身近に知り合いがいない第一子の子育て。不安だらけの私に大丈夫だと勇気をくれたのは、家族でも友達でもなく公園で出会った名前も知らないママでした。
孤独な子育て
夫の転勤のため、知り合いがいない街で2歳の息子を育てていました。そのため昼間は息子と2人で公園で遊ぶことが多くありました。子ども同士のコミュニケーションも大事だと思い、公園で出会った同年齢の子どもさんと遊んでもらうことも時々ありましたが、ほとんどはそれっきりの出会いでした。
ある日同様に公園で出会った年下の若いママがいました。1歳前のハイハイが上手な女の子ママで、息子に
「こんにちは、一緒に遊ぼう」と砂場の道具を貸してくれました。女の子ママは子どもと遊ぶのがとても上手。
娘さんはまだ歩ける年齢ではないのに公園でハイハイさせたり、砂場で泥んこになるまで遊ばせていて驚きました。私は息子が赤ちゃんの時は砂を食べないか、洋服が汚れないか心配し思いっきり遊ばせてあげられなかったので、その余裕がある子育てがとても羨ましかったです。その後も月に数回同じ公園で会って少し世間話をしたり、子ども同士も時々遊んだりしていました。
ひとりでは抱えきれない心配事

その頃息子の発育で心配な事があり、市役所の発達支援の専門家に相談していました。そこで
「目が合わない。他者とのコミュニケーションが苦手なので、今後幼稚園入園にあたり支援が必要になる可能性があります。しかし、入園まで1年以上あるのでご家庭で様子を見てください。できるだけお母さんと息子さんが離れる時間を作ってください」と言われていました。
この相談結果をひとりでは抱えきれなくなり、思い切って女の子ママに話してみました。すると女の子ママは
「息子くんは大丈夫だよ。私、元保育士なんだけど、息子くんは絶対に違う。私とはコミュニケーションとれてるよ。おしゃべりは苦手でも話しかけると頷いたり、遊具も娘に譲ってくれるよ。目もちゃんと合うよ!」
目が合わないと専門家に言われショックだったので、家族ではない人にコミュニケーションとれてる、目が合うと言われて私はホッとしました。
「実家が遠いから預けられないしお母さんと離れる時間を取るのはとても難しいよね」と女の子ママは熱心に相談に乗ってくれました。
「あの子ども園は一時保育空いてるかもしれない。あそこの体操クラブは授業中保護者の付き添いしなくていいよ」など沢山のアドバイスの最後に
「この1年で成長出来るよ。心配しなくて大丈夫」
この言葉に勇気をもらいました。成長を信じてあげよう。私自身が面倒くさがって子どもの成長を止めてはいけないと思い、色々リサーチをし、週2回授業中付き添いがいらない幼児教室に通わせることにしました。
公園に行けばまた、会えると…

最初は周りの子の中に入っていけずに泣いていましたが、半年通わせる頃には先生、お友達と遊んだりおしゃべりも上手になりました。女の子ママにお礼が言いたいと思い公園に行っても会えない事が続きました。その後私が第二子を妊娠し、つわりが酷く公園に行けなくなってしまいました。
連絡先を聞いておけば良かったと人見知りの性格を悔やみました。今は私も引越してしまい2度と会うことはないけれど、本当に感謝している出会い。息子はあれから急成長をし、幼稚園も問題なく通い10歳になった今は人見知りなんてしてたっけ? と言うほど活発な男の子になりました。
(ファンファン福岡公式ライター/みみずく)


