未来を広げる学びの場!【資生堂】福岡久留米工場で子どもたちがワークショップ体験

 資生堂子ども財団、資生堂、資生堂ジャパンは、児童養護施設の子どもたちを対象にした体験型プログラム「みらいファクトリー」を福岡久留米工場で開催。長崎県内の養護施設で暮らす小学6年生から中学3年生までの25人と職員が参加し、工場見学やワークショップを体験しました!

化粧水やクリームを容器の中に入れる充填マシン。遠心力が利用されています

初開催「みらいファクトリー」とは?

エントランスホールで開会式

 資生堂子ども財団のワークショップが九州で開催されるのは初めてで「みらいファクトリー」企画も初の取り組みです。次世代を担う子どもたちが、ものづくりや“美”の力を体感し、将来の仕事を思い描くきっかけとなることを目指しています。

 児童養護施設大村子供の家・施設長の松本幸治さんは「普段は施設で働いている大人の姿を見ているかもしれませんが、企業ではどのように大人が働いているのか。働くとはどういうことなのか。生の声を聞く機会をいただきました。また、今回教わるスキンケアを通じて自分を大切にするということも学んでほしいです」とあいさつ。

福岡久留米工場で生産される商品が展示されていました

 資生堂福岡久留米工場管理部長の寺田勝久さんも「化粧品作りはただの作業ではなく、化学、アートなどを総合した面白いプロセスです。商品の品質を守ること、働く人、工場に来るお客さまの安全を守ることを大切にしています。化粧品の世界を楽しんでください!」と続きました。

工場見学で化粧品の世界を学ぶ

プロジェクションマッピングを使った解説

 はじめに子どもたちは工場内の見学施設「SHISEIDO BEAUTY PLANET(ビューティー プラネット)」へ。「美の循環」というコンセプトのもと、人、社会、地球をつなぐ循環の輪の一部として化粧品が生産されています。

さまざまなロボットをカラフルに紹介。人への過度な負担を減らし、人とロボットが一緒に働いています

 施設は1)原材料、2)製造、3)充填(じゅうてん)、4)検査、5)梱包(こんぽう)・出荷、6)製造室エリア、7)充填室・包装仕上室エリアで構成。プロジェクションマッピングが使われ、分かりやすく学ぶことができます。子どもたちは興味津々の様子で見入っていました。

充填室・包装仕上室エリア 提供:資生堂

 製造室エリアは、IoT(モノのインターネット)による自動化が進んでいて、製造釜の中の動きがコントロールされています。一番大きな製造釜の容量は5,000ℓ。130㎖の乳液が約3万8,000本製造できる量にあたるそうです。

 充填室・包装仕上室エリアは先端テクノロジーが導入され、充填マシンやロボットが活躍しています。容器に充填するときに泡が立つのを防ぐための技には感心させられました。ノズルが容器の底から液面の高さに合わせて動き、静かに注がれるそうです。

タブレットなども導入され、視覚的に楽しく見学

検査体験に挑戦!

移り変わる色のグラデーションを正確に並べる検査体験に挑戦!

 化粧品が出荷されるまでには厳しい検査が行われています。においや色、使い心地、見た印象などの項目は「官能パネラー」と呼ばれる検査員が視覚、触覚、嗅覚を使って検査。検査員は訓練を重ねながら高品質な化粧品生産を支えています。

 「検査体験」コーナーで子どもたちは夢中に。中でも、20色の「色玉(いろだま)」を制限時間2分以内に、色のグラデーション順に並べていくテストが大人気!「難しかった」「惜しかった」と盛り上がっていました。全て正解できるのは、体験者の20人に1人なんだそうです。

香りや手触りの違い、分かるかな?

 子どもたちは社員食堂で貴重なランチタイムを楽しんだ後、「工場のお仕事紹介」「紫外線ってなあに? ワークショップ」「接客のプロから学ぶ!  スキンケア講座」の各プログラムを体験しました。

参加者の感想は? 発見がいっぱい!

福岡久留米工場では、久留米の地下からくみ上げた天然水が利用されています

 参加者の1人は「工場の建物が大きいのに、働いている人は思っているより少なくてびっくりしました。1つの大きな釜から3万8,000本もの化粧品が作れることも驚きでした。においをかいだり、色を合わせたりする体験がうまくできました」と振り返りました。

 福岡久留米工場管理部総務・人事グループマネージャーの杉山拓也さんは「前社長の魚谷が地域の子どもたちに工場を見てほしいとの思いがありました。みらいファクトリーを通して、生産の様子やモノづくりへの思いを伝えられたらと、今回子どもたちの工場見学を受け入れることに。福岡久留米工場は資生堂の中でも新しく、自動化が進んでいます。大きな機械や働いている人を見られる貴重な機会になったのでは」と話しました。

 資生堂子ども財団・事務局長の塩見朋子さんは「私たちは、施設の子どもたちが社会に出てから必要となる知識を学べるように、自立をサポートするセミナーやワークショップを展開してきました。さまざまな企業や団体にも協力していただき、社員と交流する場も提供しています。一般企業の職場を見て世界を広げていただけたら」と語りました。

資生堂子ども財団の取り組み 

 資生堂子ども財団は、資生堂創業100周年の1972年に社会への利益還元を目的に設立。児童福祉に特化した活動を展開し、子どもへの支援、子どもを育む職員への支援、広く一般に向けた情報発信・共有も実施しています。

 児童福祉施設や里親などのもとで暮らす子どもは日本に約4万2,000人。その子どもたちが高校卒業後に自立する前に、社会的知識を身につけたり、将来について考えたりする機会を提供しています。

資生堂福岡久留米工場とは?

地域との共存共栄を目指す福岡久留米工場

 資生堂福岡久留米工場は、IoT技術を取り入れた最先端の工場として2022年5月に稼働開始。エイジングケアブランドである「エリクシール」をはじめ、「アクアレーベル」などの国内外向けスキンケア製品や「アネッサ」などサンケア製品を生産。

久留米市伝統産業の城島瓦をエントランス外壁に使用

 福岡久留米工場では年間を通じて一般の工場見学を受け入れています。参加者は福岡県内を中心に、東京、海外からも。資生堂のホームページから予約受け付けができます。

福岡久留米工場で生産された商品が消費者のもとへ

資生堂福岡久留米工場

住所 福岡県久留米市田主丸町鷹取808
アクセス 大分自動車道・朝倉ICから約10分(4.9km)

 

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。