また今年も猫の日が【サ日記】

 寒くなる寒くなる、というわりには福岡はそこまで寒くならずにほっとしているサニです。

 「猫はこたつで丸くなる」と歌われたが、うちにはとっくにこたつはない。ほこりなどが溜まって花粉症の原因になるし、人間が自堕落に入ったまま寝てしまうというのが理由だ。

 おれ様サニは相変わらず眠ってばかりおるぞ。こたつこそないが、ソファーの上の毛布はけっこう暖が取れる。おれがじっといるから、体温であたたまって気持ちが良い。不肖の弟子のチョビもくっつくとあったかいのを知ってるから、おれの横にすぐ来る。

 チョビの弟でもっぱらうちの庭で地域猫として過ごすとらもちょいちょい入って来て、おれの横に来る。

 一年前は小さかったが、かなりガタイが良くなってきた。

 とらもチョビも地域猫のあかし、片耳をV字形にカットしている。右耳カットがとらで、

 左耳カットがチョビだ。チョビは結局なんとか家猫のはしくれになったが、どうしても無理だったら、地域猫にするしかないと思われていた。ほとんど抱っこされず、人慣れしないが、家の居心地が良いことはわかっている。

 おれもそうだが、野生の血が騒ぎ、時々すきを見て脱走する。けっこう凶暴な猫連中も庭にいるので、高い所にいることが多い。なかなか運動神経が良く屋根から木へと、さらに電気メーターの上にと忍者のように駆け回る。

 弟のとらも負けじと高い所に上がる。よく晴れた日は日差しが気持ち良いのか、梅棚が定位置だ。

 とらは、からだこそ大きくなったが、どうも気分はわんぱくな子どものままのようだ。

 テレビに犬や猫などの動物が出ると駆け寄って行って真剣に画面を見つめる。本物と区別が付いていない。チョビも最初はそうだったが、しばらく経つとテレビの中はにせものとわかったのか興味を示さなくなった。

 そして、チョビととらは仲が良くない。きょうだいということをわかってないみたいだ。同じ時期に生まれたわけじゃないでの無理もないのか。

 二匹の母親であるおかあちゃんは、何も教えてやらんのだろう。自分の食いぶちを守るので精一杯のようにも見える。

 窓をはさんでると互いに落ち着いているが、とらが入って来ると、チョビはウーウーうなり出し、とらがチョビをすごい勢いで追い回し、トムとジェリーみたいになる。

 他猫にはわれ関せずのおれだが、ちょいと様子を見に来た。何の役にも立たなかったが。

 ところで、遅くなったが、今回の本題だ。2月22日の「猫の日」を前に、うちの飼い主が献血「222回」を達成したという。そういえば、東京の両国にいつも献血をして表彰までされた「おじょうさん」という猫さんがいるというのをテレビか本で見たことがある。おれにはまねできんなあ。

 チョビにも無理だろうな。なにせ人間にさわられるだけですごくいやがるし。

 ということで、猫の日に限らず世界中の猫たちにやさしくしておくれよ。

 おれも安心して眠るぞ。相棒は、以前読者さんがプレゼントしてくださった鯛君だ。

 おやすみ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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