スーパーへ買い物に行くと、目を離した隙にいなくなったり、お会計前のジュースにストローをさしたりと何かしらの問題をおこす息子。ある日、そんな息子がスーパーで見知らぬ女性にとった衝撃の行動! 「やめてー!」と大声で叫び、息子の将来が心配になった、今でも忘れられないエピソードです。
パワー有り余る3歳児

有り余るパワーを持つ3歳の息子を連れて買い物に行くことは、ひと仕事です。走り回ったり、一瞬でいなくなってしまったりで、周囲へ迷惑をかけてしまう気持ちと息子の安全面を心配して、毎回ぐったりしてしまいます。
息子のエネルギーを少しでも消費させるために、まずは公園で思いっきり遊ばせてから買い物に向かうのが私のルーティン。
公園では滑り台に何度も登ったり、ボール遊びなどをして一緒に過ごします。3歳児との本気の遊びは、私の体力がついていかない時も…。
息子の笑顔を見るたびに、
「この時間が幸せ!」と感じつつ、買い物では何事もなく帰れますようにと祈ることも、もう一つの私のルーティン。
息子がいなくなった!

その日もいつも通り、公園で遊んでからスーパーへ。
スーパーでは、息子がどこかへ行かないように必要な商品を、
「これはバナナだね~」などと話しかけながら、買い物かごに入れていきました。
「これはなーんだ?」との私の問いかけに返事がなかったので、振り返るとそこに息子の姿がありませんでした。
一瞬の隙を見ていなくなる息子。私は、
「しまった!」と思い、慌てて店内を探し回りました。
そしてついに息子を発見!
息子は私が店内を探し回っているときに、野菜売り場に戻っていたのです。そこで息子は、野菜を選んでいる20代くらいの若い女性のすぐ後ろに立っていました。
その瞬間、ホッとしたのも束の間。息子が何かを企んでいるような表情を浮かべているのが目に入りました。
悪魔のほほえみで見知らぬ女性に…!?

ニヤリと笑う息子。
「えっ? 何しているの?」とはじめは思いましたが、あの顔は息子がイタズラをする時の顔でした。
そして、嫌な予感は的中!
息子は、私が
「やめてー!」と叫ぶと同時に、両手を伸ばし、見知らぬ女性のお尻を「モギュウ!」と触ってしまったのです。
女性は、
「へっ!?」と小さな声を上げたと同時に、驚いて振り返りました。
息子は、私の方を見てニヤリと笑って逃げ出す始末。私は慌てて女性に駆け寄り、謝罪をしました。
女性は逃げ出した息子を見て笑顔で、
「大丈夫ですよ、お気になさらず」 と事なきを得ましたが、このような出来事は一度だけの話ではありませんでした。
「勝手に人に触ったらいけないよ。相手はびっくりしたり、嫌な気持ちになることもあるんだよ」と何度も息子に伝えましたが、未遂を含めると4回ほど同じようなことがありました。そして、その対象はいつも優しそうな女性だったのです。
「息子は大丈夫だろうか?」と将来が心配になり、夫はもちろんのこと、地域支援センターの先生にも相談をしました。支援センターの先生は、
「ふざけているだけで、お母さんの反応を楽しんでいるのよ。そんなに心配しなくても大丈夫よ」と言ってくれましたが、私の不安は消えませんでした。
今思えば、
「優しそうな女性で、怒られることはないと確信していた」「親の反応をおもしろおかしく楽しんでいた」と理解できます。
そんな息子の9年後

そんなとんでも行動をしていた息子は、現在12歳。あれから9年が経ち、春から中学生になります。
息子に当時の話をすると、顔も合わせずに
「もう、やめてよ」と恥ずかしそう。
今ではもうニヤリと悪だくみをする表情を見ることは、ほとんどありません。小学校の入学前後で、行動が落ち着き始め、それ以降だんだんと周囲の目を気にするようになりました。
現在の息子はとても恥ずかしがり屋で、学校では主張することが少ない、目立つことが苦手な少年です。
おとなしすぎて心配になることもありますが、中学校生活での息子の成長や変化を楽しみに、成人までしっかり見守りたいと思います。
当時は、息子の将来が心配で不安な日々でしたが、今では
「そんなこともあったな~」と、懐かしい私の大切な思い出です。
(ファンファン福岡公式ライター /いとう まな)


