ピアノは何歳からスタートするのがよい? 続けるなかで得られる7つのメリット

7歳・9歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

芸術系の習い事で人気のピアノは、続けるなかでさまざまなメリットが得られます。何歳から始めると、よい効果を実感できるのでしょうか。

今回は、ピアノを何歳から習うとよいか、どのようなメリットがあるのかを解説します。

目次

ピアノは何歳から始める?年齢ごとのメリットもチェック!

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まずは、ピアノを何歳から始めるとよいのかを、年齢ごとのメリットとともに見てみましょう。

4歳

4歳頃からピアノを始めると、リズム感が養えます。また、4歳前後は脳機能が急速に発達する時期だといわれており、ピアノで指を動かしたり、音符や楽譜を覚えたりするなかで、脳の発達にもよい影響を与えるでしょう。

5歳

5歳頃からピアノを始めると、絶対音感を身につけられる可能性があります。この時期は、音を聞く力が大きく伸びるので、ピアノでよりその力を鍛えるのがおすすめです。絶対音感まではいかずとも、5歳頃から長くピアノを続ければ「相対音感」は身につくのではないでしょうか。

6歳

4歳、5歳の頃と比べると、6歳は記憶力や話を聞く力がより上がります。1回のレッスンで吸収できる情報量も増えるので、効率的な成長につながります。また、ピアノの鍵盤は幼児には重く、しっかり音を出すのが難しいこともありますが、骨格がしっかりしてくる6歳頃なら、指への負担も軽減できます。

小学生

「小学生になってから始めるのは遅いかも」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。「友だちがピアノを弾いていて憧れた」「テレビなどの影響で興味を持った」などの理由から、小学生になってからピアノを始める子どももいます。

小学生になってからのスタートは、子ども自身に「強い興味・関心がある」というのが最大の強みです。やる気を持って取り組むので、上達のスピードが速く、長く続けて多くのメリットを得られるでしょう。

3歳以下から始めてもよい?

習い事のなかには3歳頃から始められるものも多くありますが、ピアノを3歳、もしくはそれ以下から始めるメリットは何でしょうか。

3歳頃も脳が急速に発達する時期で、ピアノのレッスンや日々の練習がよい影響をもたらす可能性があります。実際、「3歳以下から始めると育脳につながる」という意見も耳にしますので、ピアノ教室が3歳以下の受け入れを行っているようなら、早い段階で始めるのも1つの方法です。

ここからは筆者の個人的な意見になりますので、あくまで一例としてお読みいただきたいのですが、わが家の息子たちは、長男が5歳、次男が3歳になってすぐにピアノを習い始めました。長男のほうが遅いスタートでしたが、「楽しい」「好き」という気持ちが強かったのもあり、覚えが早くぐんぐん上達しました。

一方、次男は3歳とはいえまだ2歳に毛が生えたようなもの…。家での練習にも積極的ではなく、初めての発表会は4歳半頃でしたが、1年半続けても「ド」の場所がわからない、という状態でした。

この頃まで、筆者は息子たちの差を「好きかどうか」「センスの問題」だと思い込んでいました。しかし、次男はここ1年で見違えるほど腕を磨き、長男とはまた違う、よい演奏ができるまでに成長しました。3歳からの積み重ねがあってこそのいまかもしれませんが、「次男も5歳くらいからでもよかったのかも」と思う自分もいます。

何歳から始めるかは家庭の方針にもよりますが、一概に「早ければよい」というわけではない可能性があることも覚えておくと、年齢を重ねてから「ピアノをやってみたい」といわれたときにも、前向きに検討できるかもしれませんね。

ピアノを始めるのは何歳から? ピアノ教室に通うメリットと教室の選び方とは(https://www.889100.com/column/column125.html

ピアノは「何歳から」ではなく、心身の成長を見て決めるのも◎

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ピアノを始めるタイミングについて、子どもの年齢で考える保護者も多いでしょうが、心身の成長を見て決めるのもおすすめです。スタートを見極める、成長のポイントを紹介します。

挨拶や意思疎通ができる

挨拶は、どのような習い事でも基本となります。自分からできるのが理想ですが、まずは先生から声をかけられてきちんと挨拶が返せれば問題ないでしょう。

また、レッスン中は先生の説明を理解し、受け答えやいわれた通りの行動を取らなければなりません。意思疎通ができなければレッスンがスムーズに進まず、得られるメリットも減ってしまいます。

座って話が聞ける

ピアノはじっと座って弾くもので、ピアノ教室によっては音符や記号を覚えるための「勉強」の時間もあります。そのため、一定時間座っていられるか、先生の話を座ったまま聞けるかどうかも非常に重要です。

ひらがなや数字がわかる

「どれみふぁそらしど」や「1~5」など、最低限のひらがなが読めれば、楽譜や指番号を早く覚えられます。ひらがなや数字がわからなくても、レッスンを進めるなかで楽譜を読む力をつけていくことはできますが、覚えることが多くなるため、子どもが負担に感じてしまうかもしれません。

骨格が安定している

前述の通り、ピアノの鍵盤は小さな子どもにとっては重く、指への負担が大きくなる可能性があります。また、じっと座っているには骨格の安定も求められるので、小さいうちは15分、20分と座っているだけでも大変です。

年齢が上がると脳だけでなく体も成長するので、骨格が安定し、長時間座っていてもフラフラしなくなったり、指の力がある程度ついてきたりした頃からスタートするのもよいでしょう。

本人に「やりたい」という気持ちがある

小さい頃はよほど子どもが拒否しない限り、保護者の意思で習い事を決められます。しかし、年齢が上がるにつれ、「やりたい」「やりたくない」という気持ちはよりはっきりしてくるので、子ども自身が「ピアノを習ってみたい」と思ったタイミングで始めるのもおすすめです。

「あまり遅いのは…」と思うかもしれませんが、筆者の周りには小学校高学年になってから始めた子や、大人になってからゼロからスタートした人もいます。

ピアノは何歳から始めるのが理想?ピアノ教室に通うメリットも解説(https://www.plumeria-music.com/column/how-old-piano/

ピアノを習うメリット

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ピアノを長く習い続けると、「ピアノが弾けるようになる」こと以外にも多方面にメリットをもたらします。期待できるメリットは、大きく7つです。

音感・リズム感が養われる

ピアノは楽譜に書かれた音を正しく、そして曲ごとに定められたリズムで弾かなければなりません。また、自身で作曲するようなコースでは、「音と音の相性」の見極めも必要です。

そのため、練習を重ねていくなかで音感やリズム感が養われます。音感やリズム感は音楽だけでなく、スポーツや言語学習などさまざまな場面で求められるので、ピアノで培われた力が生きるシーンは多いです。

集中力が身につく

リズムや音の強弱などを意識してよい演奏をする、また、はじめから最後まで間違えないように弾くためには、高い集中力が必要です。ピアノの練習を続けていくと、自然に集中力が身につきます。

集中力は、勉強は運動でのパフォーマンスアップにもつながるものです。また、大人になっても集中力は欠かせないものなので、ピアノは生きていく上で重要な力をより高められるものだといえるでしょう。

記憶力がアップする

音符や記号を覚える、発表会やコンクールに向けて楽曲を暗記するなど、ピアノでは記憶力を鍛える場面が多くあります。「覚えて、演奏する」を繰り返すなかで、記憶できる情報量が増えるだけでなく、情報を活用する力を高めることも可能です。

脳が活性化する

「ピアノは脳によい影響を与える」といわれていますが、特に、記憶力や判断力、空間認知力といった認知機能を高める効果があります。脳のなかの「脳梁」という部分は、ピアノによって特に活性化しやすく、脳梁の発達は、右脳と左脳の連携をスムーズにします。

これによりIQとともに、「HQ(ハートキュー)」という、感情や人間関係にかかわる能力がアップするのも、ピアノのメリットです。

リラックスできる

ピアノを弾いているあいだは集中していますが、心が穏やかになる感覚も味わえます。リラックスしたいときや、いやなことを忘れたいときには、ピアノを弾くとよいでしょう。不安や孤独感、うつ症状などにも、ピアノは有効です。

新しい仲間と出会える

同じピアノ教室に通う生徒との、新たな出会いがあるのもメリットです。特に、グループレッスンの場合は毎回同じ仲間と顔を合わせ、関係性が深まります。また、「ピアノ」という共通の趣味により、広がる輪もあるでしょう。

自信がつく

コツコツ練習して上達するなかで、「ピアノが弾ける」という自信も育まれます。多くのピアノ教室では定期的に練習の成果を披露する発表会が開催され、大勢の前で弾くことで自信とともに度胸もつきます。

連弾や集団での演奏がある場合は、協調性や仲間と1つの目標に向かって努力するという、団体競技のような経験もできるでしょう。

【ピアノはメリットがたくさん!!】幼児から大人までピアノがもたらす効果(https://www.nada-music-salon.com/piano-merit/
子どもがピアノを始めるならいつがいい? 親の心構えと費用を確認(https://www.gakken.jp/homestudy-support/edu-info/lessons/22296/
ピアノを演奏する10のメリット(https://www.nagoyapiano.com/news/12367/

ピアノを習ってメリットを得るために、保護者が注目したいポイント

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何歳から習い始めても、ピアノは子どもにさまざまなよい影響を与えてくれますが、一定期間続けなければ、メリットを実感できません。ピアノで心身の成長をより促すために、保護者が押さえておきたいポイントを解説します。

子どものやる気や目標

いくらメリットの多い習い事でも、子どもが「やりたい」と思っていなければ成長にはつながりません。子どもがピアノに前向きな気持ちを持っているかは、保護者が注目したい大きなポイントです。

また、日々の練習を効果的なものにするために、目標を設定するのもよいでしょう。「○○が弾けるようになりたい」「コンクール入賞、試験合格」といった大きな目標だけでなく、「いつまでに、ここまでできるようにする」「この表現を極める」など、小さな目標も定めると、目標達成による自信にもつながります。

レッスンの方針や教室としての目標は、ピアノ教室によって大きく異なるので、子どもの目指すレベルに見合った教室を探すことも大切です。

先生との相性

子どもと先生の相性も、長く続けられるかどうかに関わってきます。どんなに評判がよい教室でも、子どもが「何となく先生と合わない」と感じてしまえば、メリットを得る前に辞めてしまうかもしれません。

ピアノの技術とともに、子どもを理解し、「ピアノが好き」「頑張りたい」という気持ちを伸ばしてくれる先生かどうかも、よく見極める必要があります。

月謝や送迎などの負担

習い事をすれば、当然レッスン料・授業料がかかりますが、ピアノの月謝は4,000円ほどから10,000円以上と、教室の規模(大手か個人か)や地域、レッスン頻度などにより幅があります。家計を圧迫するほど費用面の負担が大きいと、続けるのが難しくなってしまうため、月謝や発表会費、その他設備費などで年間いくらぐらいかかるかを事前に把握することも重要です。

また、ピアノ教室への送迎も、保護者の負担となる可能性があります。遠すぎる教室に通うと、そのぶん保護者の時間的制約が増えます。小さいうちは近所でも送迎が必要ですが、徒歩圏内にある教室や、学校からの下校途中に行ける教室なら、成長するにつれて保護者の負担も減るのでおすすめです。

自宅での練習環境

ピアノのレッスンは、週に1回という教室が多いです。そのため、上達には自宅での練習が欠かせません。

本格的なグランドピアノやアップライトピアノを用意する必要はありませんが、コンパクトなキーボードでは鍵盤の重さが全く違うので、できれば電子ピアノはあったほうがよいです。練習用のピアノを購入するには費用がかかりますし、ピアノは大きくて場所を取るので、習う前には「自宅に練習環境を整えられるか」も、考慮しましょう。

ピアノを習うメリットはたくさん!何歳から始めるかは、家族で相談を

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ピアノを何歳から習うかは保護者の考えや子どもの興味・関心によりますが、4~6歳頃から始めるケースが多いです。小学生になってからでも遅くはなく、「いつから始めるか」よりも、「長く、しっかり続けること」が、多くのメリットを得ることにつながります。

わが家の息子たちは、ピアノを習い始めて丸4年経ちました。最初からピアノが大好きだった長男だけでなく、最近は次男も「ピアノ楽しい」「上手に弾けるとうれしい」と、徐々にその魅力に気づきはじめています。私も保護者として、「ピアノの影響があるだろうな」と思える、子どもたちの成長を実感しているので、ピアノを習わせようか迷っている家庭には、「習うといいよ!」とおすすめしたいです。

事前のリサーチなども行い、子どもに最適な教室を見つけてくださいね。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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