福岡県久留米市出身のクリエーター・パントビスコ氏がホテルの部屋とコラボ!「クロスライフ博多柳橋」に「おかえり、ぺろちのお部屋へ」プランが誕生しています。人気キャラクター「犬のぺろち」の癒やしの部屋を手がけたパントビスコ氏に話を聞きました。
「いつまでもいたいなと思えるような空間。自信を持っておすすめします!」

「クロスライフ博多柳橋」に「犬のぺろち」ファンのスタッフがいたことから今回の企画が実現。パントビスコ氏は「いつもはデジタル上で作品を作っていますが、形として見てもらいたい思いがあったので、自分の中でマッチしました」と話します。

―「ゆるセリフルーム」「博多づくしルーム」の2部屋が誕生しました。
ぺろちは、ゆるさ、かわいさ、癒やしがあり、ちょっとほめてくれたりするキャラクター。旅先で疲れた方、癒やされたいなという方を優しい言葉でなぐさめてくれて、寄り添ってくれる部屋が「ゆるセリフルーム」です。「博多づくしルーム」は私も大好きなラーメン、水炊き、めんたいこなどをイラストで堪能していただく部屋です。

遠方に住んでいる人も、福岡県内に住んでいる人も泊まってみたいなと思えるような部屋をつくってみました。SNSに上げてほしいので、写真映えしやすい作品をたくさん散りばめました。いつまでもいたいと思えるような空間をクロスライフさんがつくってくれたので、自信を持っておすすめできるプランです!

―これまでに、ホテルの部屋とコラボした経験はありますか?
コロナ禍前に、柴犬のまる君、ミニチュア作家の田中達也さんと一緒に期間限定で取り組んだことがあります。マンションの1部屋を貸し切って、カッティングシートを貼って自分の作品を飾りました。その時とは規模が違うので、実質的には今回が初めてです。
―今回の構想期間はどれくらいですか?
1カ月くらいは結構いろいろと考えました。「自由にお願いします」と言われてもどこまでやっていいんだろうと。お客さまが「泊まって楽しい、思い出も持って帰りたい」と思うことをゴールとし、「どういう部屋がいいんだろう」と発想を膨らませました。イラストを描くのも大変ではありますが、考える時間の方が長いです。描く時間の5倍くらいは考えています。そこがしっかりしていないと、どんな絵を描いても響かないですし、よく仕上がらないんです。

―ぺろちの表情はここだけのものですか?
そうですね。ぺろちの向こう側にいるお客さまの笑顔、楽しむ様子が瞳の中に映っていると思います。写真を撮ってもらって、みんなでシェアして楽しんでほしいです。「これが食べたくなった」「こんな励ましワードをもらった」と思ってもらう“体験”を大事に作りました。愛が詰まっています。

―セリフやイラストの配置も全て考えたのですか?
はい、部屋の図面をいただいて全部考えました。「かえってきたらうがいてあらい」といった生活感のある言葉も、この部屋にあると「クスっ」となりますよね。

―廊下に面した扉にイラストを描くアイデアがすてきです。
一番は宿泊者の方のお出迎えの意味合いです。そして世界観に没入してもらいたいから。「おいでおいで、待ってるよ」のアピールでもありますし、知らないお客さんが通ったときに「気になる! 泊まってみたい」と思ってもらう狙いもあります。
―パントビスコさんならどちらの部屋に泊まりたいですか?
コンセプトが違うのでどちらも同じくらいいいです。おすすめは2連泊です(笑)。どちらにも泊まってください! 2回に分けて福岡に来てもらうのもいいですね。リピートしていただけたらうれしいです。

「生活の中で疑問を持ち『自分ならこうしたいな』を発信」

ー普段どんなときに作品のインスピレーションが湧きますか?
日常生活の中で街を歩いていて何かを発見することもあれば、SNSやネットを見ていて思ったことを自分なりに解釈し、みんなはどう思うかなという意味を込めて世の中に出すことが多いですね。
分かりやすい言い方をすると、自分の中だけで大喜利をしているようなものですね。例えば、(ホテルの部屋に置いてある)「このポットに何が入っていたらうれしいかな? おいしいかな?」と。「みそ汁かな? でもみそ汁が入っていたらワカメが詰まるな」とか。そういうしょうもないことを考えて作品にしています。
まじめな大人はポットの中にみそ汁を入れてみんなに発表しようなんて思わないですよね。わざわざ私が余計なことをしている、という感じです。一緒になって面白いと言ってくださる方に救われています。生活の中で疑問を持って、「自分ならこうしたいな」と思ったことを「見て見て、聞いて聞いて!」ということでSNSに発信していますね。それを10年くらい続けています。
ーどんな人にこの部屋に泊まってほしいですか?
日本の方はもちろんですけど、海外の方に触れてもらうこともテーマなんです。基本的には日本語で描いています。クロスライフさんは海外のお客さまも多いと伺いました。犬のぺろちを知らない人が「日本でこういう絵を描く人がいるんだ」「平仮名いっぱいでクールだね。調べてみよう」という気付きを持ち帰ってもらうのも夢です。
貴重! 描き下ろし原画を展示!

「クロスライフ博多柳橋」2階の「360°Hub(ハブ)」にはパントビスコ氏の原画4点が展示されています。「原画は依頼されていませんが、生で描いたものを飾らせてくださいとお願いしました。前のめりで、楽しく参加しました!」とパントビスコ氏。

かわいらしいぺろちが訪れる人を笑顔で待っています。
パントビスコ氏 PROFILE
これまでに6冊の著書を出版。Numero、TOKYO、VOCEなどで連載を抱えるほか、企業や自治体との多種多様なコラボを手がける。代表的なシリーズに「犬のぺろち」「カオス絵日記」「やさ村やさし」などがある。インスタグラムのフォロワー数は約50万人。2021年12月から久留米市「くるめふるさと大使」。
パントビスコ 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/pantovisco/?hl=ja
「おかえり、ぺろちのお部屋へ」プラン
場所 クロスライフ博多柳橋(福岡市中央区春吉1-6-5)
期間 実施中~2027年1月31日(日)
料金 1室2人利用時、1人9,000円~


