保育園に3人の子どもを預けた経験がある私は、保護者会活動を行う中で、今でも忘れられない、びっくりしたジェネレーションギャップがあります。団体活動をおこなう上で “会長不在“の保護者会活動は成立するのでしょうか？
保護者主体の活動
保護者会は、子ども達が充実した園生活を過ごせるように、保護者主体となって園と協力しながら活動する団体です。各幼稚園や保育園によって、その活動内容やルールは異なり、入園して初めて「保護者会」があることを知った人も少なくないのではないでしょうか。
私も長男が入園して初めて「保護者会」の存在を知りました。子ども達のために家事や仕事の合間を縫って、アイディアを出し合いながら活動する親御さんの姿を目の当たりにし、大変そうだな… 出来れば役員は遠慮したい、とまで思ってしまったほどです。
役員は遠慮したいと思っていましたが、とうとう順番が回って来てしまいました。私が初めて保護者会の役員を務めた時は、写真を販売する係でした。先輩ママが会長として司令塔となり、会費の回収、年間イベントの企画、写真販売、役員親睦会などを取りまとめていました。
みんな働いていたため顔を合わせて相談する機会を作ることが難しく、基本的にLINEでやりとりを行います。メッセージだけでは細かなニュアンスが伝わりにくいことがありましたが、会長はバリバリ働くキャリアウーマンで、10人あまりの役員を悠々と仕切るさまは圧巻でした。
会長としての後任探し
私は3人の子どもの保育園生活の中で、保護者会の会長も務めました。先任の会長にもサポートしてもらい、人前に立ち人を引っ張る力も持ち合わせていませんでしたが、自分を奮い立たせ1年間会長職をなんとか全うしました。
そして後任の会長候補を探す際に、今でも忘れられないジェネレーションギャップを感じる出来事が起きたのです。
会長の役職を廃止したい？！
1年ほど前から役員として活動してくれる、20代のママさんに次期会長を引き受けてくれないかと、打診したところ
「会長、副会長の役職を廃止したい」と相談を受けたのです。
保護者会の司令塔として会長の存在は絶対的な役職であり、会長を1年間務めた経験からも「役職の廃止」はまさに寝耳に水でした。確かに近年リーダーを持たない団体も誕生し「出来る人が出来ることを行う」スタンスの組織もあると聞いていましたが、保護者会活動でそれが成立するのか… 実際不安を口にする役員もおり、ジェネレーションギャップを感じ、びっくりしました。
役員勧誘の壁
正直なところ、20代のママさんは「ただ単に“会長”」という役職から逃げているだけではないだろうか？」と思っていましたが、話を聞いていくと「だれも会長をやりたがらないなら、いっそ会長と言う役職をなくせばいいのではないか」と考えたそうです。確かに他の役職はあっさりと決まったものの会長だけが決まらず困っていたのも事実で、これは私の子どもが通っていた保育園に限ってのことではないでしょう。
ただ、やはり保護者会活動に会長は必要不可欠です。十数人の役員をまとめる存在がいなければ、保護者会活動を円滑に行えません。育児や家事、仕事に追われる身としては、話をまとめる会長の存在は有難く会長不在となれば、まとまる話もまとまらず時間だけが過ぎていく… 想像するだけでゾッとします。
ですが本来ならば「出来る人が出来ることを行う」スタンスが理想であり、少しずつ時代に合せて変化する必要も感じました。リーダーを持たない保護者会が存在する日も近いのかもしれません。
（ファンファン福岡公式ライター／粟飯原）
