【ミュージカル】博多座で7年ぶり「屋根の上のヴァイオリン弾き」! 主人公演じる市村正親さんの思いとは

 1964年米国のブロードウェイで初演され、日本では67年から上演されている不朽のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」が7年ぶりに博多座(福岡市博多区)にやって来ます! 公演期間は5月9日(金)~18日(日)。森繁久彌さん、上條恒彦さん、西田敏行さんと名優に受け継がれてきた主人公テヴィエを2004年から演じるのはミュージカル界のレジェンド、市村正親さん。約20年前から本作に向き合う市村さんが、テヴィエ役ヘの思いや作品の魅力を語りました。

目次

人間にとって大切なものがいっぱい織り込まれた作品です

「日本版テヴィエの高年齢記録を更新していきたい」と市村正親さん

―長年演じてこられた主人公テヴィエ役への思いを聞かせてください。

 僕が初めてテヴィエを演じたのは2004年、55歳の時です。(67~86年にテヴィエを演じた)森繁さんも55歳から始められているのに縁を感じます。当初は僕がやる役じゃないのではと思ったのですが、衣装などを着けるとテヴィエになっていました。森繁さんが73歳まで演じられていて、僕はいま76歳です。日本版テヴィエを演じる役者として高年齢を更新していきたいと思っています。

「テヴィエの人生をいとおしみ、大事にして3時間の舞台を生きたい」

―日本初演から半世紀を超えて続く本作の魅力は。

 なぜこんなに長く上演できているのか。一つ言えるのは、森繁さんも西田さんも僕もテヴィエを演じる役者が名優ということじゃないかな(笑)。役者としてのチャーミングさがあり、娘たちやいろいろな出来事に翻弄(ほんろう)されながらも一家を引っ張って頑張って生きていく姿に魅力があるのでは。夫婦愛、親子愛といった人間の一番大切なものがいっぱい織り込まれている作品です。

―テヴィエを演じる上での役づくりは。

 最近は(舞台で演じても)あまり汗をかかなくなった。年齢的なことではなくて、無駄な力が入らなくなったから。それが分かり、何も用意しない役づくりというか、何もしないところから生まれてくる何かをしっかり受け止めて、楽しんでいきたいなと思います。この年齢になると、次の舞台がやれるのかとも考えますから、一回一回の舞台でテヴィエの人生をいとおしんで、大事にしながら3時間を生きたいです。

妻ゴールデ役のツレちゃんとは深いところでつながっている

画像提供/東宝演劇部

―2009年から妻ゴールデを演じる鳳蘭さんはどのような存在ですか。

 ツレちゃん(鳳さん)とは長い付き合いで、深いところでつながっている感じがします。僕はツレちゃんの腕の中で転がされている感じでそれに甘えるし、逆にツレちゃんは僕がリードすればしっかり後についてきてくれる。この作品の中でまさにテヴィエとゴールデのような関係に成長してきた感じがしています。

「役者への情熱は高校生のときから変わらないんです」

―とてもチャーミングな市村さんですが、どうしたらそのように年齢を重ねられるのでしょうか。

 役者をやりたいと思った高校生の時から、その気持ちはいまも変わっていません。(役の上で)他人の激しい人生を生きるためには、タフでなくてはいけない。人間に興味があるし、役としていろいろな人の生き方ができるなんて、こんな楽しいことはない。相変わらず子どもなのかもしれないですね。お客さまが見に来てくださるから役者として生きていけるとも思っています。

-公演を心待ちにしている観客にメッセージを。

 長く上演される「屋根の上のヴァイオリン弾き」の何がいいのか、それをぜひご自身の目で確かめに来てください。博多座でお待ちしています!

家族の愛と絆を描く普遍的な物語

画像提供/博多座

<ストーリー>
 帝政ロシア末期、寒村アナテフカで酪農業を営むテヴィエは、頭の上がらない妻と5人の娘との貧しくも幸せな日々過ごしていた。長女の縁談話が舞い込み、次女と三女も落ち着かない様子だが、ユダヤの厳しい戒律としきたりにより、結婚は両親が祝福しないと許されないのだった。やがて好きな人との結婚を選んで家を出て行く娘たち。そして革命の足音とともに、テヴィエ一家が故郷を追われる日が迫っていた。

ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」製作:東宝

日時:5月9日(金)~18日(日)12:00 <13日(火)休演>
   ※10日(土)、14日(水)、17日(土)は17:00あり
場所:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
料金:A席15,000円(16,000円) B席10,000円(11,000円) C席5,000円(6,000円)
   ※税込み。( )内は土・日曜料金
◎チケットは3月15日(土)10:00インターネット、電話予約開始
問い合わせ:博多座電話予約センター
電話:092-263-5555

あわせて読みたい
「博多座」8つの謎を解く!〜ファンファン調査隊 地元企業大解剖 第11弾〜 1999年、博多のシンボルとなる演劇専用劇場として誕生した博多座が今年25周年を迎えました。歌舞伎やミュージカル、歌手の座長公演、コンサートなど多彩なラインアップで観客を魅了し続ける博多座の意外と知らない謎に迫ります。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次