数年前介護施設で働いていた際、ドラマのようなドロドロの社内不倫がありました。その時私は育児休業中。ある日の深夜に届いた長文ラインにより、衝撃の事実を知ることになるのです。出来心で始まった一つの社内不倫が、会社を巻き込む大きな事件になったお話です。
仕事ができるパートさん

求人を募集していた店舗に、30代後半の女性Aさんが応募してきました。介護職経験のある方で感じもよく、すぐに採用になりました。とても気が利く方で、施設利用者さんからの評判も上々。社員の連携もとれて店舗の売り上げも安定してきました。
事件は、Aさんが入社して1年ほど経った頃に起こったのです。
突然届いたライン

当時育休中だった私は、娘にミルクを飲ませるため深夜に起きて対応する毎日が続いていました。そんなある日、ミルクを飲んだ娘を寝かしつけて自分も眠りにつこうとしていた時に、スマホの画面が光りました。
確認すると、会社のグループラインに一通のメッセージが届いていたのです。送り主はパートのAさん。「こんな時間になんだろう」と思いつつ、メッセージを開くと…。
「私は所長の●●と不倫しています。体の関係もあります。好きで好きでしょうがない。ずっと黙っていましたが、私はこんな女です。もう会社も辞めます。お世話になりました。」
といった内容が、長文で書かれていました。頭が混乱しすぐに理解できなかった私は、深夜だったこともあり一旦スマホを閉じ、再度眠りにつきました。
ざわつく社内
翌朝、目覚めると同時にスマホを確認。昨夜のメッセージは、削除されることなく残ったままでした。そしてその日の夕方、業務後に仲の良い同期から「ちょっと話を聞いてほしい」と連絡がありました。
同期によると、その日は朝から社内が大混乱。私の勤務先は小さな介護施設を5店舗運営。各店舗スタッフ4人で営業していたのですが、問題の店舗の所長とAさんは出勤せず、通常のサービスが実施できないため臨時休業になったそうです。
そして本社には、Aさんのご主人から怒り狂った電話が…。
「社長を出せ。いますぐ電話をつなげ!」と声を荒げていたそうです。社員が不在であることを伝えても、
「何時に戻るんだ。ケータイに連絡しろ!」と一向に収まる気配がなく、結局自宅にいるAさんがご主人をなだめて一旦電話が切れたとのことでした。どうやら昨日のラインは、不倫がバレたAさんがヤケになって送ってきたようなのです。
その後社長がAさんのご主人に連絡。そのまま事情を確認しにAさんの自宅へ向かいました。
「この会社はどうなってるんだ!」などかなり激高されていたようですが、話し合いの末にAさんがその日で退職し二度と会わないということで落ち着いたそうです。
次の日、Aさんは退職、所長は気まずそうに出社してスタッフに謝罪。所長はAさんのご主人に直接謝りたいと言ったそうですが、「会いたくない」と断られたそうです。その後数日は所長とスタッフ間で少しやりづらさがあったようですが、店舗は通常営業に戻りつつありました。
平穏な毎日が戻ってきた! と誰もが思っていたところ、退職手続き中のAさんから
「夫の様子がおかしい。仕事に行かず閉じこもりっきりになってしまった」と声でわかるほど落ち込んだ様子で報告があったそうです。
しかし原因を作ったのは本人。酷ですが、これ以上会社の出る幕ではありません。
不倫なんてするもんじゃない

Aさんのご主人は人間不信に陥り離婚を希望。Aさんが受け入れる形で離婚が成立しました。そして所長は社内で居心地が悪くなり、しばらくして退職。不倫相手から社内ラインで暴露されたら、立場もなくなりますよね。
Aさんが退職、その後所長も退職。求人もうまくいかず、残り2名のスタッフで営業することは困難。結局この所長がいた店舗は閉鎖することとなりました。小さな会社だったので、社内不倫がきっかけで1つの店舗が廃業と近所でも噂が広まり、ほかの店舗も問い合わせに追われるなどしばらく影響がありました。
あとから聞いた話によると、この所長前職でも社内不倫をして、本気になった相手が離婚して修羅場の経験があるようで…。「二度あることは三度ある」と言いますが、次の職場で問題を起こしていなければいいな、と私は勝手に願っているのです。
(ファンファン福岡公式ライター/aoyama)


