういうところあるよね、福岡」と思えるエピソードから、「へぇ~、福岡ってそうなんだね」と県外の人に思ってもらえるネタまで、種々とりどり、様々な角度から福岡をとらえてもらいます。

目次

飲み会きっかけで初福岡 東京から移住するまでの経緯

はじめまして。木村公洋(きみひろ)と申します。43歳独身です。2020年11月に東京から福岡に移住してきました。東京にいたころは、15年ほど「放送作家」をしていました。主な仕事はテレビ・ラジオの企画や構成を考えたり、進行台本を書いたりすることです。

担当していた報道番組のスタジオにて

移住のタイミングで放送作家を辞め、現在は中小・ベンチャー企業のPRに関するアドバイスや企画・分析・戦略構築のほか、ライター・インタビュアー、日本語やコミュニケーションに関する講座も展開しています。

初めて福岡にやって来たのは2018年12月。東京に住む起業家の友人が「今度、福岡の面白い経営者が集まる飲み会を開くんだけど、来ない?」とお誘いを受けたのがきっかけでした。

この飲み会の時に、連れてきてもらった櫛田神社境内の山笠にびっくりしたことは今でも忘れられない…
まさか1年中、山笠を拝むことができるなんて!

手前味噌ですが、フットワークの軽さには自信があるので「行く!」と即決、飲み会に参加しました。この飲み会がなかったら、福岡に移住してなかったと思います。この飲み会で出会った方々と仲良くなり、半年に一度くらいの割合で福岡に遊びに行っておりました。

オンライン中心の生活に「東京で暮らす意義って?」

移住を本格的に考えはじめたのは2020年春。放送作家以外の仕事や打ち合わせが、コロナ禍になってからほぼ全てオンラインで完結するようになってからです。

当時の僕は、東京都中央区勝どきにある1Kのマンションに住んでいました。家賃は11万円。テレビ局やラジオ局が近く、新橋や築地で飲んで帰ってもタクシーで気軽に帰ることができるという理由で勝どきを選びました。

福岡に例えると、FBSとKBCが近く、天神や大名で飲んでもタクシーで帰れる薬院を選ぶ感じです。

しかし、対面での取材や飲み会がなくなり、家とコンビニ・スーパー、生放送の現場に行くだけの毎日に。次第に溜まっていくストレスに、メンタルも落ち気味になっていました。

そんなメンタルが上がったきっかけは、取材やリサーチを通じて過去の疫病を調べていくうちに「なるほど。この状況はあと2〜3年は続く。この生活様式を受け入れるしかないんだ」と腹をくくれたことです。

そのとき初めて「東京で暮らす意味と意義」を考えました。僕は6歳のときに父親の転職の都合で北海道から上京し、35年近く東京(一時期は千葉や埼玉に)で暮らしていました。

ちょうどその頃、地域を盛り上げようと活動している人を取材する機会を多く頂きました。地域活性化や地方創生に関連する記事を執筆する中で、「仕事はほぼオンラインなのだから、東京を離れる選択肢もアリだな」と感じるようになりました。

移住に関するリサーチをするうち、挙がった街の1つが福岡市でした。移住するとしても、僕はずっと東京、しかも23区に住んでいたので、田舎暮らしは厳しいと感じたんです。しかも、僕は車の運転免許を持っていないので、車社会の町では生活が難しいと思いました。

この頃には福岡市内で暮らす友人が数人いたので、移住に関する相談もしました。空港へのアクセスのしやすさ、街のコンパクトさ、市内を離れるとたくさんある豊かな自然、友人たちの話を聞くうち、だんだんと移住への気持ちが高まっていきました。

「これはもう移住しかないな」仕事柄、ネタを探したり面白いことをしたりするのが好きだったので、「福岡に移住する!」と言えば、僕の周りの人は驚くに違いないと思いました。放送作家としての未来が描けなかったこともあって、このタイミングでの移住も自分の背中を押してくれているような気がしたんです。

そして僕は、2020年7月に「放送作家を辞めます」と関係各所にお伝えし、3ヶ月ほどかけて移住の準備をしました。

物件情報サイトで平均家賃を調べたり、東京から福岡までの引越にかかる費用を調べたり、仕事の合間を縫って情報を集めました。オンラインで内見ができる不動産会社もあり、便利だなと思いました。

でも、周辺環境も見ておきたかったので2020年10月に福岡に行き、友人に紹介してもらった不動産会社に賃貸物件を紹介してもらいました。

候補に挙がったのは薬院、警固、中洲、清川など5つほどの物件。1泊2日で一気に見て回る中で「空港線の駅が近い」「天神に歩いて行ける」など優先順位を並べ、最終的に中洲の物件に決めました。

春吉橋にて。移住前からチューリップの名曲「博多っ子純情」が好きで、
歌詞に出てくる春吉橋での撮影を懇願して撮影してもらった

移住は決めたものの、不安も残りました。これまで付き合ってくれた福岡の友人たちは、僕のことを「東京からのお客さま」として接していて、移住したら冷たくなるんじゃないか。

東京での仕事もオンラインでできているけど、「きむ兄は福岡に行っちゃったからコンタクトが取りづらい。一緒に仕事しづらいなぁ」と思われたらどうしようと。

ただ、もう決めたからには楽しむしかない。そんな気持ちで東京から福岡の片道切符を持って羽田を飛び立ちました。飛行機の中では、不安よりも新生活へのワクワク感が勝っていましたね。

住んでみて分かった 福岡のポテンシャルの高さ

定期的に遊びに来ていた福岡ですが、実際に暮らしてみると街のポテンシャルの高さを感じずにいられません。「みんな移住してくればいいのに」と思うほどです(笑)

まず、東京と比べていろんなコストが下がりました。特に大きく下がったのは移動コストと生活コストです。

東京で友人とランチをするときは、銀座、中目黒、六本木などでセッティングをしていました。勝どきから中目黒まで電車で30分かかるので、余裕を持って1時間前には家を出ていました。福岡に例えると、中洲に住んでいる僕は毎回久留米あたりまででかけるイメージでしょうか。

やかんにうどんが入った状態で提供される「あかちょこべ」。
あまりの衝撃に知ってすぐに足を運んだ

しかし、福岡の友人とランチするときは、ほぼ全て徒歩圏内(15分以内)のお店です。天神、大名、中洲、今泉でランチするのがほとんどで、移動も楽です。しかも、福岡の人はだいたい自分のお気に入りのお店があるので、いつも美味しいランチを堪能しています。

福岡の高いポテンシャルの1つ「空港と都心部が近い」も実感しています。寝坊して9時に起きて9時50分の飛行機に乗れたときは「移住してよかった」と感じました(笑)

自宅の家賃は安くなり、部屋が広くなりました。家賃は11万円から7万円に、部屋は25平米から35平米になりました。

不動産屋さんは「市内でもこの家賃は高い」と言っていたので、同じ平米ならもっと安い家賃の部屋はたくさんあります。市内の不動産屋の物件募集を見ると、東京23区で最も安い家賃と言われる東京都足立区よりも安い物件も多いんですよ。

いまはコロナ禍なので控えていますが、飲み会で「終電」という概念はなくなりました。タクシーの料金設定も東京より安いので、1,000〜2,000円で帰宅できます。これは今でも驚いています。タクシー会社の経営は成り立っているのかと…汗

移住は大正解 本気の福岡を早く見たい

移住して10ヶ月ほど経ちましたが、心の底から移住して良かったと思っています。

良かったと感じている最大の理由は「フクオカ時間」を感じながら生活できていること。振り返ってみると東京の時間はかなり早く流れていて、福岡は東京と比べて7割くらいの時間の流れだと感じています。友人から「表情が柔らかくなったね」と言われます。

契約している大名のコワーキングスペースで作業している様子

とはいえ、東京には定期的に足を運んでいます。友人たちとの交流で情報を得るのが主な目的で、そこから発展して一緒に仕事もします。僕は東京が嫌いになって移住したわけではないので、「トーキョー」というツールを上手に使いこなしながらこっちでの生活を満喫したいと思います。

と、福岡LOVEな文章を綴っていますが、実は福岡以外の移住先候補もあったんです。神奈川県小田原市と静岡県熱海市です。両方とも東京から新幹線で1時間以内(小田原は約30分、熱海は約40分)で行けるし、自然もそれなりにあるなと思って物件や街の情報をリサーチしたんです。

でも、調べれば調べるほど、福岡のほうがいいなと思いました。小田原も熱海も悪くはないけど、駅の近くにあまり良い物件がなかったのと、街の活気は福岡にはかなわないなぁと。福岡の街の活気は、僕から見れば東京と比べても遜色はないし、小田原や熱海よりも「街を丸ごと楽しめる」と感じたんです。

ただ、僕は移住してからまだ福岡の本気を見ていません。山笠やどんたくといったお祭り、屋台の活気ぶり。少なくとも活気ある本当の福岡を見るまでは福岡を離れるつもりはありませんので、福岡の方々、どうか仲良くしてくださいませm(__)m

文=きむ兄(木村公洋)

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※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

成長する地方都市 #福岡 のリアルな姿を届けます。福岡のまちやひと、ビジネス、経済に焦点をあて、多彩なライター陣が独自の視点で深掘り。 「フクリパ」は「FUKUOKA leap up」の略。 福岡で起こっている、現象を知り、未来を想像し、思いをめぐらせる。 飛躍するまちの姿を感じることができると思います。 https://fukuoka-leapup.jp

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