「十人十色」という言葉がありますが、人の心配の度合いは人それぞれ。育ってきた環境が違うと価値観も違うとよくいいますが、結婚してから、いや、子どもが生まれてから義両親の過度な心配に、私の心はいつもざわついています。特にざわついた出来事を思い出したので、これからお話ししたいと思います。
小1長男の骨折事件

長男が小学生になって1ヶ月が経ったある日 、家で1歳の次女と遊んでいたら、自宅の庭から大きな声で
「ママ~!」と泣き叫ぶ長男の声が聞こえてきました。
慌てて家から出ると、敷地内に同居中の義母に抱きしめられた息子の姿が。義母は泣き声を聞いてから、新幹線並みの速さで息子の元に向かった様子…。
「あれ? 抱きしめるのは私だよね?」「ママ~って呼んだよね?」と疑問を感じながらも、義母に抱きしめられながら泣いている息子の話を聞きました。
どうやら学校帰りに転び腕を強く打ったらしく、女の子もいた手前、痛みを我慢して帰ってきたとのこと。家が見えると涙が溢れ、つい大きな声で泣き叫んだとのことでした。義母から離れてもらい、次女も連れて息子を近所の病院へと連れて行きました。
「大した怪我じゃなくて良かった…」

診断の結果、右手の小さい骨が骨折。ギブスを付けるほどではないので包帯でしっかり固定して、経過観察になりました。見た目は少し痛々しいですが、痛みも落ち着いたのか普段通りの息子。
主人と義母に電話で症状を報告した私は、
「大事ではない」と判断し、当時保育所に通っていた4歳の長女を迎えに行き、そのまま顔を出す約束をしていた実家に向かいました。
腕に包帯グルグルの長男をみた実母と実父は、
「大したことなくて良かった」と、私と同じような反応を。
息子も骨折していることを忘れるくらい元気な動きを見せるので、「骨折はしたけど、いつも通りの元気な息子」として、実家でご飯も食べさせてもらってから車で20分ほどのわが家へ帰りました。
私は非常識な親!?

車内はいつも通りにぎやか。普段と変わらない日常のはずでしたが、家に着いて車を駐車場に止めた瞬間、その事件は起こりました。
「荷物はママが持つから、気をつけて降りてね」と子ども達に言った直後、義両親が息子の名前を大声で叫びながら車まで走ってやってきたのです…。
「大丈夫!?」
「こんな遅くまでしんどかったでしょう!」
「可哀そうに!」
「痛いね」そう言いながら、息子を義両親の家に連れて帰りました 。
その間、ザっと2分。車にはキョトンとした顔の長女と次女が取り残され、家の玄関には超不機嫌の主人が立っていました。不機嫌オーラ全開の主人に恐る恐る
「ただいま…」と言うと、主人は
「両親に怒られた」と低い声。そして、そのあとに耳を疑った言葉が発せられました。
「お前の嫁は世間知らずか! 怪我をしている子どもを連れまわすなんて本当に常識がない。子どもが可哀そうだ! って何回も言われた。もうめんどくさい」と。
「ん? 何?」「私、電話で状況をちゃんと義母に説明したよね?」「私、そこまで言われることしましたか?」頭の中で、はてなマークが大渋滞しました。
心配の度合いは人それぞれ…

心配の度合いは、人それぞれです。頭が痛くて薬を飲んで様子をみるだけで安心する人と、先生に診察してもらい検査してもらえたら安心する人など、本当に十人十色。
この事件で、義両親に「世間知らずだ!」とそこまで言われることをしたのかどうか、10年経った今でも疑問です。本人たちには一言も言っていませんが、長男が骨折する半年前に長女が骨折したときの対応と180度違いますし…。
10年前は義両親の対応に超ドン引きでしばらく目も合わせられませんでしたが、今思うことはただひとつ。私の「大丈夫」は、義両親の「非常識」。私と義両親の心配の度合いが違いすぎた… というだけです。
心配の度合いは本当に人それぞれです。あなたの大丈夫と義両親の大丈夫(心配具合)は、一緒ですか?
(ファンファン福岡公式ライター/雪花菜)


