私は25歳のときに仕事を通じて知り合った夫と結婚。夫の実家は遠方で、義母に会う機会は少なかったため、結婚後は早く良好な関係を築こうという気負いがありました。しかし、実家帰省をきっかけに、その思いが揺らぐことになろうとは…。
遠方に住む義母からの電話

「もしもし、今ちょっといいかしら?」結婚後、義母からの電話が月に2、3回かかってくるようになりました。内容は「〇〇(夫)は元気?」「○○の仕事は順調?」と夫に関する話がほとんど。
「お義母さん、〇〇が心配なんだな」と義母が夫の話ばかりすることを最初は気にしていませんでした。夫は長男で両親の期待も大きいことでしょう。しかし、普通の会社員の夫。特に変わったことがあるはずもなく、気づけば毎回同じような話ばかり。
一方、気になるのは、私のことに無関心なこと。
「風邪を引いていて…」と言っても、
「〇〇は大丈夫? 風邪引いてない?」とすぐ夫の話にすり替わります。また、
「用意した夕飯を食べないで寝てしまうことがある」と話すと、
「〇〇は昔からそういうところがあるのよ。そっとしてあげて」と言われ、「夕飯がいらないなら早めに連絡すればいいのにね」とは言ってくれません。
あくまでも夫ファーストの義母の姿勢に「私は夫のお世話係じゃないのに…」とモヤモヤが募っていました。
実家滞在を伝えるとまさかの反応

そんなある日、友人の結婚式出席も兼ねて2週間ほど実家に帰省していたとき、義母から電話がかかってきました。
「今、実家に帰っています」と伝えると、
「えっ? 〇〇は大丈夫? 食事や家事はどうしているの」と明らかに咎めるような口調。
「今はコンビニやスーパーもありますし、〇〇さんも問題なく過ごせていると思います」と答えると、
「そう… でも大丈夫かしら」と一言。夫は大学時代から結婚するまで一人暮らしをしていたため、家事も自炊も問題なくこなせます。けれども義母のこの反応には「結婚後は妻が夫の世話するのが当然」という気持ちがひしひしと伝わってきました。
「私が夫を置いて実家に帰るのはいけないことなの?」とモヤモヤが大きくなりました。
義母の“上から目線”発言に唖然

帰宅して数日後、義母から電話がかかってきました。いつものように夫の話が続いた後、義母は衝撃の一言を放ったのです。
「しらたまさん、家庭のこともあるけどたまには帰っていいのよ」
「たまには帰っていい」この “上から目線の発言” に思わずポカン。妻が自分の実家にいつ帰るかなんて自由。夫の了承は必要だとしても、義母の許可は必要ありません。
「私は夫と結婚したのであって、夫の家族達と結婚したわけじゃない!」と今までたまっていたモヤモヤが爆発。夫のためにも義母とは仲良くしようと思っていたのですが、もう「これ以上無理」。心の中の糸がぷっつり切れてしまいました。
適度な距離がうまくいく
この一件があってから、私は義母からの電話に出る回数を減らし、必要な連絡は夫を通じて伝えるようにしました。すると義母も察したのかいつしか連絡も用があるときだけになりました。後に夫から聞いた話では、私の態度の変化に気づいた義父が
「若い世代の人たちに頻繁に電話するのはやめなさい」と義母に注意したそうです。
「いい嫁」をやめて必要以上に気をつかわなくなったことで、心が軽くなりました。義母とは無理に仲良くするよりも、適度な距離を保つのが一番だと悟りました。
(ファンファン福岡公式ライター/しらたま)


