二人の息子が乳幼児の頃、夫の2回目の海外駐在に家族で帯同することになりました。2回目の駐在ということで案外呑気な気分でいましたが、子どものインターナショナルスクールへの入園となると、親の英語力はバッチリじゃないとママ友付き合いは難しいかもしれないという気も…。わが家の初めてのインターナショナルスクール生活の行方はいかに?
初めてのインターナショナルスクール生活

私達一家が2回目のアジア圏駐在生活を始めたのは、長男が3歳・次男が生後半年の時でした。
子ども達は初海外生活でしたので、現地の生活に慣れ、英語よりも先に現地語をマスターした時点で、教育熱心な「インターナショナルスクール」に子ども達を順次入園させました。
「わが子達の英語力はネイティブ並に!」という親心を込めて、私はアジア特有の大渋滞の道のりを毎日せっせと送迎していました。
入園後、特に長男はそれぞれの国柄の文化・宗教的背景の違いなど、子ども同士の会話から「みんな違ってみんないい」を自然に体現するような、頼もしい毎日を過ごしていました。
初めての外国人のママ友⁉

駐在当初は私の語学力の問題もあり、外国人ママ達とも笑顔で挨拶するのがせいぜい。それでも、
「ま、友達なんてできる時はできるさ」と日々の子育てに追われていたある日、突然そのご縁はやってきました。
その日は長男のクラスの「ウォータープレイデー(水遊びの日)」で、スタッフ不足の穴埋めのために保護者が手伝いに行く、というイベントでした。
そこで、
「日本人ですか?」と私に声をかけてきたのが、彼女でした。
その彼女というのが私にできた初めてのママ友であり、子ども達と同学年の子をもつ、日・中・英・マレー語OKなスーパーウーマン外国人ママだったのです! 彼女は無国籍風の不思議な魅力のある女性でした。
国境も言語も超えて…

それからしばらくして、彼女の自宅で何人かの母子が集まる「プレイデート(お遊び会)」に招かれた時のこと。
私がしばしばママ達の輪から離れて、子ども達が遊んでいる様子を見に行っていることに彼女が気付き、
「他のママ達はお喋りに夢中になっているけれど、あなたは違うのね。あなたって私の長年の日本人の親友と似ていて、シンパシーを感じるわ!」と、彼女はどこか懐かしそうに語ってくれました。
その日を境に、彼女と私の距離は一気に縮まったのでした。
当時の私は、
「多言語を使用する環境で幼児期を過ごすことで、帰国後にわが子に日本語の遅れが生じるのではないか?」といった子育ての悩みや、
「夫の海外赴任へ帯同するために2回仕事を辞めたことで感じた、社会生活に対するやり残した感」など自分の生き方に迷いが生じることがあったのですが、「中華系小学校→マレー系中学校→英語系高校→日本の大学」という多文化共生経歴を持つ彼女との会話から、私は新しい気付きを得ることが多くありました。
特に、彼女が
「私は勉強ができる子を育てたいんじゃない。今後困難に出会っても自分で乗り越えて、自分で食べていける子に育てたいんだ」と話していたことは、今も私の子育ての主軸になっています。
そんな彼女との、穏やかな中にも心地良い刺激を受けるような付き合いは、私達一家の帰任まで続きました。
友情に国境も言語も関係なし

そんな彼女との初めての出会いから13年。
今でも彼女達一家との親交は続いており、彼女の長女の日本への留学話や、お互いの子ども達の進路の話など、LINEでしばしば子育て談義に花を咲かせています。そして、昨年2月にはコロナ禍を挟んで、久々の対面を日本で楽しみました。
実は、私が在宅でのライター業に携わるようになったのも彼女の影響で、彼女も子育てを優先すべく、当時から在宅で請け負える仕事だけをしていました。
結局のところ、
「友情に国境も言語も関係なし」と私は経験上実感しています。
春は新たな出会いの季節。皆様にもどうか新しい良いご縁がありますように。
(ファンファン福岡公式ライター/駐妻日記)


